地域包括支援センターは高齢者に対する総合相談などを受け付けてくれるため、
高齢者の家族がいる人にとって頼もしい存在です。
しかしその一方で、対応などに不満を抱くこともあるでしょう。
そこで今回は地域包括支援センターの役割から苦情がある時の対処法について解説していきます。
この記事を参考に不満を解消し、より良い関係を築いていけるようにしていきましょう。
目次
地域包括支援センターでは高齢者に関する総合相談の受付から介護予防に必要な援助まで
多岐に渡る役割を担っています。
ここでは設置場所や利用対象者についてみていきましょう。
地域包括ケアシステムは各自治体が定める30分で駆けつけることのできる
日常生活圏域ごとに構築されます。
地域包括支援センターはその中核を担っており、原則として日常生活圏域ごとに設置。
地域包括支援センターは各自治体が直営で実施するだけでなく、各自治体が社会福祉法人などに
運営を委託している場合もあります。
また特別養護老人ホームなどの介護事業所に併設されている場合もあります。
自分の住んでいる地域のどこにあるのか調べたいときは各自治体の
介護保険担当窓口に問い合わせましょう。
地域包括支援センターを利用できるのは、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者とされています。
また40~64歳の特定疾病が原因で心身の機能に衰えが出た場合は要介護申請が必要となります。
その時に地域包括支援センターで手続きを行うため、一概に高齢者限定とは言えません。
地域包括支援センターの利用対象者は高齢者や特定疾病にかかった人だけではありません。
高齢者の家族や高齢者の支援に関わっている人も利用可能です。
しかし家族などが利用する場合は一つ注意点があります。
それは高齢者が住んでいる自治体の地域包括支援センターの窓口しか利用できない点です。
家族が遠方に住んでいるときなど注意しましょう。
地域包括支援センターには総合相談支援など主に4つの役割があるとされています。
ここではその4つの役割を、役割ごとに詳しく紹介していきます。
地域包括支援センターでは医療・福祉など地域内にある様々な社会資源を活用しています。
そのため制度の枠を超えた高齢者に適切なサービスを案内することができます。
このことから高齢者にとって生活で困ったことがある時に、総合的な相談に乗ってくれる
頼もしい存在であるといえるでしょう。
在宅介護を行っている場合、悩みや困難に対し様々な視点から解決策を考えくれることもあります。
介護の悩みは特に初めて介護をする家族が直面する課題です。
その悩みや困りごとを一緒に解決する支援を行ってくれる場所でもあるのです。
地域包括支援センターでは要介護状態の人以外にも、要支援の判定が出た高齢者に対し
ケアプランの作成を行っています。
介護予防に関する介護サービスの利用方法を、要支援認定者とともに話し合い
ケアプランを決めていきます。
その他にも介護認定で非該当の判定が出た人、介護認定の申請は行っていないものの
介護予防に取り組みたいと考える高齢者の支援として、介護予防教室など介護予防に
努めた支援に取り組んでいるため、積極的に活用していきましょう。
地域包括支援センターの役割の一つとして、高齢者の権利擁護を実現することがあげられます。
高齢者に対する詐欺行為や悪徳商法などの消費者被害への適切な対応を行うほか、
高齢者虐待の早期発見などに努めることも地域包括支援センターの重要な役目。
特に虐待防止に関しては本人や家族以外に近所に住む人などからの情報の受付も行っています。
その他にも成年後見制度の手続きの支援などを行っています。
成年後見制度は認知症を発症した場合の金銭管理など、高齢者の財産を不当な契約から
守るためにも必要です。
地域包括支援センターでは成年後見制度など各種制度利用についても助言を受けることもできます。
地域のケアマネージャーのサポート業務も地域包括支援センターの重要な役割です。
ケアマネージャーに対し研修会の実施のほかケアマネージャーのネットワークの
構築などの支援も行っています。
ケアマネージャーは要介護認定を受けた人への「ケアマネジメント」を行っています。
しかし、ケアマネージャーだけでは対応しきれない問題が起こることも少なくありません。
そんな時には地域包括支援センター常駐の経験豊富な専門スタッフがアドバイスを行うなどし、
サポートを行います。
地域包括支援センターは高齢者の相談窓口として利用する人が多い一方で、
対応などで苦情を抱えてしまう人も。
苦情がある時は本音などを伝えることが大切です。
ここでは苦情がある時にどうすればよいかについてみていきましょう。
地域包括支援センターは高齢者の生活など様々な相談などを受け付けてくれるため、
苦情があったとしても言いにくい人もいるでしょう。
日頃お世話になっているからと苦情をため込んでしまう人も中にはいます。
しかし、苦情がある時は思い切って伝える方がよいのです。
継続してセンターを利用しようと考えているのであれば、
不満を抱えたまま利用継続することは望ましくありません。
苦情を抱えた段階で早めに相談をすることでセンターのサービス向上にもつながります。
そのためため込まずに苦情は伝えるようにしましょう。
高齢者の抱える悩みを受けてくれる地域包括支援センターですが、センター以外にも
介護相談が可能な場所があります。
相談可能な場所は下記の通り。
地域包括支援センターでは日々相談などを業務を行っています。
その業務の多さが苦情の原因になることも。
ここでは主な苦情の原因となることについてみていきましょう。
地域包括支援センターは様々な役割を担う施設です。
その役割の多さから仕事量が多くなってしまいます。
特に人材不足の場合、抱えている仕事の量と人員のバランスが取れていないケースが見られます。
そのため介護サービスを利用したいと思った時は充分なスタッフが配置されているかも
利用判断の基準です。
自分の利用することになる地域包括支援センターにはどのくらいの人員が配置されているか、
十分な対応は可能か調べてみるのもよいでしょう。
地域包括支援センターは役割が多いため、個々の業務量も多くなります。
そのため人材の教育に避ける時間も限られていることが多いです。
その結果として優秀な人材の育成ができない問題が生じています。
熟練なスタッフと新人とでは対応に差が生じるのは仕方のないことかもしれません。
また新人教育が十分でないことから仕事の出来不出来にも個人差がみられるようになります。
職員により対応に差がみられることで、苦情につながることもあります。
地域包括支援センターは仲介的な役割を担うケースが多いです。
そのため利用者と長期的にかかわることがありません。
結果として地域包括支援センターは親身になってくれないと感じられ、
苦情が生まれるケースもあります。
また地域包括支援センターは何を行っている場所か、知られていないこともあるため、
役割を知らないために苦情につながるケースも存在します。
直接的なサポートを行うことがないからこそ生まれる苦情もあるため、
地域包括支援センターを利用する際は役割を理解したうえで利用していきましょう。
地域包括支援センターは高齢者などが掛ける問題の相談窓口など多くの役割を担っています。
しかし長期的にかかわることがないため、その対応に不満を抱く人がいることもあります。
地域包括支援センターを利用する前に私たちにできることは、センターの役割を把握すること。
センターの役割を理解することで適切な利用が可能です。
また苦情がある時は早めに伝えることも大切です。
地域包括支援センターの役割を理解し、お互いが気持ちよく利用できるようにしていきましょう。