介助者とは?介護との違いや仕事内容も詳しく解説!

2024.05.01

齢者福祉の世界では、「介護」と「介助」という言葉がよく使われます。

何気なくつかっている、介護と介助という言葉ですが、よくわからないまま使っている方は
多いのではないでしょうか?

福祉の仕事をするにあたってこの介護と介助の違いや定義について把握しておくことは、
基礎的な知識として欠かせないものです。

この記事では、介助者とはなにか。
そして、介護との違いや仕事内容についても詳しく解説していきます!

介護と介助の違いとは?

介護者と介助者の違いとはいったい何なのでしょうか?
介護と介助ということばは、主に医療や福祉の現場で使われる言葉です。
法律として決められているわけではありませんが、

厚生労働省の資料を基本に、「介護」と「介助」の違いについて詳しく解説していきます!

介護の主な内容

ここからは、介護の主な仕事内容について説明していきます。

今回は、介護サービスの中でも多く利用される訪問介護における「生活援助」と「身体介護」の
2種類に分けて説明していきます。

先に述べた、介護と介助の違いと合わせて、生活援助と身体介護の違いについても理解を
深めていきましょう!

 生活援助

生活援助とは、「利用者が、自立した日常生活が送られるよう支援する」サービスです。

主な対象は、本人や家族が難しい「掃除・洗濯・調理・買い物」など一連の
IADL(手段的日常生活動作)となります。

身体介護と生活援助の違いとして、身体介護との大きな違いは「生活援助は利用者の身体に触れる
ことがない」という点
です。

生活援助では、日常生活で困難を抱える部分を代わりに行ったり、利用者が自分でできる方法を
考えたりすることです。

利用者の生活状況や家の環境などを理解し、適切なサポートを提供する能力が必要となってきます。
また、利用者のプライバシーを尊重し、守秘義務を守り、丁寧に意思決定を勧める配慮が欠かせません。

 身体介護

身体介護は生活援助とは違い「直接利用者の身体に触れて日常生活に必要な動作を支援する
介護サービス」です。

主な対象となるのは「食事・排泄・入浴などの身の回りの動作(ADL)」や「寝返り・起き上がり
・立ち上がりなどの基本動作」が含まれます。
身体介護は直接利用者の身体にふれるため「専門的な知識と技術」が欠かせません。

例えば、身体に無理のない姿勢や動作で利用者をサポートするための、技術や方法を知ることや
利用者の身体について的確に把握する知識などが必要とされます。

コミュニケーションももちろん重要で、利用者との信頼関係を構築する必要があります。
なぜなら、身体介護は利用者の身体に直接触れて行うため、信頼関係が築けた関係で行うことで
介護のクオリティが高まると言えるからです。

介護者は自立支援の視点を持ち、利用者が自分でできるように「必要な部分と程度を見極め」
適切にサポートすることが重要です。

意味のない介助や、必要以上に介入することは、利用者のADLの低下や自尊心を傷つける行為に
なるため、注意が必要です。

介助の主な内容

ここまで、介護について紹介してきました。ここからは、介助の主な内容について6つ項目に
わけて詳しく説明していきます。
介助とは、利用者の食事や排泄、入浴などを直接的にサポートする行為を指します。

それでは、6つの項目別に仕事内容と特徴について見ていきましょう!

 食事介助

加齢や病気により、食事を噛む力や飲み込む力、消化の機能が低下し、うまく食事ができない
利用者に行われるサポートのことをいいます。

介助者は、食べ物を適切な大きさに切ったり、スプーンやフォークをなどの道具を使うサポートを
行います。

また利用者の身体状況に応じて誤嚥や窒息を防ぐために、食事の姿勢や食べるペースを整えることも
重要な食事介助の一つと言えます。
利用者が食事を通して必要な栄養を摂り、食事を楽しむことができるよう、サポートすることが
目的する。

 入浴介助

利用者の全身の清潔を保つために入浴できるようサポートします。
入浴はリラックス効果もあり、心と身体を癒やす効果も期待できます。

介助者は利用者が安心、安全に入浴できるよう配慮し、入浴前後の移動や洗身・洗髪・更衣を
サポートします。

また、利用者の身体状況や希望に沿って、湯船に入るかシャワーを使うかなど入浴方法を適切に
選びます。
快適で安心・安全な入浴のために、脱衣所や浴室の室温を適切に保つことや、濡れた床での
転倒防止など環境にも注意しましょう。

 歩行介助

利用者が安全に目的の場所まで歩行することをサポートすることを言います。

歩行は転倒のリスクが高い行為なので、利用者の身体の状況に合わせて適切に介助する位置や、
支え方を考え実施します。
高齢者や身体に障害のある方は、ふとした拍子にバランスを崩すことも多いです。

