認定介護福祉士とは?資格の取得条件やメリット・研修費用も解説!

2024.07.01

福祉系の国家資格である、「介護福祉士」は聞き馴染みのある方も多いと思いますが、
みなさんは「認定介護福祉士」という資格は聞いたことがあるでしょうか?

認定介護福祉士は「介護福祉士よりも上位の資格」であり、介護福祉士として経験を積んだ
スタッフが目指す資格の1つです!

認定介護福祉士を取得するにはどんな条件があり、取得することでどういったメリットが
あるのでしょうか?
この記事では、そんな認定介護福祉士について詳しく解説していきます!

認定介護福祉士とは

認定介護福祉士とは「介護福祉士として経験を積んだ方が目指す、介護福祉士より上位の資格」です。
しかし、具体的にはどういった資格なのでしょうか?

ここからは、認定介護福祉士と他の資格との違いを「介護福祉士」と「ケアマネージャー」と
比較し、解説していきます!

 認定介護福祉士と介護福祉士との違い

認定介護福祉士と介護福祉士の違いは、どういったものがあるのか見ていきましょう。

資格の種類:介護福祉士は国家資格・認定介護福祉士は民間資格。
試験の有無:介護福祉士は試験が必要・認定介護福祉士は試験の必要はない
(養成研修は受ける必要がある)
仕事の内容:介護福祉士は現場で直接介護を行う。・認定介護福祉士は直接介護の他、
多職種との連携の仕事や他のスタッフの指導を行う。
実務経験 :介護福祉士は介護職として3年以上の実務経験が必要・認定介護福祉士は
介護福祉士として5年以上の実務経験が必要。

まとめると、介護福祉士の中でも、さらに高度な知識と技術を持ち、他の専門職と連携したり、
スタッフを指導する「リーダー的存在」な仕事です!

 認定介護福祉士とケアマネージャーの違い

続いて、認定介護福祉士とケアマネージャーとの違いを見ていきましょう。

資格の種類:ケアマネージャーは都道府県が認定する公的資格・認定介護福祉士は民間資格。
試験の有無:ケアマネージャーは試験があり、合格後に実習を受ける必要がある・認定介護福祉士は
養成研修のみ受ける必要がある。
仕事の内容:ケアマネージャーはモニタリングを行いケアプランを計画する仕事・認定介護福祉士は直接介護する現場のリーダー的存在。
実務経験:ケアマネージャー、認定介護福祉士ともに、介護福祉士取得後、5年以上の実務経験が必要。

認定介護福祉士の役割とは

認定介護福祉士には「今まで培ってきた経験・知識・技術を活かして、利用者や他の専門職と
関わりを支援する」という役目があります。
では、この役目を果たすのに対して、具体的にどんな役割を全うする必要があるのでしょうか?
3つの項目にわけて見ていきましょう。

 人材育成・介護サービスマネジメント

認定介護福祉士の役割1つ目は「人材育成・介護サービスマネジメント」です。
全ての利用者に最適なケアを提供するには、スタッフのスキルアップはかかせません。
認定介護福祉士は、ほかのスタッフの教育や指導を行い、
サービスの質を向上させるべく、マネジメントをしていくという役割があります。

介護福祉士として培ってきた、経験・知識・技術を他のスタッフとも共有し、
指導していくことでチーム全体のスキルアップを目指していきましょう!

 多職種との連携を図る

認定介護福祉士の役割2つ目は「多職種との連携を図る」です!
介護を行うために関わる職種は、介護福祉士や介護スタッフだけではありません。
医師、看護師、理学療法士、栄養士、ケアマネージャーなど様々な職種が関わり、
チームを形成しています。

認定介護福祉士は介護の専門職のリーダー的存在として、
他の職種ともまめに報告・連絡・相談を行い、情報を共有し連携を密にしていきましょう。

各専門職がバラバラであっても、仕事として業務はできるかもしれません。
しかし利用者により良い介護を提供するためには、この繋がりを強くしていくことが大切です。
認定介護福祉士が現場のリーダーとして、先頭に立つような気持ちで多職種との連携を
密にしていきましょう!

