60代の血圧平均値とは?正常値や正常に保つためのポイントも紹介!

2024.05.01

日本の高血圧患者は約4300万人いると言われています。
年代別の割合だと男性、女性ともに60代が一番多いです。

血圧は日々の生活と関係しているため、運動不足だったり食生活が乱れていると正常であった血圧も
上がってしまうかもしれません。
こちらの記事では60代の血圧平均値や成人の正常値、正常に保つポイントを詳しく解説します。

そもそも血圧とは?

血圧は血液が血管の壁を内側から押す力のことです。
血液は心臓のポンプ機能により全身に送り出されています。
血圧が高くなると動脈硬化や脳血管疾患などさまざまな病気になるリスクが高くなるため注意が
必要です。

以下では血圧の定義や、正常値、高血圧と低血圧の基準を詳しく解説します。

 血圧の定義

血圧とは、血管の中を流れる血液が血管の壁の内側にかかる圧力のことです。
血液は心臓のポンプ機能により全身に送り出されています。

心臓が収縮した際に血管の壁にかかる圧力が収縮期血圧です。
わかりやすく最高血圧や上の血圧と呼ばれることもあります。

血液を押し出した後、血液が戻ろうとして心臓が拡大した際に血管の壁にかかる圧が
拡張期血圧です。
わかりやすく、最低血圧や下の血圧と呼ばれることもあります。

血圧は常に一定ではなく、運動や時間帯などさまざまな要因で変動するため、決まった時間に
血圧を測り自分の血圧を把握することが大切です。

 血圧の正常値

成人の血圧は6種に分類されます。

至適血圧:(収縮期)120未満、(拡張期)80未満
正常血圧:(収縮期)130未満、(拡張期)85未満
正常高地血圧:(収縮期)130~139、(拡張期)85~89
Ⅰ度高血圧:(収縮期)140~159、(拡張期)90~99
Ⅱ度高血圧:(収縮期)160~179、(拡張期)100~109
Ⅲ度高血圧:(収縮期)180以上、(拡張期)110以上

至適血圧は脳や心臓、腎臓などの臓器が障害を起こさないための理想的な血圧の値であり、
正常血圧の方よりも長寿と言われています。

 高血圧と低血圧の基準

日本人の3人に1人は高血圧と言われています。
高血圧は安静時に正常値よりも血圧が慢性的に高い状態です。

血圧は診察室血圧と家庭血圧があります。
診察室血圧は病院で測る血圧で、家庭血圧は自宅で測る血圧です。

診察室血圧は緊張で血圧が高くなることもあるため、診察室血圧と家庭血圧で誤差が出た場合は
家庭血圧の値が優先されます。
高血圧の定義は家庭血圧で135/85mmHg以上、診察室血圧で140/90mmmHgです。

低血圧の基準は高血圧ほど重視されていません。
WHOは世界共通の基準として、低血圧を収縮期血圧100m㎎以下、拡張期血圧60㎎以下と定義
しています。
血圧が低いだけでは病気とは診断されませんが、めまいや立ちくらみがひどい場合は病院を受診し、
医師に相談しましょう。

60代の血圧の平均値は?

年を重ねれば血管も老化します。
血管が老化すると高血圧になるリスクも高くなります。

60代の血圧の平均値は男性で135.8/78.5mmHg、女性で131.0/76.7mmHg
男女ともに平均値は高めです。

血圧が高すぎると頭痛やめまいなどが起こることもありますが、ほとんどの場合自覚症状が
ありません。

高血圧を放置すると動脈硬化や脳血管疾患などさまざまな病気にかかるリスクが上がります。
自分の血圧を把握するために、家庭で血圧を測る習慣をつけましょう。

血圧正常値から外れた時のリスク

血圧が正常値から外れ高血圧になった場合、病気になるリスクが上がります。
脳出血などの脳の病気、心筋梗塞などの心臓の病気など危険な病気を起こしやすいです。

血圧が低すぎる場合はめまいや立ちくらみなどの症状が増えるでしょう。
以下では高血圧、低血圧のそれぞれのリスクを詳しく解説します。

 高血圧の場合

高血圧の場合、さまざまな病気にかかるリスクが高くなります。

①脳血管疾患:脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など
②心臓の病気:心筋梗塞、心肥大、狭心症など
③慢性腎臓病
高家圧は2種類あります。
(1)本態性高血圧:原因がはっきりわからないが血圧が高い
(2)二次性高血圧:他の疾患や薬の影響が原因