歩行を補助する道具を利用したり、動線の環境を整え、利用者ができるだけ自立した歩行が
できるように努めることが大切です。

また、もしも転倒した場合の対応に関しても事前に検討し準備しておきましょう。
特に高齢者は骨が弱かったりふとした瞬間に自分を支えようとする、反射も弱っている場合が
多いです。
もしも、転倒し骨折したり頭部を打撲している場合は、すぐに動かさず外傷や意識を確認し
痛みなどを確認しながら安全を確保した上で処置や救急への連絡など、
落ち着いて対処しましょう。

もしも、手伝ってくれる方がまわりにいる環境の場合は、無理に1人で対応せず応援を要請しましょう。

 排泄介助

排泄介助は大きく分けて、トイレ介助、ポータブルトイレ介助、おむつ介助、尿器・差し込み便器の
4種類があります。

利用者の個々の排泄方法に合わせて、適切なタイミングや環境の下で介助を行います。

また、排泄は非常にデリケートな行為でプライバシーに立ち入る介助でもあるため、自尊心に
配慮したサポートを心がけることが大切です。

利用者の家の環境や、身体の状況によっては移動を介助する必要もでてくるため、歩行や乗り移りが
安全にできるようサポートすることも必要です。

 移乗介助

移乗とは乗り移るという意味で、利用者が「ベッド・車いす・便座」などに安全に移ることが
目的です。

移乗の際には、利用者が無理なく自分の力を活かしてできる方法で行うことが求められます。
移乗介助には、適切な体勢を保つことや、身体の支え方などの技術と知識が必要不可欠です。

また、車いすの角度やベッドの高さ、柵の位置などを確認し、身体がぶつかることが無いように
注意しましょう。
介助者と利用者の体格差が大きく、体格が合わない場合は1人で無理して行わず、複数人で安全に
行うことも考えましょう。

 更衣介助

利用者が服を着衣、脱衣する際にサポートすることです。
なるべく自身で行えるよう、手順を統一し着脱のサポートを行うことが大切です。

衣類の伸縮性や重さ、利用者の肌が湿っているか乾いているかなど、状況によっても方法が
違ってくることも理解が必要です。

また、利用者が希望するファッションや季節に応じた衣類を選ぶことを尊重し、利用者が快適に
着替えができるようサポートします。

オシャレな衣類に着替えを行う、自分で選んだ衣類を着ることは精神的にも明るくなる、
意欲が湧き出ることに繋がるため、更衣することだけを目的とせず、
精神的なサポートの意味もあることを理解し、自己選択や自己決定のサポートもしていきましょう。

介助は自立状態の把握がポイントになる

介助において大切なことは、利用者の自立状態を把握することがポイントになります。

自立状態の把握が不十分なまま介助を行うと「過剰な介助」で自立の妨げをしてしまったり
「介助不足」が起きたりとリスクが生じます。

介助が必要な方には、サポートが必要な部分と自分でできる部分があり、それは個々によって
千差万別です。
何もかも介助をして手助けするのではなく、自分でできる部分は自分でできるよう勧める、
一緒に方法を考えることが大切です。

介助者と介護者の仕事内容の違いを紹介

ここまで、身体介護と生活援助にわけて、各項目の内容を細かく、紹介しました。
それでは、具体的に「介護士」と「介助士」では仕事の内容はどう違ってくるのでしょうか?
介護士と介助士の2つに分けてご紹介していきます。

 介護士

介護士の仕事内容を一言でまとめると「日常生活が困難な方に、自立を目的としたサポートを
長期間行う」お仕事と言えます。

介護士が活躍する場所としては「高齢者や障がい者の自宅に訪問する」「老人ホームやデイサービス」などに勤務し、食事・排泄・入浴・レクリエーションを行うなどです。

これらの場で、身体介護や生活援助を長期間行う仕事であると同時に、精神的な援助を
提供する仕事でもあります。
要介護者が抱える悩みやストレスを解消するためのメンタルケアも行います。

 介助士

介助士の仕事内容を一言でまとめると「食事・排泄・入浴・睡眠など日常生活に関するサポート」
を行う仕事となります。

高齢者や障がい者が安心して、公共の施設などを利用できるようサポートすることが介助士の主な
仕事です。
高齢者や障がい者が自分でできる部分は自分でできるよう、お手伝いする仕事です。

介助士が活躍する場所として、介護施設はもちろんのこと「観光業、小売業、運輸業」など
幅広い業界において必要とされている仕事です。

まとめ

今回は、介助者と介護者の違いについて詳しくご紹介しました。

少子高齢化が加速する日本において、介護士・介助士ともに必要とされる場面は多くなって
きています。

今回紹介した、介護士・介助士とは何か、仕事はどういった内容なのかについて理解し、
介護や介助が必要な方が「その人らしい生活」が送れるよう、
適切な介護や介助を提供していきましょう。

困っている方の手助けをすることは、やりがいも多く社会的にも重要な役割を担える職業です。
今回の記事が介護や介助に携わる方にとって、質の高いサポートを提供するために役立てば幸いです!

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