日本は超高齢化社会により、介護施設に入居する高齢者が増加傾向です。
介護施設ではさまざまなトラブルがあり、隠しカメラを設置する施設も増えてきています。
プライバシーを保護を重要視する介護施設が隠しカメラを設置するのは違法ではないのかと
疑問に思う方もいるでしょう。
こちらの記事では介護施設に隠しカメラを設置する背景や効果を詳しく解説します。
目次
隠しカメラ設置の背景にはスタッフを守ったり、施設内で事故が起きた時の証拠、防犯の意味
などで設置されています。
本来は入居者様のプライバシー保護を重要視する介護施設。
以下では隠しカメラ設置の理由であるスタッフのハラスメントや、入居者への虐待、介護施設で起こるさまざまなトラブルを詳しく解説します。
隠しカメラ設置の背景はスタッフのハラスメントです。
また、入居者や家族からスタッフへ理不尽なクレームや悪質な要求をするカスタマーハラスメントの
被害も問題です。
特に女性スタッフは入居者に胸を触られたり、一方的に卑猥な話をされるなどセクハラの被害者に
なることが多いです。
しかし、男性も油断はできず逆セクハラされることもあります。
また、入居者様や家族からスタッフへ理不尽なクレームや悪質な要求をするカスタマーハラスメント
の被害も問題です。
音声記録のある監視カメラを導入することでハラスメントや理不尽な要求などの言動を抑止する
可能性が高いでしょう。
隠しカメラ設置の背景は入居者への虐待防止です。
2021年7月に老人ホームで起きた入居者への虐待がニュースとなりました。
隠しカメラにより身体的虐待と精神的虐待が発覚。
虐待の原因はスタッフの認知症の理解不足やストレスなどさまざまです。
虐待の例は、殴ったり蹴ったりする身体的虐待、介護を放棄するネグレクト虐待、暴言を吐いて
傷つける精神的虐待、入居者の財産を勝手に使う経済的虐待。
介護現場の現場では種々の虐待が起きています。
入居者の安全な暮らしを守り、スタッフの気を引き締めるためにも監視カメラの設置は
適しているでしょう。
隠しカメラ設置の背景は介護施設で起こるさまざまなトラブルです。
①不審者の侵入
介護施設は入居者様の金庫が設置されていたり、家族や業者、入居者関係者など様々な人が出入り
するため不審者が侵入しやすいです。
②入居者やスタッフによるアクシデント
入居者の転倒や、外傷など種々ありますが認知症の方だと事実確認が困難です。
③人間関係
他入居者から悪口を言われたり、スタッフや他利用者様と適切な距離がとれずストレスになること
もあります。
上記に上げた3つの例の他にもさまざまなトラブルが起こるでしょう。
監視カメラがあるとトラブルの事実確認が可能です。
介護施設の廊下や食堂など共同のスペースに隠しカメラを設置するのは違法ではありません。
ただし、入居者様の部屋などに監視カメラを設置した場合はプライバシーの侵害になる可能性が
あります。
以下では、介護施設に隠しカメラを設置する場合の注意点を詳しく解説します。
介護施設に隠しカメラを設置する場合は事前説明が必須です。
2016年9月に厚生労働省から社会福祉施設等における防犯に係る安全の確保の通知で
防犯・監視カメラの導入を推奨。
しかし、介護施設では防犯以外にも施設内で起こるさまざまなトラブルに隠しカメラを利用する
可能性があります。
ただし、隠しカメラはプライバシーを侵害し信頼を失うかもしれません。
施設に入居する前に入居者や家族、スタッフに隠しカメラの説明を必ずおこない、
同意を得ましょう。
介護施設に隠しカメラを設置することは違法になることもあります。
違法になる可能性があるケース。
①入居者や家族への説明や同意な入居者様の居室へ設置
②スタッフへの説明や同意なくスタッフしか入れない場所へ設置
③トイレや浴室などプライバシーを侵害する場所
①・②に関しては安全管理や防犯のためですが、隠しカメラを設置する場合は適切な説明と
同意を得ましょう。
③は介護現場以外で隠しカメラを設置することはありません。
しかし、高齢になるとトイレや浴室で急死するリスクが高くなります。
安全管理のため、トイレや浴室に隠しカメラを設置する場合は入居者と家族に説明し同意を
得てください。
介護施設における隠しカメラを設置すると、入居者の俳諧対策や防犯対策などさまざまな利点