日本人の90%前後が原因がはっきりわからない本態性高血圧です。
血圧が高すぎる場合は頭痛やめまいなどが起こることもありますが、ほとんどの方が自覚症状が
ありません。
自覚症状がないからと放置していると心臓や腎臓に負担がかかるため、高血圧の方は病院を
受診しましょう。

 低血圧の場合

低血圧は4つに分類されます。

①本態性低血圧:原因不明だが血圧が低い
②症候性低血圧症:ケガによる大出血、心臓病、胃腸疾患による栄養不良などが影響
③起立性低血圧:急に立ちあがったり長時間立っていたときに、自律神経がうまく調節できず
血圧が低下
④食後低血圧:食後急激に血圧が下がる

一般的に低血圧は高血圧よりも良いといわれており、健康な方は治療の必要ありません。
ただし、生活に支障をきたしている場合は生活習慣を見直したり、血圧を上げる薬を内服することも
あります。

血圧を正常に保つためには?

血圧を正常に保つためには適度な運動を心がけましょう。
食生活の改善や十分な睡眠、休養も大切です。
過度な飲酒と喫煙は血圧を上げるため注意しましょう。

以下では血圧を正常に保つためのポイントを詳しく解説します。

 適度な運動を心がける

血圧を正常に保つためには適度な運動を心がけましょう。
運動をすると一時的に血圧は上がりますが、運動後は下がることが多いです。

継続的に運動をすることで血管が広がったり、自律神経が整い血流も良くなります。
運動はウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を1日トータル30分、1週間に3回以上
おこなうことが推奨。

ただし運動にこだわりすぎず、掃除や洗濯物を干すなど日常生活のなかで体をこまめに
動かすようにしましょう。

 食生活を改善する

血圧を正常に保つためには食生活を改善しましょう。

①塩の量に気をつける
日本高血圧ガイドラインでは1日あたりの塩分を6g未満と設定しています。
醤油や塩の使用を控え、代わりにだしをしっかりとったり、コショウなどのスパイスを使うなど、
調理を工夫しましょう。

②ミネラル類を摂取する
野菜や果物などに多く含まれるカリウムはナトリウム(塩分)を排出する効果があります。
また、カルシウムやマグネシウムの摂取も血圧を下げる効果があるため、海藻などを意識して
とりましょう。
食生活全体としては食べすぎや過剰な飲酒も高血圧につながるリスクがあるため注意が必要です。

 十分な睡眠や休養をとる

血圧を正常に保つためには十分な睡眠や休養をとりましょう。
睡眠時間が短いと血圧を上げる交感神経が活発化し、高血圧になるリスクが高くなります。

質の良い睡眠は血圧を下げますが、夜中に何度も起きたりして睡眠の質が悪くなると血圧が
上昇するため、注意しましょう。
日々の生活では身体的・精神的疲労がたまりやすいです。
なるべく次の日に疲労を残さないように十分に休養し、副交感神経を優位にして血圧を下げましょう。
過重労働や夜更かしをしている方は生活リズムを見直すことも必要です。

 節酒や禁煙に努める

血圧を正常に保つためには節酒や禁煙に努めましょう。
お酒は血管を拡張させるため、一時的には血圧を下げます。
しかし、過度の飲酒は血圧を上げ脳血管疾患、心臓病に繋がる可能性があるため注意が必要です。

タバコは百害あって一利なし。
タバコに含まれるニコチンの成分が血圧を上昇させ、一酸化炭素が血栓を発生させる要因となります。
また、タバコを吸わない方も喫煙者がそばにいると副流煙により動脈硬化などさまざまな病気に
かかるリスクが上がるため注意が必要です。

まとめ

こちらの記事では、60代の血圧平均値や成人の正常値、正常に保つポイントを詳しく解説しました。

60代の血圧の平均値は男性で135.8/78.5mmHg、女性で131.0/76.7mmHgと、
男女ともに高めの血圧です。

正常な血圧を保つためには適度な運動や食生活の改善、十分な睡眠をとりましょう。
人生100年時代。
健康に長生きするためにも日々の生活を見直し、血圧を正常値に保たれることを願っております。

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