本記事では、介護保険の給付の種類や制度について解説していきます。
介護保険は高齢者や障がい者の生活を支援するための制度であり、
身体介護や生活援助などの給付があります。
護サービスには在宅サービスや施設サービスなどがあり、その内容や程度に応じて給付額が
異なっている部分もあります。
どんな給付が活用できるのかを知るためにも、ぜひとも本記事を参考にしてみてください。
目次
介護保険制度は、高齢者や障がい者などの生活支援を目的とした日本の社会保障制度です。
日本では、65歳以上の高齢者が対象で、介護が必要な人々にサービスを提供する形となっています。
まずは保険者やサービス事業者などについて解説していきましょう。
介護保険制度における保険者とは、日本の介護保険制度において介護保険を運営・管理する
組織や機関のことを指します。
具体的には、各都道府県や市町村が設置する介護保険事務所や、指定介護サービス事業者を
指定する機関が該当します。
保険者である市区町村の役割は、介護を必要とする高齢者に対しての要介護認定の対応、
介護を提供する側である介護サービス事業者への介護報酬の支払いとなります。
保険者は介護保険の受給者に対して介護サービスを提供し、その費用の一部または全部を
支払う責任があります。
介護保険制度における被保険者は、高齢者や身体障害者など、介護サービスを必要とする人々のこと
を指します。
その地域に住んでいる40歳以上の方が対象で、第一号被保険者は65歳以上の高齢者や一定の
身体障害のある人などが被保険者となります。
第二号被保険者は40歳から64歳以下までで、特定疾病が原因で介護を必要としている方が対象です。
被保険者が納める介護保険料は、住んでいる自治体や被保険者の所得、加入している
保険組合などにより異なりますが、40歳以上の全ての方に保険料の支払いが義務付けられています。
介護保険制度における介護サービス事業者とは、高齢者や障害者などの日常生活の支援や
介護を行うサービスを提供する事業者のことを指します。
介護を必要とする高齢者に対する介護サービスの提供、および保険者に対する介護報酬の
請求を行います。
具体的には、介護サービス施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など)、訪問介護事業所、
デイサービス事業所、居宅介護支援事業所などが含まれます。
被保険者が介護保険サービスを利用した際の利用料のうち、7~9割は介護保険から支払われますが、
被保険者が介護保険サービスを利用すると介護サービス事業者が保険者に請求し、支払いが
されるます。
介護保険制度は、高齢化社会における支援の柱になっています。
この制度では、介護給付や予防給付、市町村特別給付などの様々な給付が提供されます。
これらの給付は、それぞれのニーズや状況に合わせて支援を提供し、利用者の生活の質を向上
させることを目指しています。
介護給付とは、高齢者や身体障害者などの日常生活や生活環境の支援を目的としたサービスや
費用の給付制度です。
介護保険制度に基づき、介護を必要とする人が日常生活における介助やケアを受けるための費用を
一部または全額を給付するものです。
居宅、施設、地域密着型サービスに分けられており、合計26種類存在しています。
介護サービス(ヘルパーや訪問介護)、施設サービス(特別養護老人ホームやデイサービス)、
福祉用具や住宅改修などが含まれていて、介護保険制度の中核的なサービスの一つとして
位置づけられています。
介護保険の給付の1つである予防給付は、高齢者や障害者が健康を維持し、生活の質を向上させる
ための支援を提供するものです。
要介護状態ではないが、身体・精神障害があり、掃除や洗濯、買いものなどの身辺動作が
できないなど、日常生活を営むことに継続して支障がある場合に受けられます。
要介護になる可能性があり、居宅支援サービスを受けた場合にかかった費用の9割が給付されます。
要介護状態になる前に健康管理を行い、健康な状態を維持することで、介護の必要性を軽減する
ことを目的としています。
これにより、高齢者や障害者がより自立した生活を送ることができるよう支援されます。
市町村特別給付とは、要介護者や要支援者を対象に、市町村が独自に行っている給付制度です。
介護保険法で定められた介護給付や予防給付以外のサービスを、市町村ごとに独自で行うのが
特徴です。
市町村特別給付の例としては、配食サービスや紙おむつの支給などがあります。
市町村特別給付の財源は、専ら高齢者によって負担される保険料です。
したがって、市町村特別給付については、法定の介護給付及び予防給付以外の市町村独自の
給付として、高齢者相互間の支え合いを制度化する意義が認められます。
介護保険の給付を受けるには、まず自治体の介護保険事務所に申請をするなど、
手続きを経て認定される必要があります。
ここからは介護給付を受けるための流れやその内容について解説していきますので、具体的な流れを
参考にしてみてください。
介護保険サービス利用までの流れを簡単にまとめると、以下のような流れとなります。
・申請
・認定調査
・認定
・ケアプラン作成
・介護サービス事業者と契約
・介護保険サービス利用開始
介護保険サービス利用の条件でもある要介護認定とは、日常生活においてどの程度の介護が必要か、
という介護の必要度合いを判定するためのものです。
まずは、お住まいの市区町村窓口に要介護認定の申請を行います。
その後聞き取り調査などが行われ、おおよそ1か月ほどで要介護度が判定されます。
ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、ケアプランに沿って介護サービス事業者と
契約、その後介護保険サービスの利用開始となります。
介護保険の支給限度額は、要介護度に応じて決まります。
要介護度は、要支援1~2、要介護1~5に区分されており、介護サービスを利用するには
「要支援・要介護認定」が必要です。
支給限度額は、要介護度ごとに厚生労働大臣(国)が決めています。
支給限度額は金額ではなく「単位」で決められていて、サービスの種類や地域によって
1単位あたりの金額が異なりますが、目安として1単位あたり10円として紹介されています。
支給限度額を超えてサービスを利用した場合、超えた分を全額自己負担しなければなりません。
介護保険制度への需要が高まると同時に、保険料や税負担の増加が課題となっています。
75歳以上人口の伸びと介護保険給付の伸びを比べてみると、介護保険給付の方が明らかに
伸びています。
もう一つの大きな課題は介護人材の確保と処遇の改善もあります。
介護分野の低賃金・重労働が顕在化し、人材不足が加速する事態が生じているのもまた事実です。
高齢者が適切な介護サービスを受けられなければ家族の介護離職が増え、その結果、私たちの生活は
悪循環に陥ってしまうことも考えられるでしょう。
本記事では、介護保険給付制度の種類などについて解説しました。
介護保険の給付、と聞くと少し難しいもののように聞こえますが、必要なタイミングで
介護サービスが受けられるので、今の世の中にはなくてはならない制度です。
介護保険制度、給付について早めに理解を深め、適切な介護サービスが受けられるようにしましょう。