があります。
ただし、隠しカメラを設置する場合は入居者や家族、スタッフに説明し同意を得なければなりません。
以下では、介護施設で隠しカメラ設置する利点を詳しく解説します。
介護施設に隠しカメラを設置すると入居者の徘徊対策になります。
施設では認知症で徘徊してしまう方が多く、実際に徘徊を止めることは困難です。
しかし、徘徊を見過ごして勝手に外に出てしまうと、転倒したり夏場は熱中症になるリスクも
あります。
夜間帯はスタッフの人数も少なくなるため、隠しカメラの映像を分析して徘徊する方の
行動パターンを把握できることが利点です。
スタッフの目が届きにくい場所に隠しカメラを設置することは入居者の安全な暮らしを守ることに
つながります。
介護施設に隠しカメラ設置すると防犯対策になります。
介護施設は入居者様の金庫が設置されていたり、家族や業者、入居者関係者など様々な人が
出入りするため不審者が侵入しやすいです。
空き巣は一度だけでなく何度も下見をするケースが多いため、隠しカメラに何度も同じ人が写る
可能性があります。
また、不審者は金銭目的とは限りません。
入居者やスタッフに危害を加える可能性もあります。
隠しカメラの設置は不審者侵入防止になり、不審者が侵入しトラブルがあった場合も警察へ
情報提供が可能です。
介護施設に監視カメラを設置すると入居者やスタッフ間のトラブル対策になります。
近年問題になっている入居者様からのハラスメント問題。
特に女性スタッフは入居者に胸を触られたり、一方的に卑猥な話をされるなどセクハラの被害者に
なることが多いです。
また、入居者や家族からスタッフへ理不尽なクレームや悪質な要求をするカスタマーハラスメント
の被害も問題です。
さらにスタッフ間同士でも上司からパワハラを受けるなどのトラブルがあります。
隠しカメラを設置すると緊張感を持つためトラブルを未然に防いだり、トラブルが起きた時も
隠しカメラで事実確認が可能です。
隠しカメラを設置すると事故対策になります。
介護施設では認知症の方が勝手に歩いて転倒したり、ベッドから起きようとして転落するなど
さまざまな事故が起きやすいです。
特に夜間はスタッフの人数も少ないため、事故を防ぐのが難しい場合もあるかもしれません。
隠しカメラを設置すると入居者の行動が分析でき、事故対策を考えることができます。
さらに出入り口や廊下に隠しカメラを設置すると、入居者がどこにいるか把握できるため外へ
出て行ったり、転倒を防げる可能性が高いです。
介護施設に隠しカメラを設置するとさまざまなトラブルを未然に防ぐ可能性が高いです。
しかし、プライバシーを侵害する可能性があるため、事前の説明と同意が必須。
以下では隠しカメラ設置以外に入居者の安全な暮らしを守る方法を詳しく解説します。
隠しカメラ設置以外に入居者の安全な暮らしを守るためには入居者やスタッフとのコミュケーション
を密にとることです。
介護スタッフは日々忙しくコミュニケーション不足になることもあります。
入居者や家族とのコミュニケーションを密にとることでトラブルを未然に防ぎましょう。
また、スタッフ間でも申し送りを含め密なコミュニケーションが大切です。
少し話し方を意識するだけで信頼度も増すため、コミュニケーションを意識し信頼関係を
築きましょう。
隠しカメラ設置以外に入居者の安全な暮らしを守るためにはボイスレコーダーの設置を検討
しましょう。
介護施設は苦情やクレームが来ることも多いです。
まずは話を最後までよく聞くことが大切ですが、ボイスレコーダーを設置し録音することで
後日事実確認ができます。
施設全体での情報共有もボイスレコーダーがあると共有しやすいです。
ボイスレコーダーによる録音は違法ではありませんが、プライバシーを侵害する可能性はあります。
取り扱いは施設スタッフで話し合ってから活用しましょう。
こちらの記事では介護施設に隠しカメラを設置する背景や効果を詳しく解説しました。
隠しカメラを設置によりスタッフのハラスメントや入居者の虐待の防止などさまざまなトラブルに
対処できます。
ただし、事前に説明と同意を得ないと違法になることがあるので注意が必要です。
隠しカメラの設置により介護スタッフの心身の負担が少しでも減ることを願っています。