現在の日本は超高齢化社会に突入しており、今後さらに高齢者は増えていくといわれています。
それに伴い65歳以上の高齢者を同じく65歳以上の高齢者が介護する老老介護は増加傾向です。
老々介護に限界を感じケアハウスやサービス付き高齢者向け住宅などの介護サービス付きの施設に
入居する方も増えています。
こちらの記事ではケアハウスに夫婦で入居は可能か、入居時の料金や注意点を詳しく解説します。
目次
ケアハウスとは軽費老人ホームの一形態です。
軽費老人ホームはA型、B型、ケアハウスの3種類。
A型とB型は1990年以降は新設されず、現在はケアハウスが主流です。
以下では特別養護老人ホームとの違いや、ケアハウスの概要、料金、注意点などを詳しく解説します。
ケアハウスと特別養護老人ホームとの違いは入居対象者です。
特別養護老人ホームは要介護3以上で介護が必要な方しか入居できません。
一方でケアハウスは一般型であれば60歳以上で自立~要介護の方が入居可能です。
介護型ケアハウスは原則65歳以上で要介護1以上の方が対象となります。
ケアハウスも特別養護老人ホームも有料老人ホームと比較すると料金が安価なので人気です。
しかし、特別養護老人ホームは要介護3以上で入居待ちの方も多いため、すぐに入居したい方は
ケアハウスや有料老人ホームの入居を検討しましょう。
ケアハウスは自宅での生活が難しい方が食事や洗濯、掃除などの生活支援サービスを受けられる
入居施設です。
一般型は60歳以上、介護型は原則65歳以上の高齢者が入居対象となります。
以下ではケアハウスの種類や、料金、注意点を詳しく解説します。
ケアハウスには一般型と介護型の2種類があります。
2つの違いは介護サービスの有無で、介護型のみ介護サービスが提供可能です。
ケアハウスの料金は入居したケアハウスの種類によって異なります。
一般型は利用したサービス分を支払い、介護型は毎月固定で支払う形式です。
ケアハウスの入居時にかかる相場は0~30万円。
有料老人ホームと比較すれば安価ですが、保証金がかかる施設や介護型のように入居一時金がかかる
施設もあるため、入居前に確認しましょう。
ケアハウスの月額利用料は7.5~12.4万円。
月々の主な料金はサービス提供費、生活費、住居費です。
また、介護サービスを利用する場合は介護サービス費の加算もされます。
加算には個別機能訓練加算、医療機関連携加算、夜間看護体制加算、看取り介護加算などがあるため、入居前に確認しましょう。
ケアハウスに入居する場合、注意点があります。
夫婦でケアハウスに入居するには事前に十分な検討が必要です。
ケアハウスの一般型であれば夫婦のどちらかが60歳以上であれば二人部屋に入居可能です。
ただし、二人部屋の部屋数は少ないことが多いため、待機期間が長くなる可能性があるので
注意しましょう。
長く連れ添ったパートナーと一緒に過ごせることは安心感はあるものの、同室で距離が近いため
ストレスを感じることもあります。
また、二人部屋は個室を2部屋借りるよりは家賃を抑えられるためお得です。
しかし、パートナーの介護度が高くなったり、亡くなった場合などは住み替えをするリスクも
あります。
メリットとデメリットを把握したうえで夫婦でのケアハウスに入居を検討しましょう。
夫婦で入れるケアハウス以外の施設で代表的なのは4種類。
介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、
グループホームです。
どの施設もケアハウスよりは費用は高めですが、待機時間は短い可能性があります。
以下ではそれぞれの施設の特徴を詳しく解説します。
介護付き有料老人ホームは24時間スタッフが常駐し、介護サービスや生活支援を受けることが
できます。
入居対象者は原則として要介護認定された65歳以上の方。
介護サービスは食事や入浴、排泄、移動、着替えなどの介助を受けることが可能です。
また、生活支援として掃除や洗濯、買い物、行政手続きなどの支援もおこなわれています。
さらに健康管理もサービスに含まれ、検温や服薬管理、皮膚疾患や怪我の処置を受けられるので
安心です。
身体機能の維持として、セラピストによるリハビリテーションが提供される施設もあります。
介護付き有料老人ホームは入居一時金が0~数百万円、月額は15万~30万円と高額です。
施設によって利用料金が異なるため、入居前に確認しましょう。
住宅型有料老人ホームは原則24時間スタッフが常駐し、生活支援サービスを受けることができます。
