介護保険負担限度額認定証とは?2021年に改正の負担限度額も紹介!

2024.04.01

皆様は、介護保険負担限度額認定証と、2021年に改正の負担限度額についてご存知でしょうか?

介護保険負担限度額認定証とは、負担限度額制度の対象となった方、全てに交付される認定証のこと
です。

介護は、身体的、精神的、そして経済的にも負担の大きなものです。
そのため、様々な負担を軽減する制度を利用することで、

介護に対する、負担と不安を減らすことができます。介護について負担や不安を感じている方が
安心できるようしっかりと紹介していきます!

介護保険負担限度額認定証とは?

介護保険負担限度額認定証とは、負担限度額認定制度の対象者に交付される書類のことです!

では、「介護保険負担限度額認定制度」とはどういったものなのでしょう。
また、その認定証をもらうための要件はどういったものなのか、ひとつひとつ見ていきましょう!

 介護保険負担限度額認定制度

介護保険負担限度額認定制度とは、「介護保険施設を利用した際にかかる費用(住居費・食費)を
軽減する制度」のことです。

一般的に、介護保険施設を利用する費用の「住居費と食費」は全額自己負担となります。

生活保護を受給している方や、一定の条件を満たした方に限り、費用が軽減される制度が
「保険負担限度額認定制度」です!

介護費用を軽減してくれるこの制度は、経済的負担を大きく抱える方にとっては、とても
助かる制度です。

介護保険負担限度額認定証をもらう要件は?

負担限度額認定制度は、介護保険施設を利用する際の費用的な負担を軽減してくれる制度ということ
がわかりました。

それでは、この限度額認定制度の認定を受け、介護保険負担限度額認定証をもらうには、
一体どんな要件があるのでしょうか。
ここから紹介する要件を確認することで、この制度の対象となるのかどうかを確認していきましょう!

 対象者

介護保険における、負担限度額認定の対象者となるのは、以下の条件を「全て満たす方」になります。

1・本人及び、その配偶者が「住民税非課税」であること(別世帯、内縁関係を含みます)
2・本人と住民票上、「同一世帯である方が住民税非課税」であること。
3・「利用者段階」ごとに定められた「収入、資産要件を満たす」こと。

※ただし、認定後に資産が基準額を超えた場合、対象外となってしまうので注意が必要です。
※認知後に資産が基準額を超えた場合は、住んでいる自治体に連絡しましょう。

 所得の要件

介護保険 負担限度額認定制度の要件にある所得の要件は「本人を含む世帯全員が住民税非課税」
であることです。

対象者の所得と資産によって、以下の4つの利用者負担段階の分類は以下の4段階となります。

第1段階
・老齢福祉年金受給権者 ・生活保護受給者
第2段階
・本人の合計所得金額と課税年金および非課税年金の収入額の合計が年間80万円以下の方。
第3段階(1)
・本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年間80万円を超え、120万円以下の方。
第3段階(2)
・世帯全員が市区町村民税非課税かつ、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が、年額120万円を超える方。
 ※世帯分離をしている場合でも、配偶者の所得は合算されます。
第4段階
・上記のいずれにも当てはまらない方(市町村民税世帯課税者)を「第4段階」と呼ばれます。

 預貯金等の要件

先に紹介した、所得とは別に預貯金の総額も基準の一つで、負担段階ごとの預貯金は以下の通りです。

第1段階:単身・・・1,000万円以下 夫婦・・・2,000万円以下
第2段階:単身・・・650万円以下  夫婦・・・1,650万円以下
第3段階(1):単身・・・550万円以下 夫婦・・・1,550万円以下
第3段階(2):単身・・・500万円以下 夫婦・・・1500万円以下

負担限度額認定証の交付を受けるには「所得」と「預貯金」両方の要件を満たす必要があり、
預貯金にあてはまる資産は次の通りです。

・預貯金(普通、定期)
・有価証券(株式、国債など)
・金や銀などの貴金属
・現金
・負債(借入金、住宅ローンなど)
※生命保険や自動車などは、預貯金の対象には含まれません。

2021年8月に改正された負担段階と負担限度額

ここまで紹介してきた、介護保険負担限度額認定制度は2021年(令和3年)に改正されました。

利用者の負担段階は、今まで第1段階〜第3段階まででしたが、2021年の改正施工からは、
第3段階が細分化され、「第3段階①」と「第3段階②」に分けられました。

資産要件についても、改正前は「預貯金等の合計額が1,000万円以下(夫婦の場合2,000万円以下)」
という要件でしたが、改正後は、「本人の負担能力に応じた金額」という要件に変更されました。
※詳細は、前述の預貯金等の要件を参照してください。

負担限度額についても、施設入所時と短期入所(ショートステイ)の食費にかかる自己負担額が
変更となりました。

改正前:第1段階、300円 第2段階、390円 第3段階、650円
改正後:第1段階、300円 第2段階、600円 第3段階①、1,000円 第3段階②1,300円

