要介護2の状態は?受けられるサービスや認定基準も詳しく紹介!

2024.05.13

介護サービスを利用するのに必要な要介護認定ですが、その中でも要介護2とはどのような
状態なのでしょうか。
要介護2の状態でできないことや、前後の要介護度との違い、利用できるサービスはどんなものが
あるのでしょうか。

この記事では、そんな要介護2の状態と受けられるサービス、認定の基準にも詳しく紹介していきます!

要介護2とは

要介護認定には、介護を必要としない自立の状態と、要支援1〜2、要介護1〜5の区分があります。
介護や何らかの手伝いが必要な状態の中で、要支援1が最も軽く、要介護5が最も介護が
必要な状態を示しています。

その中でも、まずは要介護2は具体的にどんな状態なのか、「要介護2の状態」と
「要介護2の認定基準」にわけてご紹介していきます!

 要介護2の状態

要介護2の状態とは、日常生活に必要な機能が低下し、動作が難しくなることで、
部分的に介助が必要な状態と言えます。

具体的には、「支えがないと立ち上がることができない」「杖や手すりがないと歩行することが
できない」「食事や排泄をする際に見守りや手助けが必要」な状態です。

また、手先の細かい動作も難しくなることが多く「爪切り」「着替え」「更衣」などの介助や
手助けが必要な状態でもあります。

認知機能の低下も見られる場合が多く、お金の支払はできるがお釣りの計算などはできない。
支払いの動作はできるが買い物先の場所がわからないなど、認知面においても、
誰かの付き添いや代行が必要な場合が多い状態です。

 要介護2の認定基準

要介護2の認定基準を説明するには、介護認定を判定する際に用いられる、介護認定等基準時間を
知っていないといけません。

介護認定等基準時間とは、その人の介護に必要な時間を測定したもので、簡単にいうと
「介護の手間」を時間で数値化したものです。

要介護2と判定される、要介護認定等基準時間は「50分以上70分未満」と定められています。
また、時間が50分〜70分未満の基準に当てはまらなくても、「これに相当すると認められた状態」
と判断されれば、要介護2の判定がおりることもあります。

要介護1や3との違いは?

要介護2の状態を知るために、要介護1と要介護3と比較して見てみましょう。

  • 「要介護1との違い」
    要介護1は、要介護2と同じく支えがないと複雑な動作ができない状態です。
    しかし、要介護2ではできない、食事や排泄の動作は要介護1では自立してできることが多く、
    要介護2と比べてみると軽度の状態と言えます。
    また、要介護等認定基準も要介護1は30分以上50分未満、またはこれに相当すると認められる
    状態と定められており、基準時間を比べても違うことがわかります。

  • 「要介護3との違い」
    要介護3は、複雑な動作ができないことに加え、自分で立ち上がったり歩いたりすることも
    難しくなります。
    1人で食事や排泄ができなくなるため、頻回に介助を要します。
    また、要介護2に比べて問題行動も増えてきます。
    要介護認定等基準時間も「70分以上90分未満、またはそれに相当すると認められた状態」
    と基準時間も要介護2に比べて長い基準となっています。

要介護2で利用可能なサービスは?

さて、ここまで要介護2の状態と認定基準について、要介護1と要介護3とどう違うのか
ご紹介しました。
ここからは、要介護2では、どんな介護サービスを受けることができるかをご紹介します。

介護サービスには色々なサービスがありますので、サービスの形態別に見ていきましょう!

 通所して受けるサービス

通所サービスとは「自宅から、通って利用するサービス」です。
要介護2で利用できる「主な通所サービス」は、以下の通りです。

  • 通所介護(デイサービス)
    施設に通って、食事や入浴などの介護を受けるサービスです。
    レクリエーションやリハビリに力入れているデイサービスも多く、基本的には送迎も
    施設が手配してくれます。
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
    施設に通い入浴や食事を受ける他、日常生活を自立して送れるよう機能訓練を受けることが
    できるサービスです。

 宿泊して受けるサービス

宿泊サービスとは、文字通り施設などに泊まって利用するサービスです。
要介護2で利用できる「主な宿泊サービス」は以下の通りです。

  • 短期入所生活介護、短期入所療養介護(ショートステイ)
     施設に短期間入所し、食事・排泄・入浴などのサポートの他、機能訓練を受けるサービスです。
    可能な限り自立した生活が送られるようになることを目的としています。

     地域によっても多少の異なりがありますが、30日間の基本料金は1割〜3割負担で
    利用できますが、31日を超えて連続で宿泊する場合は、31日目からは全額自己負担となります。
    また、居住時、食費、理美容代など日常の生活費用は保険適用外のため、自己負担となります。

 自宅で受けるサービス

自宅で受けるサービスは、ヘルパーや看護師などが自宅を訪問してくれる
「訪問サービス・在宅サービス」といいます。
要介護2の方が利用できる主な訪問・在宅サービスは以下の通りです。

