正常な血圧とは?年代別平均値や測定方法のポイントも紹介!

2024.04.12

今回の記事では、正常な血圧とはどの程度なのかについて解説していきます。
健康な生活を送る上で、血圧は非常に重要です。

適切な血圧は心臓や血管の健康を保つだけでなく、全身の健康にも影響を与えます。

この記事では、正常な血圧と年代別の平均値について紹介し、血圧を清浄に保つためのポイントも
ご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

血圧とは?

医師や医療機関や保健機関が国民にしきりに「血圧を測りましょう」と呼び掛けているのを
聞いたこともあるかと思われます。
これは、脳や心臓の病気を発症する危険度がそれによってわかるからです。
まずは血圧とは何なのかという大本から解説していきます。

 血圧の定義

血圧とは、血管内を流れる血液が、血管の内側を押す圧力のことです。

血液は体内の細胞に酸素と栄養を届けるので、血液が勢いよく流れることは、早く酸素と栄養が
届くことになるので本来はよいことです。

血圧は心臓に近い血管ほど高く、手足などの末梢血管にいくほど低くなっていて、常に変動
しています。

しかし、長期間にわたって血液が勢いよく流れ続けていると、血管の内側がダメージを受けます。
それがゆくゆくは心臓病や脳の病気を引き起こしてしまいます。

 血圧の正常値

血圧の正常値は、家庭血圧で115/75mmHg以下、診察室血圧で120/80mmHg以下とされています。

正常血圧と高血圧の間は正常高値血圧や高値血圧と呼ばれ、将来的に高血圧になりやすいと
考えられており、血圧測定が勧められます。
病気の発症率との関係をみても、例えば脳卒中の発症率がもっとも低いのは、ガイドラインでいうと
正常血圧(収縮期血圧<120かつ拡張期血圧<80)のレベルです。

そのため最近は、「血圧は収縮期血圧<120、拡張期血圧<80までコントロールするほうがいい」
とされています。

 高血圧と低血圧の基準値

高血圧の基準は、診察室で測定した血圧(診察室血圧)では最高血圧が140mmHg以上、
最低血圧が90mmHg以上です。
家庭で測定した血圧(家庭血圧)では、最高血圧が135mmHg以上、最低血圧が85mmHg以上です。

低血圧は、収縮期血圧が100mmHg未満とするのが一般的です。
WHOでは、収縮期血圧100mmHg以下、拡張期血圧60mmHg以下を低血圧としています。
正常血圧120/80mmHg未満と比較すると、分類名が異なり、基準値も寛容に設定されていること
がわかります。

年代別の血圧の平均値は?

20代の平均血圧は、男性で116.6/74.5mmHg、女性で108.9/68.4mmHgです。
30代の平均血圧は、男性で119.4/79.0mmHg、女性で110.5/71.3mmHgです。
40代の平均血圧は、男性で127.8/83.6mmHg、女性で118.1/75.8mmHgです。
50代の平均血圧は、男性で132.4/86.1mmHg、女性で123.6/78.3mmHg、
60代の平均血圧は、男性で137.8/85.6mmHg、女性で132.5/80.0mmHgです。
そして70代は男性で139.5/81.2mmHg、女性で136.3/79.0mmHgです。

血圧を正しく測るためのポイントを紹介

正確な血圧測定は健康管理に不可欠です。
しかし、正しく測定することは簡単なことではありません。
適切な手順を踏まないと、誤った結果を招く可能性があります。ここからは、血圧を正確に測定する
ための重要なポイントを紹介します。

 1分から2分安静にしてから測定する

人間は歩いたり、飲食したりすると血圧は上昇します。 血圧測定時には椅子などに腰掛け、
体の力を抜いて1〜2分間安静にしてから測定します。

医師の指示によっては、夕食前などの測定もあります。
また、自分で血圧が上がったかなと感じたとき、測定値と原因を記録しておくのも役立ちます。

血圧は測り方次第で数値が大きく変わってしまいます。
血圧は一日の中で一定のパターンで変化する上、少しの環境変化や心身の動きにも敏感に
反応して上下するからです。

 毎回朝晩同じ時間に測定する

血圧は1日の中でも変化するため、毎日同じ時間に測定することが推奨されています。
基本は起床後と就寝前の2回で、朝は起きて1時間以内、トイレを済ませ、食事や薬を飲む前に
測ります。

血圧測定は変化の影響を最小限に抑えるために、毎回同じ条件で行うことが鉄則です。
座って5~6回深呼吸をし、リラックスしてから測定しましょう。
仕事で朝の時間が難しい方や夜寝る時間が日によって異なる方は、1日1回でも構いません。
大事なことは、とにかく毎日決まった時間に測定することです。

