要介護2とは?要介護2と3の違いや受けられるサービスも詳しく解説

2024.07.01

日本の介護には、介護が必要になった方に対して、その方がどのくらいの介護が必要なのか
という目安を示すために「要介護度」という区分があります。

要支援1〜2、要介護1〜5の区分があり、要介護3からは特に介護度が高いと
判断されるのが一般的です。

今回は、その境目とも言える「要介護2」について詳しく解説していきます。
要介護2と認定されたけどどうすれば?家族が要介護2となったけど
どんなサービスが受けられるの?と疑問や不安を抱える方は、
是非参考にしてみてください!

要介護認定の区分「要介護2」とは

今回、詳しく解説していく「要介護2」について、まずは基本的な知識として
要介護2の状態」と「要介護2の認定基準」について解説してきます。

要介護2とはどんな状態?要介護2と認定されたけどどうやって決めているの?と
疑問に思った方は是非ご覧ください。

 要介護2の状態

要介護状態の定義をわかりやすく言うと「人の手を借りずに、自分だけで日常生活を
送ることが難しい状態」といえます。

その度合を表すのが要介護度で、その中の要介護2とは「食事や排泄などはできるものの、
一部介助やサポートが必要な状態」
といえるでしょう。

具体的には、「立ち上がるために支えが必要」「歩行時に杖やシルバーカーなどの支えが必要」
など、一部サポートがないと日常生活が困難な状態です。
言い換えれば「部分的な介助やサポートがあれば、日常生活が継続できる」状態ともいえます。

 要介護2の認定基準

要介護2の認定基準を見ていきましょう。
そもそも、要介護度の判定を行うには、厚生労働省が定める
「要介護認定等基準時間(介護にかかる時間)」を用いて、7段階に分けられます。

7段階の内訳として「要支援1・2」「要介護1〜5」の7段階があり、
これらに該当しない場合は「非該当(自立)」とされます。

要介護2の要介護認定等基準時間(介護が必要な時間)は「50分以上、70分未満」
定められています。

この時間は、実際に測定するのは難しいため、認定調査員が心身の状況を確認する
「認定調査」と「主治医意見書」をもとに、コンピューターで算出します。

要介護2と3の違いは?

この記事の冒頭で「要介護3からは介護度が高いと判断されるのが一般的」と記述しましたが、
要介護2と要介護3の間にはどんな違いがあり境目とされているのでしょうか?

要介護2と要介護3の違いについて見ていきましょう!

 要介護3は認知症の方も多く重中度の介護が必要

要介護2の「部分的な介助やサポートがあれば日常生活を送れる状態」に対して、
要介護3は「日常生活に、ほぼ全面的な介助が必要な状態」とされています。
この違いからも、要介護3の方が、介護が必要な時間と日常生活を送る難しさが理解できます。

また、要介護2では、認知症の症状もほとんどない場合や初期症状でとどまっている
場合が
多くみられますが、要介護3では、認知症の症状も進行し、「問題行動をとる場合」もあり、
直接的な介護が必要でない場面であっても、放っておいたり目を離すことができない状況が
増えてくるため、重中度の介護度と言えるでしょう。

要介護2で受けられる介護保険サービスは?

ここまで、要介護2の状態と認定基準などの基礎知識、そして要介護2と要介護3の違いに
ついて解説をしました。

それでは、ここからは「要介護2で受けられる介護保険サービス」には一体どんなものが
あるのかを見ていきましょう!

 通所系サービス

要介護2で利用できる「通所系サービス」は以下の通りです。
(通所系サービスとは自宅から通って利用する介護サービスです)

①通所介護(デイサービス)
②通所リハビリテーション(デイケア)
③地域密着型通所介護
④療養通所介護
⑤認知症対応型通所介護
⑥看護小規模多機能型居宅介護

自宅から、施設や病院などに通い、入浴、食事、リハビリテーション、レクリエーションなどを
受けられるサービスがほとんどです。
また、福祉用具を利用するためのアドバイス、住宅改修の相談、看護師による健康チェックを
受けることができるサービスもあります!

 訪問系サービス

要介護2で利用できる「訪問系サービス」は以下の通りです。
(訪問系サービスとはスタッフが自宅を訪問してくれるサービスです)

①訪問介護
②訪問看護
③訪問入浴介護
④訪問リハビリテーション
⑤居宅療養管理指導
⑥夜間対応型訪問介護
⑦定期巡回・随時対応型訪問介護看護

介護スタッフや看護スタッフが、利用者の自宅を訪問し、食事、排泄、入浴などの介護を
受けられる他、服薬管理や処置、リハビリテーションを受けられます。
また、医師や薬剤師、栄養士による療養上の指導や夜間における安否確認や対応を行ってくれる
サービスもあります!