  • 訪問介護
     ヘルパーが自宅を訪問し、排泄や入浴、生活の手助けなどを利用者と一緒に行う、
    または代行してくれるサービスです。
  • 訪問入浴介護
     介護職員や看護師が自宅を訪問し、入浴介助を行います。その際の入浴は事業所が持参した介助用の特殊浴槽を利用し入浴することになります。
  • 訪問看護
     看護職員が自宅を訪問し、療養上の世話や治療のサポートをしてくれます。
  • 夜間対応型訪問介護
     夜間に定期巡回や随時訪問を行ってくれます。
  • 訪問リハビリテーション
     理学療法士や作業療法士が自宅を訪問しリハビリテーションを受けられます。

 通所・訪問・宿泊を組み合わせたサービス

ここまでに紹介した、通所・訪問・宿泊のサービスを組み合わせた介護を提供するサービスで
「複合型サービス」とも呼ばれます。
要介護2の方が利用できる主な複合型のサービスは以下の通りです。

  • 小規模多機能型居宅介護
     利用者の希望に合わせて、自宅への訪問や短期の宿泊を組み合わせたサービスを行って
    くれます。
  • 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
     小規模多機能型居宅介護と訪問看護をあわせたケアを行ってくれます。

 福祉用具を使ったサービス

要介護2の方は支えがないと立ち上がりや歩行ができない場合が多く、杖や車いすなどの福祉用具の
利用も多くなる状態です。
福祉用具にはレンタルできるものから、購入するもの、住宅改修で設置してくれるなど様々な
サービスがあります。
要介護2の方が利用できる「福祉用具系サービス」は以下の通りです。

  • 福祉用具貸与
     福祉用具をレンタルできるサービスで、レンタル料を支払った後、7〜9割の金額が
    戻ってくるため、実質1割〜3割の負担で福祉用具をレンタルできます。
     歩行器や歩行補助杖、車いすや特殊寝台、工事を伴わないスロープや手すりなど、
    多くの福祉用具が対象となりますが、要介護度によってはレンタルができない物や、
     別に特例の申請が必要な場合があり、注意が必要です。また浴室用の椅子や腰かけ便座など
    地肌が直接触れる福祉用具はレンタルではなく、購入となるものが多いです。
  • 住宅改修
     上限を20万円とする範囲で、手すりの取り付けや段差や滑りの解消、ドアを引き戸に変える、
    和式便器を洋式便器に変えるなどの工事を行います。

     上限は20万円ですが、こちらも所得に応じて自己負担が1割〜3割となるため、
    1割負担の方は2万円程度で改修ができる計算になります。

要介護2で利用できる施設は?

特別養護老人ホームなどの長期入居は要介護3〜となっていますが、要介護2でも利用できる
施設サービスがあります。
要介護2で利用できる、主な施設サービスは以下の通りです。

  • 介護付き有料老人ホーム 介護職員が24時間常駐し、日常生活においての介護や介助を行います。
  • 住宅型有料老人ホーム 有料で介護職員による生活支援サービスや介助を受けられます。
  • サービス付き高齢者住宅 バリアフリーな作りで、医療職や介護職による安否確認と
    生活相談サービスを受けられる賃貸住宅です。
  • グループホーム 認知症高齢者が対象となる施設で、共同生活を行う入居施設です。
  • 軽費老人ホーム 少ない費用負担で日常生活のサポートを行います。
  • 介護老人保健施設 原則3〜6ヶ月で入居し、リハビリテーションや日常生活の支援を行います。
  • 介護療養型医療施設 医学的ケアが充実したサービスを受けられます。
  • 介護医療院 医療行為が必要な方が受けられる施設サービスで、医師が配置されている
    保健施設です。

要介護2で一人暮らしはできる?

要介護2の状態でも、一人暮らしはできます。※環境や認知力によって差があります。
要介護2の状態であっても、訪問介護や通所サービスの力を借りて一人暮らしをしている方は
少なくありません。

しかし、少子高齢化が進む日本で、何かあったときにもすぐに駆けつけられる場所に家族が
住んでいない場合や、持病があり一人暮らしは可能でも、
不安を抱えたまま生活している方なども増えてきている現状にあります。


こういった観点から、施設サービスを利用する方も少なくありません。
その方の希望や、どう暮らしたいかなどに合わせて、訪問や通所サービスを利用し一人暮らしを
選択するか、施設サービスの利用を選択するか、しっかりと考えてサービスを選ぶことが大切と
言えるでしょう。

まとめ

この記事では、要介護2の状態と、受けられるサービスや認定基準について詳しくご紹介しました!

要介護2は、今まで自分でできたことが、できなくなり本人や家族も不安や負担が大きくなり
始める場合が多く、これからどうすればよいか迷い始める方も少なくない要介護度かと思います。

この記事で紹介した、訪問・通所・宿泊・複合型・福祉用具・施設サービスについて、
特徴やルールをしっかりと把握し、その方のニーズにあったサービスを選び、
介護が必要になったとしても、いつまでも「自分らしい生活」を楽しみましょう!

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