介護における接遇マナー基本5原則とは?意識すべきポイントも解説!

2024.05.13

サービス業や医療、介護業界で働く方は接遇という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。
実際のところ、接遇の意味や、なぜ接遇マナーが求められるか疑問に思う方もいるかもしれません。

介護現場では接遇を身につけることで利用者が安心してサービスを利用できるなど
メリットが多いです。
こちらの記事では介護における接遇マナー基本5原則や、意識すべきポイントを詳しく解説します。

そもそも接遇とは何か

接遇とは相手の心に寄り添い形にして伝えることです。
接遇マナーは5原則で成り立っています。

①挨拶
場面や人に合わせて適切な挨拶を心がけます。
②言葉遣い
敬語が基本ですが、相手の年齢や立場に応じた丁寧な言葉を使います。
③態度
歩き方や立ち振る舞いなど、一つひとつの所作を丁寧におこなうように心がけます。
④表情
7割以上の方が第一印象を顔で判断するため、笑顔を意識しましょう。
⑤身だしなみ
相手に不快感を与えないよう清潔感のある身だしなみを心がけます。

介護の現場で接遇が求められる理由は?

以下では介護の現場で接遇が求められる2つの理由を詳しく解説します。

また、利用者の人格を尊重し自分らしく生きるためにも接遇は重要です。

 利用者との信頼関係を築くため

介護の現場で接遇が求められる理由は利用者との信頼関係を築くためです。
介護サービスは入浴や排泄の介助をはじめとして、利用者と職員の身体的距離が近くなる
ことが多いです。
はじめて会う人に介護をしてもらうことも珍しいことではありません。

利用者さんに安心感を持ってもらうため、挨拶や笑顔を忘れず丁寧な立ち振る舞いを心がける
ことが大切です。
接遇マナーを守り利用者に寄り添うことで信頼関係を築き、安心・安全な介護サービスを
提供しましょう。

 利用者の尊厳を守るため

高齢になると多かれ少なかれ介護が必要な場面が増えてきます。
介護されることが情けない、恥ずかしいと思い、不安やストレスを感じる方もいるでしょう。

利用者の立場に寄り添い、介護をする時は笑顔を忘れず、丁寧な言葉遣いや声掛けで利用者の
尊厳を守ることが大切です。

利用者が一人の人間として自分らしく生きるためにも、相手の話を傾聴し丁寧な態度で接する
ことを心がけましょう。
介護の現場で接遇が求められる理由は利用者の尊厳を守るためです。

介護において大切な接遇マナー基本5原則

接遇マナーには基本5原則があります。
①挨拶・声掛け、②言葉遣い、③態度・立ち居振る舞い、④表情・笑顔、⑤身だしなみ

介護現場においても接遇マナー基本5原則を守ることが利用者と信頼関係を築くうえでとても大切です。
以下では接遇マナー基本5原則をそれぞれ解説します。

 挨拶・声掛け

接遇マナー基本5原則の一つは、挨拶・声掛けです。
挨拶は日常的に何気なくおこなっているかもしれませんが、挨拶のやり方で相手の印象は大きく
変わります。
相手の目を見て、笑顔で挨拶。
さらに明るい声で丁寧な挨拶をすると好印象を持たれるでしょう。

高齢者の声掛けにも接遇マナーを意識することが大切です。
加齢に伴い耳が聞こえにくくなる方が多くなるため、ゆっくりと適度な大きさの声で
話しましょう。

それぞれの利用者の立場に立った声掛けは尊厳を守ることにもつながります。

 言葉遣い

接遇マナー基本5原則の一つは、言葉遣いです。
基本的には敬語を使うことが推奨されます。
利用者は友達ではありません。

そして、介護量が多かったり、認知症でコミュニケーションがとりづらかったとしても
子どもではなく目上の方です。

馴れなれしい言葉や赤ちゃん言葉、流行りの言葉は避けるようにしましょう。
スタッフ同士の会話も注意が必要。
利用者はスタッフ同士の会話を聞いていないようで聞いているのです。
利用者や家族はもちろん、スタッフ間でも丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

 態度・立ち居振る舞い

接遇マナー基本5原則の一つは、態度・立ち居振る舞いです。
利用者や家族、スタッフに対して、丁寧で礼儀正しい態度で接しましょう。
表情や言葉遣いなど細かなことに気を配ることを意識してください。

立ち居振る舞いは立ち姿や座っている姿勢、お辞儀の仕方、物の渡し方など常に人に見られている
ことを意識しましょう。
利用者の話を聞く時は、話をしっかり聞いていることを示せるように、姿勢やアイコンタクト、
頷きなどをおこなうことが大切です。

