日本は超高齢化社会のため、要介護認定を受ける高齢者が増えています。
要介護認定は7段階ありますが、身近に対象者がいないとイメージがわかない方もいるでしょう。
要介護2は全般的な介助が必要となる要介護3のひとつ前の段階です。
こちらの記事では要介護2の状態や認定基準、利用可能なサービスを詳しく解説します。
目次
要介護2は5段階ある要介護度の中で2番目に軽い状態。
歩くときだけでなく、立っているときも支えが必要な場合があるため、移動や入浴で介助を要する方が多いです。
以下では要介護2の認定基準や要介護1や要介護3との違いを詳しく解説します。
要介護認定は要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5の7段階。
要介護2の認定基準は食事、排泄などは自分でできるものの生活全般で見守りや介助が必要な状態です。
具体例は爪切りや着替えに介助を要したり、買い物はサポートが必要。
理解力が低下や認知症の初期症状がみられる方も認定対象になります。
要介護2だと一人で暮らしを続けることは難しく、何かしらの介護サービスや生活支援が必須でしょう。
要介護2は自立した日常生活を送ることは難しく、何かしらの介護支援が必要な状態です。
食事や排泄は自分でおこなえます。
しかし、立ったり歩くのに介助が必要となるため移動や入浴などの生活動作に支援が必要。
料理や洗濯、掃除、買い物などの家事動作は自立して行えず全般的な支援を要します。
全般的に要介護1の方と比較すると介護や支援の時間が長くなるのが特徴です。
また、理解力低下や「食事をしたことを忘れる」、徘徊などの問題行動があるなど
認知症初期症状がある方も多くなります。
要介護2と要介護1の違いは要介護認定基準時間です。
要介護認定基準時間は認定調査で得た結果から算出された介護にかかる時間。
要介護1は32分以上50分未満、要介護2は50分以上70分未満です。
また、要介護2の方は要介護1の方よりも足腰が弱く、日常生活動作で介助を要する機会が増えます。
レンタル可能な福祉用具も要介護1と要介護2で違いがあり、要介護2でレンタルできる福祉用具は
多いです。
他に要介護2は理解力や思考力の低下がみられる方もいますが、要介護1は理解力や思考力の低下は
ほぼありません。
要介護2と要介護3の違いは要介護認定基準時間です。
要介護認定基準時間は認定調査で得た結果から算出された介護にかかる時間。
要介護2は50分以上70分未満、要介護3は70 分以上 90 分未満です。
要介護3の方は日常生活動作全般に介助が必要なため、要介護2の方より介護量が多いことが特徴です。
また、要介護3の方は認知症が進行し徘徊や大声や奇声を上げるなど日常生活に支障をきたすことが
多く、要介護2の方より症状が重くなります。
要介護2の方は利用できる介護保険サービスが多いです。
<訪問型>
訪問介護、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリテーション
<通所型>
通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)
<短期入所型>
短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
また、特殊寝台や車いす、床ずれ防止用具などの福祉用具のレンタルも可能です。
要介護2の方が在宅介護で利用可能なサービスは多種あります。
訪問型の訪問看護や訪問入浴、通所型のデイサービスやデイケア、短期入所型のショートステイ
などです。
例として要介護2の方がデイサービスを利用する回数や料金を紹介します。
<回数>
月に12~20回が目安。
通所するデイサービスの種類や加算により、変動します。
また、デイサービス以外の介護保険のサービスを利用している場合で区分支給限度額内に収めたい
場合はデイサービスの回数の調整が必要です。
要介護2の方が施設介護で利用可能なサービスは多種あります。
要介護2で入れる施設は介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などがあり、
入所すれば介護サービスを受けることが可能です。
施設により費用は異なりますが月額15~35万円が目安のため、入居前に確認しましょう。
介護サービスがついていない施設は他事業所と別途契約が必要となります。
利用可能なサービスは訪問型の訪問看護や訪問入浴、訪問リハビリテーション、
通所型のデイサービスやデイケアなどです。
福祉用具のレンタルも可能なため、ケアマネージャーに相談しサービスを調整しましょう。
要介護2の方は福祉用具のレンタルが可能です。
<レンタル可能な福祉用具>
・車いす、車いす付属品(つえ入れやシートベルトなど)
・特殊寝台、特殊寝台付属品(手すりやサイドレールなど)
・床ずれ防止用具(マットレス)、体位変換器(寝返りなどの体位変換をサポート)
・手すり(設置型)、スロープ(設置型)
・歩行器、歩行補助つえ
・認知症老人徘徊感知機器(徘徊の兆候を感知する機器)
・移動用リフト(介護量が多い方の起き上がりや乗り移りをサポート)
・自動排泄処理装置(自力でトイレまで行けない方の排泄をサポート)
腰掛便座や入浴補助用具などの特定福祉用具は介護保険を利用し購入可能です。
区分支給限度額は介護保険から給付される1ヵ月あたりの上限額です。
要介護2の上限額は19705単位。
1単位10円で計算されます。
区分支給限度額に含まれるサービスは訪問型の訪問看護や訪問入浴、通所型のデイサービスや
デイケア、短期入所型のショートステイなどです。
ただしデイサービスやデイケア、ショートステイの食費や訪問入浴の光熱費は自己負担となるため
ご注意ください。
区分支給限度額に含まれないサービスは特別養護老人ホームや介護老人保健施設、
介護療養型医療施設などの施設などです。施設入所は自己負担。
また、福祉用具購入費や住宅改修費も自己負担となるため予算を考えて購入や改修しましょう。
要介護2で一人暮らしを続けることは可能でしょうか。
条件としては、認知機能の低下があまりないこと。
理解力や認知機能が低下して、徘徊などの問題行動がある場合は一人暮らしを続けることは困難です。
ただし、要介護2の方は立ったり歩くのに介助が必要な方が多いです。
室内では歩行器や車いすで移動してトイレやベッドへ一人で行けることも条件のひとつです。
一人暮らしを続ける場合は民生委員の見守りや、介護サービスの利用も必要でしょう。
こちらの記事では要介護2の状態や認定基準、利用可能なサービスを詳しく解説しました。
要介護2は自立して日常生活を送ることは難しく、何かしらの介護支援が必要な状態です。
また、訪問看護やデイサービス、ショートステイを利用する方も多くなります。
もし身近にいる大切な人が要介護2と認定された際に、こちらの記事がお役に立てれば幸いです。