居宅介護支援とは?利用条件やサービス内容を詳しく解説!

2024.06.03

自宅での介護を希望している場合、居宅介護支援を受けることができるのか
気になる人は多いでしょう。
居宅介護を利用するには要介護認定を受けているなど、利用するには条件があります。

ここでは居宅介護の目的からサービス内容、受けられる人はだれなのかについて紹介します。
この記事を参考に居宅介護について知り、利用できる場合は利用を検討してみましょう。

そもそも居宅介護支援とは?

居宅介護支援と聞いても、どのような目的があるのかあまりピンときません。
似たような支援として訪問介護もありますが、それとの違いも気になります。

ここでは目的から訪問介護との違いなどをみていきましょう。

 居宅介護支援の定義・目的

居宅の要介護者が居宅サービスなどを適切に受けられるように、居宅介護支援は次のように
定義されています。

  1. 要介護者の心身の状況、置かれている環境、要介護者や家族の希望等をもとに、
    居宅サービス計画を作成
  2. 居宅サービス計画に基づくサービス提供が確保できるよう、サービス事業者との連絡調整
  3. 介護保険施設等への入居が必要な場合は紹介する

    などを行う。このことから居宅介護支援は直接的な介護を行うのではなく、
    ケアマネージャーがケアプランを作成し、必要な機関へつなぐ一連のサービスのことを指します。

 居宅介護支援事業所に配置されている専門家

居宅介護支援事業所には従業者と管理者の2つの専門家が配置されています。

・従業者:事業所ごとに1名以上の常勤ケアマネージャーを配置する
・管理者:事業所ごとに常勤専従の主任ケアマネージャーを配置する

ケアマネージャーは都道府県認定の公的資格・専門職の一つ。
その職務内容は、利用者の要介護度・ニーズに合わせたケアプランの作成、サービス提供事業者
との連絡・調整などを行うことです。

何か困ったことや分からないことがあるときはケアマネージャーに相談するとよいでしょう。

 訪問介護との違い

訪問介護は介護保険法に基づく在宅サービスの一つ。
ホームヘルパーなどの介護職が自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行います。

居宅介護支援はサービス計画をもとに、サービスを提供できるよう介護事業者などに
連絡・調整をするのが仕事です。
一方訪問介護は、実際に利用者の自宅を訪問し、身体介護などのサービスを行います。

居宅介護と訪問介護は名称が似ているものの、提供するサービスが異なります。

そのため両者を同じものと勘違いしてしまうこともありますが、サービス内容が
異なるため利用の際は注意しましょう。

居宅介護支援のサービス内容を紹介

居宅介護支援サービスはケアプランの作成など主に4つのサービスを提供しています。
ここでは4つのサービス内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

 ケアプランの作成

ケアプランは利用者の心身状況やニーズ、家族の意向をもとに、サービスの種類や
回数を示した計画表。
このケアプランを作成するのかがケアマネージャーです。

訪問介護を週〇回、通所介護を週〇回など、ひとりひとりの状況に合わせたプランを立案します。
このケアプランは利用者や家族が作成することも可能。
しかし介護保険制度などサービスの内容を充分に理解するのは難しいため、現実的とは言えません。
ケアプランの作成は専門家であるケアマネージャーに任せるのが最適です。

 ケアプランのモニタリング

ケアプランは作成したら終わりというわけではありません。
ケアマネージャーはケアプランを作成した後、提供されている介護サービスがニーズに
合っているかなどを適宜チェック(モニタリング)します。

モニタリングでは提供されているサービスの満足度などをしっかりと聞き取りします。
その結果以前作成したケアプランでは利用者の現状に合っていないなどの問題があることも。
現状に合っていない時は作成したケアプランを見直し、より最適なプランを作成していきます。

 介護に関せする相談

居宅介護支援事業所が行うのはケアプランの作成だけではありません。
次のような介護に関する相談も受け付けています。

・介護保険に関する説明
・要介護認定の申請手続きの代行
・住宅改修サービス利用までの段取り など

これら介護に関する相談を利用者やその家族から受けています。
介護のことで分からないことがあったら積極的に相談し、悩みを解決していきましょう。

 要介護認定の手続き

居宅介護支援事業所では要介護認定の手続きの代行を行います。
要介護認定は介護保険サービス利用にあたって最初に必要となる調査。
そのため介護サービスを受けるうえで大事な手続きといえます。

その大事な手続きを代行してくれるのが居宅介護支援事業所です。
要介護認定手続きのほかにも、介護度の更新なども対応してくれます。

居宅介護支援の利用条件は?

居宅介護支援はだれでも受けられるというものではありません。
利用できる対象者など条件が定まっています。
ここでは居宅介護支援を受けられる対象者などについてみていきましょう。

 対象者

居宅介護支援の対象者となる人は、要介護1~5の認定を受けた人です。
要介護1~5の認定を受けた人の中でも、自宅などで生活する高齢者が対象となります。

要介護1の状態とは、日常生活に必要な動作は一人でできるものの、運動や認知機能に
低下がみられる状態のため、一部介助が必要。
身体機能や認知機能に応じて、介護が必要な度合いが増していきます。
それに伴い介護度も上がります。

要介護1~5に該当する人で自宅などで生活を希望する人は支援を受けられるため、
積極的に活用していきましょう。

 要支援1.2では介護予防支援を受けられる

要支援1・2に該当する人は居宅介護支援を受けることができません。
しかしその代わりに介護予防支援を受けることができます。
介護予防支援とは、介護予防のためのケアマネジメントのこと。

各自治体が設置する地域包括支援センター勤務のケアマネージャーが役割を担っています。
また地域包括支援センターが介護予防支援を居宅介護支援事業所に委託している場合は、
要支援1・2の人でも居宅介護支援事業所を利用可能。
利用できるかどうかは、利用検討している居宅介護支援事業所に確認するようにしましょう。

居宅介護支援の費用は?

居宅介護支援を利用するのに費用は掛かりません。
なぜかというと居宅介護支援サービスに関する費用は、全額介護保険制度から給付されるからです。

また自己負担なしにも理由があります。
居宅介護支援に自己負担がかかる場合、サービスの利用控えが起こる事態が想定されます。
その結果必要な介護サービスを受けられず、状況が悪化する恐れも。
このような事態を防ぐために、居宅介護支援サービスは全額介護保険制度で賄っているのです。

居宅介護支援の利用方法を紹介

居宅介護支援を利用するには、次のステップを踏む必要があります。

  1. 要介護認定を受ける
  2. 居宅介護支援事業所をリストの中から選ぶ
  3. 居宅介護支援事業所と契約
  4. 担当ケアマネージャーの選定
  5. 担当ケアマネージャーがケアプランを作成

    まずは要介護認定を受けなくては先に進めません。
    要介護認定は各自治体窓口で申請することになりますが、自分で申請できない時は
    居宅介護支援事業所に代行を依頼するとよいでしょう。
    認定を受けたら利用事業所を選び、ケアプランを作成してもらうのが一連の流れになります。

まとめ

居宅介護支援を受けることで、ケアマネージャーがケアプランを作成し、必要な介護を
受けることができるようになります。

またケアプランは1回作って終わりではなく、定期的なモニタリングを行い、
必要な介護支援に変化はないかなどを確認してくれます。
そのため状況に合わせた介護サービスが受けられます。

居宅介護支援では介護に関する相談をすることも可能なため、積極的に活用し
介護しやすい環境を作っていきましょう。

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