糖尿病だとなぜ頻尿になる?原因や必要な水分摂取量も解説!

2024.06.06

糖尿病と頻尿は関係ないだろう、そう思う人は多いです。
しかし、糖尿病の人で頻尿に悩んでいる人は多いのです。
ところが、糖尿病以外でも頻尿に苦しんでいる人また多くいます。

そこで今回は糖尿病と頻尿の関係から、糖尿病以外の頻尿について解説していきます。
この記事を参考に頻尿改善を目指していきましょう。

糖尿病とは?

糖尿病はインスリンが充分な役割を果たさないことで起こり、血液中を流れるブドウ糖が
増える病気のことを指します。

インスリンは血糖を一定の範囲内におさめる働きを担うホルモンのこと。
血糖の濃度が高いまま放置すると、血管に傷がつき将来的に心臓病などのリスクを負います。

それだけではなく、血糖を放置したままだと足を切断しなくてはいけない状況になるほか、
糖尿病の慢性合併症を引き起こします。
著しく高い血糖は昏睡などを起こす可能性も。
病状悪化を防ぐためにも健康診断などをしっかり受けるようにしましょう。

どのくらいだと頻尿なのか?

頻尿には基準があり、一般的には起床してから就寝までに8回以上排尿がある状態のことです。
何かしらの病気が原因で起こる場合もあります。

しかし、8回以上は異常、8回未満は正常と判断できるものではありません。
排尿が8回以上である場合や、8回未満であったとしても以前より排尿回数が増加したという場合は、
病気が潜んでいる可能性があるため受診するのが無難。
また就寝時間中に排尿のため2回以上起きる場合は夜間頻尿に該当し、頻尿の一つとして
カウントされます。

糖尿病で頻尿になる原因

糖尿病が原因で頻尿になることがあります。
その主な原因は高血糖と神経障害です。
ここでは高血糖、神経障害により頻尿となる原因をみていきましょう。

 糖尿病による高血糖の影響

糖尿病により高血糖状態になると、無意識のうちに水分をたくさん摂取するようになり、
この結果として頻尿になります。

糖尿病は血液中のブドウ糖が増加します。
その結果血液がドロドロとした状態を招くこととなるのです。

血液がドロドロの状態では体中の血液循環が滞り、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めてしまいます。
そうすると体はドロドロの血液状態を解決するために水分を欲します。
このため無意識のうちに摂取する水分が多くなり、トイレに行く回数が増え頻尿となるのです。

 末梢神経に障害が生じている可能性

糖尿病の進行により排尿を制御する末梢神経に障害がおこることがあります。
これが頻尿の原因です。

糖尿病により排尿を制御する末梢神経が影響を受けると、適切に膀胱の機能をコントロール
することができなくなります。
結果として膀胱が満たされる前に排尿の衝動に見舞われます。
これにより頻尿の症状がみられるようになるのです。

頻尿でも特に夜間頻尿になる傾向がみられるのも特徴です。

糖尿病以外が原因で考えられる頻尿

ここまで糖尿病と頻尿の関係についてみてきましたが、糖尿病以外の病気でも頻尿になります。
ここでは糖尿病以外が原因で起こる頻尿についてみていきましょう。

 過活動膀胱

過活動膀胱は尿があまり溜まっていない状態であるのに、膀胱が活発に活動することで
尿意がもたらされる状態のことをいいます。

過活動膀胱になると頻尿や我慢できない急激な尿意による尿失禁などが起こり、
QOLの低下を招くことも。他にも夜間頻尿の症状がみられます。
過活動膀胱の原因として挙げられる疾病は以下の通り。

  • 脳卒中
  • パーキンソン病
  • 前立腺肥大症
  • 尿路感染症 など
    他に加齢も原因として挙げられます。

 習慣性頻尿

習慣性頻尿は病気が原因で起こるものではありません。
原因となるのは日常の生活や生活環境です。

家を出発する前や人との待ち合わせ前など必ずトイレに行く習慣がある人は、
トイレの回数が増えます。その結果として習慣性頻尿と診断。

習慣性頻尿は回数が多い一方、1回あたりの排尿量が少ないことが特徴として挙げられます。
頻尿以外に特に異変がみられない時は、自宅にいる時など安心できる場所でトイレを
我慢してみることで改善が見込める場合があります。

 夜間頻尿

夜間頻尿とは、夜間に1回以上トイレに行きたくて起きる状態のことをいいます。

この夜間頻尿の状態になると、睡眠の質が落ちストレスを感じるようになることも。
夜間頻尿の主な原因は加齢にあります。特に70歳以上の高齢者は夜間頻尿の割合が高いです。
他にも疾病が原因となることもあり、主な疾病は次の通りです。

  • 前立腺肥大症
  • 過活動膀胱
    また夜間頻尿は不眠につながることがあるため注意が必要です。

 不完全尿閉

不完全尿閉とは尿を出す際に完全に排尿することができず、残尿が膀胱に
とどまっている状態のことを指します。

排尿後も残尿感が続くため、トイレに行く回数が増えてしまいます。
これには原因となる疾病があり、以下の通りです。

  • 前立腺肥大症
  • 子宮がん
  • 直腸がん など
    特に中高年の男性に前立腺肥大症は尿道を圧迫します。
    それが原因で尿の流れが阻害され、不完全尿閉を引き起こすことになります。

 多尿

多尿とは1日に排泄する尿量が3リットル以上になる状態のことをいいます。
日中の頻尿だけではなく、夜間頻尿を伴うという特徴があげられます。

糖尿病で多尿になることもありますが、それ以外の疾病でも多尿になり、下記の疾病が該当。

  • 腎臓疾患
  • 尿崩症
  • 膀胱、尿道の異常 など
    このほかにも摂取する水分量の増加や薬の副作用など、様々な要因によって多尿は起こります。

糖尿病の方に必要な水分摂取量は?

糖尿病は血液中の糖の濃度が高くなり、血液がドロドロの状態になります。
このドロドロの状態を改善するために十分な水分量を必要とするのです。

血液はその大半が水分でできているため、水分を十分に摂取することで糖の濃度を薄めることが可能。
必要水分量は1日1.5リットル以上摂取するのが理想的です。
夏場であれば2リットル以上摂取しても問題ありません。
水分をこまめに摂取することで血液中の糖の濃度をあげないよう注意していきましょう。

まとめ

インスリンが充分に働かないことで血中の糖の濃度が増え、血液がドロドロの状態になる糖尿病は
頻尿を招くことがあります。

糖の濃度を下げるために水分をたくさん摂取することで頻尿になりますが、
糖尿病以外でも頻尿は起こります。

しかし糖尿病の人が頻尿から水分摂取を控えてしまうとますます血液がドロドロの状態に
なるため1日1.5リットルは水分を取るようにしましょう。

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