 宿泊系サービス

要介護2で利用できる「宿泊系サービス」は以下の通りです。
(宿泊系サービスとは特養や老健などの施設に短期間宿泊し介護を受けられるサービスです)

①短期入所生活介護(ショートステイ)
②短期入所療養介護(ショートステイ)

短期入所生活介護は、特養のショートステイで、短期入所療養介護は、老人保健福祉士施設の
ショートステイとなります。

24時間、介護や看護の専門職が常駐している中、食事、排泄、入浴、療養上の世話や処置、
健康チェックを受けられます。
中には、機能回復訓練やレクリエーションに注力している施設などもあります。

1泊だけでなく数日間から数週間、宿泊することもできますが、
30日を超えると全額自己負担となるため注意が必要です。

 地域密着型サービス

要介護2で利用できる地域密着型サービスは以下の通りです。
(地域密着型サービスとは、自治体と同じ地域に住民票がある方が利用できる、
地域に根ざしたサービスです)

①認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
②小規模多機能型居宅介護
③地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
④地域密着型特定施設入所者生活介護

地域密着型サービスは、自宅に住む高齢者が利用できるサービスもあれば、施設に入所し
利用できるサービスもあります。

要支援1・2、要介護1〜5の判定があり、施設と同じ市町村に住民票のある方であれば
利用できるため、地域の方にとって幅広いサービスを受けられます。

また、比較的小規模で運営していることが多く、ゆとりのある介護の提供やアットホームな
雰囲気の中過ごすことができるのも特徴のひとつです。

 福祉用具関連のサービス

要介護2で利用できる福祉用具関連のサービスは以下の通りです。

①福祉用具をレンタルするための費用支給。
②福祉用具を購入するための費用支給。

介護サービスには、福祉用具をレンタルしたり購入することができるサービスがあります。
これも要介護認定を受けている方は、一部の費用を支給してもらえ、全額自己負担でレンタルや
購入するよりも安い費用で福祉用具を活用できます!

※レンタル・購入できる福祉用具や自己負担額・上限額は、要介護の区分や
自己負担割合によって差があります。
※地域によっては、レンタルや購入の対象外になる要介護度であっても、
特例申請を行い受理されると、利用できる場合もあります。

 住宅改修サービス

要介護2で利用できる住宅改修サービスは以下のとおりです。

①住宅改修にかかる費用の支給

介護が必要になり、住宅を改修するためにかかる費用が支給されます。
ひとりあたりに支給される、改修費の上限は20万円と決まっており、
人によって自己負担割合に違いがあります(1割〜3割)。

20万円のリフォームを行った場合、1割負担で18万円、2割負担で16万円、3割負担で14万円、
支給されます。
原則として一生涯で一回かぎりとなっていますが、要介護度が3段階以上あがった場合や
転居した場合は、再度支給を受けられる場合があります。

要介護2の介護サービス自己負担額は?

要介護2の介護サービス自己負担額はそれぞれのサービスによって違います。
利用回数に応じて費用がかかるサービスもあれば、月額定額で利用できるサービスもあります。

自己負担割合によってもかかってくる費用は変わってきます。
自己負担割合は1割〜3割とありますので、その方の自己負担割合が何割なのかを
把握しておきましょう。

また、介護保険からの支給額にも限度があり、これを「支給限度額」と言います。
この支給限度額は、要介護度によって金額が違っています。
要介護2の支給限度額は「一月あたり197,050円」です。

※居宅サービスの場合、1単位を10円で計算。
なので、自己負担割合が1割の方の場合は「一月あたり19,705円」となります。

※地域や利用するサービスによって金額は異なる場合があります。
※詳しい費用が知りたい場合は、担当のケアマネージャーや利用するサービスを提供する
事業所に確認しましょう。

まとめ

この記事では、要介護2とはどんな状態なのかという基礎知識から、
要介護2と要介護3の違い、要介護2で利用できる各サービスなどについて幅広く解説しました。

要介護2は、日常生活において部分的な介護やサポートが必要な状態であり、
言い換えれば「部分的な介助やサポートがあれば日常生活を続けることができる」状態であると
いえます。

要介護3から中重度とされることが多く、要介護2以上に介護度が進まないよう、
この記事を参考にその方にとって適切なサービスを選択し活用していただければ、
幸いです!

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