入居対象は原則60歳以上で自立~要介護度が低めの方が対象。
住宅型は介護サービスを提供していないため、介護サービスを利用した場合は外部に依頼すれば
利用は可能です。
生活支援として掃除や洗濯、買い物、行政手続き、生活相談など入居者の希望に応じた
サービスを受けられます。
また、レクリエーションが充実しており、体を動かしたり、脳トレ、もの作り、季節の行事などを
通して生活の質を上げることが可能です。
住宅型の入居一時金の平均は76.8万円、月額利用料の平均は12万円。
介護サービスを利用する場合は外部に依頼するため、別途料金がかかることも把握しておきましょう。
サービス付き高齢者向け住宅は安否確認と生活相談が義務付けられた施設です。
入居対象は60歳以上の高齢者、もしくは60歳未満で要介護認定を受けている方。
サービス付き高齢者向け住宅は一般型と介護型の2種類に分けられます。
一般型:自立した方の入居を想定しており、食事などはオプションとして提供されます。
介護サービスが必要な場合は外部の業者と契約すれば利用可能です。
介護型:24時間介護スタッフが常駐し、日中は看護師が常駐しています。
そのため、入浴や排泄、着替えなどの介護サービスや、インスリン注射や在宅酸素療法などの
医療ケアも対応可能です。
ただし、医療ケアは施設によっては対応できないケアもあるため事前に確認しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金の平均は26.6万円、月額利用料の平均は16.1万円。
介護サービスが提供される介護型は一般型と比較すると費用は高くなるため、入居前に検討が
必要です。
グループホームは認知症高齢者のための入居施設です。
入居対象は65歳以上で要支援2以上の介護認定があり、認知症の診断を受けた方。
グループホームは地域密着型のため、グループホームがある土地に一定の居住期間がないと入居を
認めない市町村もあるため注意しましょう。
また、5~9人と少人数のユニットのため入居者同士の交流が多いのが魅力です。
認知症ケアの専門スタッフが常駐しているため、入居者の日常生活のサポートや精神的なケアも
提供されます。
さらに、介護サービスを利用する場合は介護度により基本料金が異なり看取りなどのサービスを
追加すると加算されるため、事前に施設へ確認しましょう。
夫婦で同じ施設に入ることはメリットもデメリットもあります。
メリットは長年連れ添ったパートナーと一緒に入居できる安心感があります。
デメリットは同室で距離が近いゆえにストレスが溜まって不仲になってしまう可能性があることです。
以下ではメリットとデメリットを詳しく解説します。
夫婦で同じ施設に入るメリットは主に3つ。
以下ではメリットとデメリットを詳しく解説します。
住み慣れた家を離れることは少なからず不安があるでしょう。
そんな時、パートナーが一緒ならば不安が軽減され安心感につながります。
②費用が抑えられる。
①長年連れ添ったパートナーと一緒に入居できること。
③子どもの負担が減る
高齢になると多かれ少なかれ介護や生活支援のサービスを受ける機会が増えてきます。
その際、施設に入居していれば子どもの介護負担が軽減され、遠く離れて暮らしている場合でも
安心です。
夫婦で同じ施設に入るデメリットは主に3つ。
①同室によるストレス
二人部屋は一人部屋より広めですが、仕切りなどはありません。
そのため常にパートナーがそばにいるため一人になれず、ストレスを抱える可能性があります。
②住み替えする可能性がある
パートナーが入院したり、亡くなったりすると二人部屋に一人で暮らすことになります。
二人部屋は一人部屋より割高のため経済的負担が増えるため、住み替えを検討する方も多いです。
③待機待ちがある
二人部屋は数が少ないため、すぐに埋まってしまいます。
そのため待機時間が長くなる可能性があるため、入居を考え始めたらなるべく早く検討しましょう。
こちらの記事ではケアハウスに夫婦で入居は可能か、入居時の料金や注意点を詳しく解説しました。
ケアハウスに夫婦で入居することは可能ですが、メリットもデメリットもあるため十分な検討が
必要です。
入居時にかかる相場は0~30万円、月額利用料は7.5~12.4万円。
有料老人ホームと比較すれば安価ですが、施設によっても異なるため事前に確認しましょう。
住み慣れた家を離れることは簡単には決断できないでしょうが、新たな住居で心穏やかに
過ごされることを願っています。