 毎回同じ腕で測定する

血圧は、毎回同じ腕で測定します。一般的には、利き手の反対側の腕で測るのが原則です。

血圧は、腕の左右の違いでも差が出てしまうので、毎回同じ腕で計測します。
右腕のほうが高く計測されるようです。

血圧を連続して測定すると、腕が圧迫されてうっ血し、測定値が変動します。血圧は、
緊張などの精神状態や測る時刻、気温など環境によっても刻一刻と変化します。
ですから毎回違う血圧は全部正しい血圧ということです。

連続して測定をする場合、測定の度に腕帯を巻いたまま「グーパー」を繰り返し、1分間以上
時間を空けてから次の測定をしてください。

 継続的に記録を付ける

血圧は、測って数値を確認しただけでお終いではありません。
記録して残すことが、管理につながるのです。

記録の方法は、メモ帳などに書いて残すだけでも、「血圧手帳」のような専用のノートに記録して
おくなど、色々とありますが、とにかく残しておくことが重要です。

朝晩それぞれ、2回ずつ測り、その平均値を記録することが基本とされていますが、手書きならば、
2回の数値を記録しておくことでも構いません。

最近では、家庭用血圧計のメーカーのサイトに記録用のアプリがあるなど、便利に記録することが
できるようになりました。

血圧を正常値に保つためには?

血圧を正常値に保つためには、健康的な生活習慣が重要です。
適切な食事、運動、ストレス管理が必要となっています。

最後に、血圧を正常値に保つために取れる行動や、健康な生活を送る上でのポイントを解説して
いきます。

 食生活の改善

血圧を正常値に保つには、食生活の改善が効果的です。

高脂肪・高コレステロール食を控える、塩分を控えるといったように血圧に関係する食生活を
見直すことが大切です。

例えば野菜や果物、きのこ類、海藻類、芋類に含まれる食物繊維やカリウムは血圧の上昇を抑えます。また、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムは、腎臓から食塩を排出しやすくする
働きがあります。
また、トマトジュースの中に含まれるGABA(γ-アミノ酪酸)というアミノ酸の一種には血圧を
下げる作用があることが報告されています。

 適度な運動

定期的な有酸素運動で血圧を下げることができます。
運動は自律神経のバランスを整え血管が広がりやすくするため血圧を下げるのに有効といわれています。

特に有酸素運動は脂質を燃料とするため、体脂肪を減少させ肥満を改善する効果も期待できます。

高血圧の改善のためには、「ややきつい」と感じられる程度の有酸素運動を1日30分以上、
できれば毎日、定期的に行うことが勧められています。

まずは通勤の際に歩く、階段を使う、洗車や掃除を行う、子どもと遊ぶ、自転車で買い物に行く
といった日常生活を通じて身体活動量を増やすことから始めても良いでしょう。

 生活習慣の見直し

食事療法と運動療法に合わせて生活習慣の改善に取り組むことも大切です。

例えば喫煙は高血圧の原因になります。
喫煙者の方は、減煙や禁煙に取り組みましょう。

睡眠時間が短いと高血圧になりやすいとされています。また睡眠時間は十分でも、睡眠が浅い方も
同様に高血圧になりやすいので、睡眠時間を1日7~8時間確保する、寝具や睡眠環境を見直して
睡眠の質を改善することも大切です。

また精神的・身体的なストレスは高血圧の原因になります。
ですので定期的にリフレッシュする時間を持つようにして、ストレスを溜めないように生活を
心がけましょう。

 適正体重の維持

高血圧の治療ガイドラインでは、適正体重の維持や必要に応じた減量が推奨されています。
肥満は高血圧の重要な危険因子とされており、減量により血圧を下げることができます。

体重を1kg減らすごとに、血圧は約0.5~2mmHg下がると言われています。
5kg減量すると、血圧は2.5~10mmHg下がります。

減量には、減塩や運動などの生活習慣の見直しも大切です。ただし、急激な減量は体に負担が
かかりますので、長期の計画を立てて、無理のない範囲で行いましょう。

まとめ

本記事では、正常な血圧や測り方、正常値に保つための方法などを紹介しました。
正確な血圧測定は健康管理に不可欠であることは間違いありません。

また、食生活をはじめとした生活習慣の改善は、高血圧を予防し、正常な血圧を維持するのに
役立ちます。個々の健康状態や生活スタイルに合わせて、適切な改善策を見つけることが重要です。
今回の記事を是非とも参考にしてみてください。

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