ホスピスとはどれくらいの余命の人が入る施設?費用も紹介!

2024.04.12

ホスピスとは、余命を理解した上で、残りの人生の最期の時を穏やかに過ごすために、
多様にある苦痛を和らげる治療・ケアをし、有意義な時間を過ごしてもらうための施設です。

一般的に余命6ヶ月以内の方が入院・入居対象となり、積極的な治療がないことを受け入れている
患者であることが条件となります。

ホスピスの病院・介護施設の違いや費用などについて、わかりやすく解説しましょう。

そもそもホスピスとは?

ホスピス」とは、最期の時を穏やかに過ごすために、苦痛を和らげる治療やケアのことを意味し、
そのような治療やケアをする施設になります。

症状の軽減を優先し、延命治療をほぼ行わず、死期を迎えた患者と家族に対し、適切なケアと
緩和ケアについて指導が行われます。

 緩和ケアとホスピスケアの違い

緩和ケアは診断直後に提供されるケアで、ホスピスケアは余命が近づいている患者さんに提供される
ケアです。

緩和ケアは、診断直後の患者とその家族に対して行われ、疾患による痛みや、身体的問題、
社会的問題などを早期に発見して、的確に治療・処置します。

痛みや苦しみを予防することで、生活の質を改善し、人生の最後を穏やかに過してもうらうよう
対応します。
ホスピスケアは余命が近づいている患者さんに提供される終末期のターミナルケアになります。

ホスピスで受けられる基本ケア

ホスピスで受けられる基本ケアとして、精神的ケア・身体的ケア・社会的ケアの3つがあります。
ホスピスで受けられるケア内容には、カウンセリング、疼痛コントロールや栄養管理、
食事や入浴、排泄などの介助があります。

 精神的ケア

終末期の患者が精神的感じる苦痛には、病気の進行と闘いながら、
自分や家族との別れに向き合うことになるために、非常に辛い状況にあると考えられます。

終末期の患者は、不安や恐怖、絶望感、うつ状態、悲しみ、怒りなどの精神的苦痛を強く感じている
でしょう。
カウンセリング(支持的精神療法)や薬による治療(抗うつ薬など)、行動療法のリラクゼーション、
自律訓練法などの精神的なケアが行われます。

 身体的ケア

身体的なケアには、具体的な治療として、疼痛コントロール、栄養管理、床ずれのケアや予防、
腹水や胸水の管理など、患者の病状や様子に合わせて親切な治療を実施します。

また、患者の症状がより穏やかになるように、医療ソーシャルワーカー、薬剤師、管理栄養士、
臨床心理士、介護職など、多職種による専門家によるサポートも提供しています。

投薬などで痛みの症状を緩和するケアが、身体的なターミナルケアになります。

 社会的ケア

社会的ケアとはどのようなものなのでしょう。
終末期医療を受ける際に重要になってくるのが、金銭的な問題です。
入院や介護によって患者本人や家族に経済的な負担が予想されます。

この負担を減らすため、医療ソーシャルワーカーが、医療費の軽減や支援制度などの情報提供をサポートしてくれます。
これが社会的なケアになります。医療ソーシャルワーカーに相談してサポートを受けましょう。

ホスピスにはどのような施設があるのか?

ホスピスとは、病気などによる苦痛や不安を緩和し、最期の時を穏やかに過ごすための施設です。
ホスピスの施設は主に病院内にあり、医師や看護師、医療ソーシャルワーカー、ヘルパー、
ケアマネジャーなどの緩和ケアチームが対応しています。

また、緩和ケア病棟やホスピス型の介護施設などがあり、施設に入所すると、医療方面の専門スタッフにより、身体的・精神的・社会的な面から総合的に患者と家族の生活をサポートしてくれます。

ホスピスはどれくらいの余命で入院・入居可能?

ホスピスは施設によって余命に関する規定がそれぞれ違いますが、余命6ヶ月以内の方が
入院・入居対象となるのが一般的です。

ホスピスに現在入院または入居している方の余命は、余命宣告を受けていない方や余命宣告10日の方
など、ケースは多様です。

 実際にどれくらいの余命の人がホスピスに入るのか

ホスピスに入院・入居するための余命に関する規定は施設によって異なりますが、
一般的には入院・入居対象は余命6ヶ月以内の方となっています。

ですが実際には、余命に関する規定は施設によって、それぞれ定められています。
例えば、余命6ヶ月以内、余命3か月以内、あるいは余命に関する規定がない施設など色々です。

利用したい場合は、がん治療のための病棟、緩和ケア病棟を持つ病院への入院が一般的になります。

 ホスピスに入って余命が延びることもある

症状の軽減を優先し、診断検査や延命治療をほぼ行わず、抗がん剤などの副作用が起こらないために、少しではありますが、余命が延びることがあります。

緩和ケアによって病気に対する痛みのストレスや将来への不安などが軽減することで、
身体機能が良い状態に保たれ、食欲が湧いて免疫力が上がり、
体力が向上することが余命を、わずかでも延ばすことにつながっているのでしょう。
また、適切な時に病気の治療を始めた、という可能性もあります。

ホスピスの費用相場を紹介

必要となる費用は、入居するホスピスの種類により違ってきます。
入院料は健康保険の適用があり、入院期間や所得額によっても変わります。
以下をみてみましょう。

・介護施設の費用相場
・緩和ケア病棟の費用相場
・在宅ホスピスの費用相場

 介護施設の費用相場

公的施設の特別養護老人ホームなどは、一時金が不要です。
月額使用料は要介護度や居室の種類により違いますが、約6〜15万円前後が目安です。

民間施設の介護付き有料老人ホームなどは入居時に一時金を支払うのが一般的ですが、
ホスピスプランの場合、入居期間が短いため不要になるようです。

居住費や管理費は入居する部屋や地域によって違いますが、月に15〜30万円ほどかかり、
医療・介護費用の目安は5〜25万円程度です。

 緩和ケア病棟の費用相場

ホスピスにかかる費用は、緩和ケア病棟に30日以内の入院をした場合、10割負担なら、
約4万8,700円〜5万1,070円になります。
自己負担額が3割なら、約1万4,610円〜1万5,321円になるでしょう。

緩和ケア病棟に入院する場合は、入院料と食事代、差額ベッド代がかかります。
入院料は施設や入院期間によって違ってきますが、健康保険を使い、高額療養費制度を利用できれば、経済的な負担を軽減できます。

 在宅ホスピスの費用相場

在宅ホスピスの費用は医療費+介護費となり、どちらも1割負担の場合での平均的な費用は
月約4万円です。

他には食費やおむつなどの生活用品が必要になり、在宅ホスピスの月額費用は全体で
平均約5~7万円が目安でしょう。

例えば、在宅緩和ケアでは、積極的ながん治療、抗がん剤治療やホルモン治療などを継続しながら、
痛みや苦痛を緩和し、さらに積極的治療を継続していくことが可能となり、施設とは違う部分も
あります。

まとめ

ホスピスとは、人生の最期の時を穏やかに過ごすために、さまざまな苦痛を和らげる治療や
ケアをする施設です。

ターミナルケアは「終末期医療」とも呼ばれ、余命がわずかな方に人生の最期を有意義に過ごして
もらうためのケアです。

ホスピスで受けられる基本ケアとして、精神的ケア・身体的ケア・社会的ケアの3つがあり、
ホスピスの費用相場や施設の違いなどをそれぞれ紹介しました。
人生の最期の時を、家族と穏やかに過ごしましょう。

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