 特例軽減措置について

市町村民税課税世帯は、原則として、食費と居住費の負担限度額制度の軽減はありませんが、
介護保険施設に世帯の一人が入所して制度を利用することで、在宅に残った配偶者や家族の
生計が困難になる可能性があります。

その時に、配偶者や家族の生計が困難になることを防ぐために、条件全てに当てはまる場合は、
食費か住居費、またはその両方について、負担限度額制度が適用されるケースを特例軽減措置
言います。

特例軽減措置の条件は以下の通りです。

①その属する世帯の構成員の数が、2人以上であること。

②介護保険施設に、入所または入院し、利用者負担第4段階の食費と居住費の負担を行うこと。※ショートステイは特例軽減措置は適応できません。

③世帯の年間収入から、施設の利用者負担(施設サービス費の1割又は2割負担額、食費・居住費の年間合計額)の見込額を除いた額が80万円以下となること。
 ※施設入所にあたり、世帯分離をした場合でも、世帯の年間収入は従前の世帯構成員の収入で計算します。

④世帯の現金、預貯金等の額が450万円以下であること。(預貯金等とは、預貯金のほか、有価証券、債券等も含まれます。)

⑤世帯がその居住の用に供する家屋その他日常生活のために必要な資産以外に利用し得る資産を
所有していないこと。

⑥介護保険料を滞納していないこと。

介護保険負担限度額認定証が対象になる施設は?

介護保険施設に入所や短期入所(ショートステイ)した際、介護保険負担限度額が対象になる施設は
以下のとおりです。

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・介護老人保健施設(老人保健施設)
・介護療養型医療施設(介護保険適用の病院)
・介護医療院
・短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護(福祉施設のショートステイ)
・短期入所療養介護、介護予防短期入所療養介護(医療施設のショートステイ)
・地域密着型介護老人福祉施設

※一部、負担限度額が適用されない施設もあります。

介護保険負担限度額認定証の申請方法は?

介護保険負担限度額認定証の申請は「お住いの自治体へ申請書を提出」しましょう。

申請書類は「市区町村の窓口」「地域包括支援センター」「自治体のホームページ」などで
配布しています。
ここからは、申請に必要な書類についてや、注意点。申請の手順についてご紹介していきます。

 介護保険負担限度額認定証の申請に必要な書類

申請時に必要なものは以下の通りです。※地域によって必要な書類が異なる場合があります。

①本人及び配偶者(いる場合のみ)の印鑑。
②本人及び配偶者(いる場合のみ)の全ての預貯金通帳の写し。
③有価証券、債権等がある場合、その額面のわかるものの写し。
④同意書

※生活保護受給者の場合は、②・③の書類は不要です。
※ショートステイを利用している場合、申請時の書類は「介護保険施設の所在地」と「名称」を
記入する必要はなく、「本人の名前」を記入し「押印」して提出します。

 制度の対象に該当すると、認定証が交付されます。 事前に施設に提出しなければ、
減額されないので注意が必要です。

 申請の手順

介護保険負担限度額認定証を交付してもらうための、申請手順は以下の通りです。

①介護保険負担限度額認定申請書、同意書、その他の書類を準備する。
②各市町村の介護保険課の担当窓口に提出する。提出方法は郵送または持ち込み可です。
※申請前に必ず、自治体のホームページや窓口で必要書類を確認しましょう。
③第1段階〜第3段階にあてはまった場合は、介護保険負担額認定証が交付されます。
第4段階の場合は、その旨が通知されます。

申請後、「一週間程度で結果が通知」されますが、「提出書類に不備があると、結果の通知が遅れる
こともある」ため、注意しましょう。

介護保険負担限度額認定証は更新が必要

介護保険負担限度額認定証は、「1年」で更新が必要になり、介護保険負担限度額認定証の期間は
「8月1日〜翌年7月31日」までの1年間です。

毎年更新が必要ですが、初回の認定後は、「翌年以降は自動的に更新書類が送付」されます。
期限ギリギリに送付されることはないため、「期限切れは発生しない」ようになっています。

ただし、「所得や預貯金などの変化によって、負担段階が変化することはあります」ので、
その点は注意が必要です!

まとめ

今回は、「介護保険負担限度額認定証とは何か?」「負担限度額はいくらなのか?」
「2021年8月の改正について」「介護保険負担限度額認定の申請方法は?」など、
介護保険負担限度額認定について、詳しく紹介しました!

介護は、身体的、精神的、そして経済的にも負担が大きくなることがあります。

今回紹介したような「負担を軽減してくれる制度」を上手く活用することで、
本人や家族などの負担を減らし、「その人らしい生活と人生を」歩んでいきましょう!

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