 表情・笑顔

接遇マナー基本5原則の一つは、表情・笑顔です。
基本的には常に笑顔でいることを心がけましょう。

マスクで口元は見えなくても、口角が上がっていると目元で笑った表情を示せます。
また、声に表情をつけることも大切です。

介護現場では相手に話が伝わるよう明るくはっきり、ゆっくり話すことを心がけましょう。
加齢性難聴で耳が聞こえにくい方もいるので、利用者それぞれに合わせた声のトーンを
意識してください。
スタッフ同士でも笑顔を忘れず明るいトーンで話すことで、利用者や家族にとって安心できる
空間を提供できます。

 身だしなみ

身だしなみを整えることは相手に良い印象を与えます。
介護現場での身だしなみは髪色、顔、爪、服装を意識することが大切です。

①髪色:明るすぎない自然な色で、長い場合は一つにまとめましょう。
前髪は目にかからないように切るか、ヘアピンで留めてください。

②顔:女性は過度なメイクは控えます。
男性は髭が伸びていると不衛生な印象を持たれることがあるため、注意してください。

③爪:介護する時に利用者を傷つけないように爪は短く整えましょう。
ネイルは基本的には禁止です。
施設によっては爪の保護のために許可される場合もあるので確認しましょう。

④服装:施設によっては制服がない施設もあるため、装飾のないポロシャツと
動きやすいパンツを着用することがお勧めです。
動きやすく清潔な服装を心がけましょう。

介護における接遇で意識するべきポイントは?

介護における接遇で意識するべきポイントは4つ。

利用者と目線を合わせる、一人ひとりに合わせた接遇、傾聴の意思を表す、スタッフ同士でも
気持ち良い態度を心がけることです。
以下では意識するべき4つのポイントをそれぞれ詳しく解説します。

 利用者と目線の高さを合わせる

介護における接遇で意識するべきポイントは利用者と目線の高さを合わせることです。
利用者は座ったり寝ていることが多いため、スタッフが立って話すと威圧的に感じることがあります。

利用者とコミュニケーションをとる時は相手の目線に合わせた姿勢で話すことが大切です。
目線を合わせて笑顔で話すと利用者も安心して心を開いてくれます。
利用者よりやや斜め下になるように目線を合わせ、上から目線にならないように注意してください。
利用者とコミュニケーションをとる時は相手の目線に合わせた姿勢で話すことが大切です。

一人ひとりに合わせた接遇を心がける

介護における接遇で意識するべきポイントは一人ひとりに合わせた接遇を心がけることです。

利用者はそれぞれ生活してきた環境、年齢、性別、性格などが異なり、全く同じ人は誰一人
いません。一人ひとりと向き合いコミュニケーションをとりましょう。

ゆっくり時間はとれなくても、日々利用者が安心して過ごせるよう声掛けすることが大切です。
コミュニケーションをとるなかで、その人の特徴を把握することで信頼関係を築くことができます。

 傾聴の意志を表す

介護における接遇で意識するべきポイントは傾聴の意思を表すことです。
高齢になると加齢に伴い耳が遠くなる方が多くなります。

自分の声が届いていないのではないかと不安になり、大きな声で話してしまう方も
少なくありません。
利用者の不安を和らげるためにもアイコンタクトや笑顔、あいづちなどを忘れず相手の話に
耳を傾けましょう。
姿勢は相手に体をしっかり向けて目線を合わせて、話した内容を繰り返して共感を示すことも
大切です。

 スタッフ同士でも気持ちよい態度を心がける

介護における接遇で意識するべきポイントはスタッフ同士でも気持ちよい態度を心がけることです。
介護現場は人間関係が悪いと言われることが多く、スタッフの入れ替わりが多い施設もあります。

原因としては、慢性的な人手不足や、上司からのパワーハラスメント、業務量が多く心に
ゆとりがないなど、心身の負担が大きくストレスを抱えやすいです。
スタッフ同士もお互いを尊重したコミュニケーションをとることで自分自身はもちろん、
施設全体の空気が良くなるでしょう。

まとめ

こちらの記事では介護における接遇マナー基本5原則や、意識すべきポイントを詳しく解説しました。

介護マナー基本5原則は①挨拶・声掛け、②言葉遣い、③態度・立ち居振る舞い、
④表情・笑顔、⑤身だしなみ
基本5原則をもとに利用者の立場に立って、一人ひとりに合わせた接遇を心がけることが大切です。
接遇マナーを身につけ、利用者へより良いサービスが提供できることを願っています。

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