精神科デイケアとは、病院やクリニックで行われている外来療法です。
精神障害のある方を対象に社会参加、社会復帰、復学、就労を目的とした通所型の
リハビリテーションです。
また、精神科デイケアは「高齢者のデイケア」とは目的が異なり、別な物になります。
精神科デイケアの目的やプログラム、利用料や手続き内容を詳しく解説しましょう。
目次
精神科デイケアとは、病院やクリニックで行われている精神科リハビリテーション治療です。
スポーツ、レクリエーションなどのプログラムに参加し、生活のリズムや精神疾患の再発防止を
改善するための通所型施設になります。
指導にあたるのは、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士です。
精神科デイケアによって目的やプログラムの内容、対象者などが異なります。
就労支援や職場復帰に向けたプログラムや発達障害・アルコール・薬物依存症などの疾患別の
プログラム、思春期の方に特化したプログラムもあります。
以下の施設で精神科デイケアを実施しています。
・病院(単科病院、総合病院)
・精神科クリニック
・保健所
・精神保健福祉センター など
精神科デイケアを検討中の方は、利用の目的で最も適切なのはどれかを考え実施場所を調べると
良いでしょう。
どんな人が精神科デイケアを利用できるのでしょう。
対象者として発達障害や精神障害をもつ精神科患者の方で比較的症状が落ち着いている。
また、医師により入院の必要がないと判断された方になります。
精神障害のある方が本人の希望する生活を実現するため、その改善や回復を希望されている
方などです。
精神科デイケアによってプログラムや目的などが違うため、対象者については精神科デイケアへ
確かめると良いでしょう。
精神科デイケアにはさまざまな種類があり、プログラムの内容や施設によって違いがあります。
本人の意思によって利用終了のタイミングを判断する場合もあるようですが、およそ1~2年間の
プログラムを実施している施設が多いようです。
・6か月ごとの更新制で最長3年まで
・3ヶ月程利用した後に最長1年まで
などの条件を設けている施設もあります。
それぞれに利用期間が異なりますので、詳細は施設ごとに確かめると良いでしょう。
精神科デイケアは精神障害者の社会生活機能の回復を目的としています。
落ち着いた日常生活や社会復帰に向けて、個人の状況に合わせて目標を設定していくため、
実際に利用する目的は多様です。
通所型の精神科リハビリテーション治療で、生活リズム改善や精神疾患の再発防止、
対人関係やスキル向上などを目的にスポーツ、創作活動、料理の実習、パソコン学習、
ミーティングなどのプログラムを実施します。
実施時間は患者一人当たり一日に6時間が標準となっています。
精神科デイケアを利用したい方の疾患や回復の段階、家族状況などは多様なため、本人の目標を
設定し、それにあわせた以下のようなプログラムを組み合わせます。
・運動系プログラム
・文科系プログラム
・SST(ソーシャルスキル・トレーニング)
・就労支援
・その他
運動系のプログラムには、スポーツ・体を動かす運動・体操系があります。
具体的な例では、ヨガや太極拳、卓球、バレーボール、ウォーキング、フットサルなどになります。
体を動かすことで体力をつけたり、ストレスを発散したり、仲間と一緒にスポーツをすることで
楽しみや不安など共有し、チームワークの向上などにもつながります。
また、人とのコミュニケーションを向上することもできるでしょう。
文科系プログラムには、レクリエーション・創作・趣味活動などがあります。
具体的な例では、料理、手工芸、園芸、塗り絵、音楽鑑賞、カラオケ、絵画、生け花など
趣味や芸術系のプログラムもあるようです。
レクリエーションや創作・趣味活動を通して、集中力や順序を決める事などの向上を見込めますし、
リラックス効果も期待できます。
また、グループで料理などをすることでコミュニケーション向上などにもつながるでしょう。
SST(ソーシャルスキル・トレーニング)とは、人が社会でほかの人と関わりながら
生きていくために欠かせないスキルを身につける訓練のことです。
心理教育のプログラムで、社会資源を上手に使うための講義や病気・健康についての勉強会などに
より、実践的な知識を得られます。
具体的な例では、認知行動療法やソーシャルスキル・トレーニング(SST)、病気や障害への理解など
になります。
精神保健・社会福祉関係者や看護師が講師にあたります。
就労支援は、就労という人間にとって大切な活動を各々の状況に適応し実現できるよう支援する
ことです。
就労は収入を得るだけでなく、社会とのつながりを築き上げ、自己実現を考える大切な意義が
あります。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。
一般企業への就職を目指す障害のある方(65歳未満)を対象に就職に必要な知識やスキル向上の
ためのサポートをおこないます。
治療にかかる医療費の自己負担分を少なくするための自立支援医療という制度があります。
通常の医療費は原則3割負担ですが、自立支援医療制度を利用して1割負担に減額できます。
精神科デイケアの場合、1日で6時間利用になり、通所頻度に関しては短時間の利用で週1回から
始められることが多いようです。
体調の状況に合わせながら利用時間や通所頻度を変更したりすることもできます。
主治医やスタッフと相談しながら、無理のないよう活動すると良いでしょう。
精神科デイケアの施設・規模によって利用料金の費用が異なります。
健康保険の適用が認められていますので、通常、保険診療は3割の医療費負担になりますが、
自立支援医療制度(精神通院医療)の対象となる場合は1割負担になります。
また、保健センターなどでは無料で利用できる公的機関や、
障害者手帳を提示する事などで自己負担費用の軽減ができる自治体もあるようです。
詳しくは精神科デイケアへ確かめると良いでしょう。
精神科デイケアの目的やプログラム、利用料や手続き内容を解説しました。
精神科デイケアとは、病院やクリニックで行われている外来療法で、
精神障害のある方を対象に社会生活機能の回復を目的とした通所型のリハビリテーションです。
精神保健・社会福祉関係者や看護師が指導にあたります。
各種のプログラムにより、生活リズムの改善・体力作りや対人スキル・コミュニケーション力の
向上に取り組み、病気や障害に対する理解を深めながら対処法を学び、症状の再発防止などを目標に
実施されます。
詳細や手続きはお住まいの自治体の障害福祉課などの窓口で確かめましょう。