 地域の介護力の向上を図る

認定介護福祉士の役割3つ目は「地域の介護力の向上を図る」です。
より良い介護は地域の介護力も必要になってきます。誰しも、介護が必要になっても
慣れ親しんだ地域での生活を続けたいという気持ちはあるものです。

認定介護福祉士は、自分が務める職場だけでなく、地域との連携も考え担っていく
役割をもっています。
利用者の家族への支援を行うとともに、地域の施設や事業所、ボランティアなど、
地域の資源を知りともに成長していくことで、地域の介護力を引き出して
利用者が生活する地域の介護力向上を図っていきましょう。

認定介護福祉士になるためには

ここまで、認定介護福祉士とは何かという基本的な説明と、介護福祉士やケアマネージャーとの
違い、認定介護福祉士の役割について解説してきました。

それでは、認定介護福祉士になるためには、どんな条件や研修を受ける必要があるのか
見ていきましょう!

 認定介護福祉士資格の取得条件

認定介護福祉士になるには、一定の条件を満たした上で、認定介護福祉士の養成研修を
全工程修了しなければなりません。

資格の取得条件は以下のとおりです。

  1. 介護福祉士としての実務経験が5年以上ある。
  2. 現任研修受講による内省(ないせい)や学習習慣の獲得。
  3. ユニットリーダーやサービス提供責任者としての実務経験を有することが望ましい。
  4. 居宅および施設系サービスでの生活支援の経験を持つことが望ましい。

②の条件については、「介護福祉士ファーストステップ研修」などを修了する必要があります。
介護福祉士ファーストステップ研修とは、介護福祉士になってから2年ほど実務経験を
積んだ方に向けて、キャリアアップや小規模のチームリーダーを育成する目的とした
研修です。

認定介護福祉士になるには、この研修を100時間以上受講し、
レポートを提出や試験を受けなければなりません。

 600時間の認定介護福祉士養成研修のカリキュラム

認定介護福祉士養成研修では、「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」と
「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」で構成され、この2つを修了しなければなりません。
全てを合計すると、約600時間、期間でいうと1年半ほどかかります。
スケジュールは自治体によって異なるので、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の内容」
医療・リハビリ・福祉用具・住環境・認知症などについて学べるカリキュラムで、
講義と演習合わせて345時間となります。

「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類の内容」
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の内容をもとに、介護実践力と応用力、サービス管理や
マネジメントについて学べるカリキュラムで、
講義と演習を合わせて255時間となります。

 認定介護福祉士養成研修の申し込み方法と費用

認定介護福祉士養成研修は、主に都道府県の介護福祉士会や社会福祉協議会、
大学などが実施しています。
研修の申し込みには、まずは自分の住んでいる場所の介護福祉士会に問い合わせて
みるのがいいでしょう。
なかには、事業所単位で申し込む場合もあるので、養成研修の受講を検討している方は
勤務先に相談してみるのも1つの方法です。

費用に関しては、自治体や団体によって異なりますが、過去の例からいうと
「60〜70万円」ほどかかります。
高い費用がかかるため、助成金や補助金を活用して費用を賄う方も多いようです。

また、研修費用と別にテキスト代がかかるなどの場合もあるため、しっかりと
確認して申し込みをする必要があります。

認定介護福祉士の資格を取得するメリットは?

認定介護福祉士の資格を取得するメリットは以下のとおりです。

  1. 今後の給料アップに期待ができる。
      認定介護福祉士は比較的新しい民間資格のため、確実に給料があがるという
    保証はありませんが、今後認定介護福祉士の知名度が上がり、その活躍が認められれば、
    待遇が良くなる可能性はあり、今後に期待ができる資格といえるでしょう。
  2. 高いスキルを持っている証明になる。
      認定介護福祉士は、介護福祉士と比べてさらに高度な知識とスキルを
    持っている証明になります。
  3. 介護職における最上位資格という位置づけのため、施設長などへのキャリアアップ
    目指している方などは、取得しておくよ良いかもしれません。また、他の事業所への
    転職の際に有利に働く可能性もあります。

まとめ

この記事では、認定介護福祉士とは何かという基本的な知識から、その役割、
認定介護福祉士の資格取得の条件や期間、費用について詳しく解説しました。

認定介護福祉士は全国で、100名ほどしか登録のない介護職の最上位資格です(2022年時点)
自分のスキルアップのため、今後のキャリアアップを目指している方はこの記事を参考にして、
資格取得を目指してみてはいかがでしょうか!

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