高齢者の介護を自宅ではじめる時に、サービス提供の要となるのが居宅介護支援事業所です!
居宅介護支援事業所とは、介護の専門職である、ケアマネージャーや主任ケアマネージャーが
活躍する、代表的な事業所でもあります。
この記事では、そんな「居宅介護支援事業所とは何なのか」についての説明と、
役割やサービス内容についても、できるだけわかりやすく解説していきます!
目次
居宅介護支援事業所とは別名ケアプランセンターとも呼ばれ、ケアマネージャーや
主任ケアマネージャーが常駐し業務をしている事業所です。
ここからは、居宅介護支援事業所の基本知識として、その役割や特徴などについて
ご紹介していきます!
居宅介護支援事業所の役割は以下の通りです。
①在宅介護の総合相談窓口としての役割。
②利用者が介護保険サービスを利用するための、ケアプラン作成。
③ケアプランに基づいたサービスが提供されているか、各事業所や業者との連絡・調整をする。
自宅での介護がはじまる!という時にまず相談する場所というイメージです!
ケアマネージャーは利用者が「可能な限り自立した日常生活」を送られるよう、
利用者の心身状況や環境をふまえてケアプランを作成します。
また、居宅介護支援事業所は、特定のサービス事業者に偏ることがないよう、公正中立の立場から
業務を遂行する職種のため、利用者を第一に考えた支援を提供してくれます!
介護保険のサービスを利用した際、基本的な料金の自己負担は1割〜3割り程度の料金がかかります。
しかし、居宅介護支援事業所でケアプランの作成をしてもらったり、サービスについて
相談をしても「自己負担0円」で利用することができます。
これは、居宅介護支援事業所の大きな特徴と言えるでしょう。
この「自己負担0円」の背景には、要介護者ができる限り自立した日常生活を送られるような
社会を実現するためには、「居宅介護支援が重要である」という考えから、利用を促進するため
にも介護保険から全額支給されているのです!
居宅介護支援事業所の利用対象者は「要介護1〜5の認定を受けた人」が利用できます。
介護保険を受けるには、「要介護認定が必要」で、居宅介護支援事業所はこの認定のための
申請手続きのお手伝いもしてくれます。
認定を受けると、利用者の自宅に「ケアマネージャーが月に1回以上訪問」し、
ケアプラン作成のための聞き取りや利用状況について、継続してモニタリングをしてくれます。
※要介護認定が要介護ではなく「要支援」と認定された場合、ケアプラン作成のための
相談や支援が必要であることは同じですが、相談する窓口が「居宅介護支援事業所または地域包括支援センター」となります。
そして、「ケアマネージャーが訪問する頻度も3ヶ月に1回以上」となり、居宅介護支援よりも
介護予防の方が頻度が少ないという違いがあります。
ここまで、「居宅介護支援事業所とは何か?」「どんな人が対象なのか」などの基本的な
概要をご紹介しました。
ここからは、具体的に居宅介護支援事業所は、どんな内容のサービスを提供しているのか
について、ご紹介します!
居宅介護支援事業所につとめるケアマネージャーの主な業務となるのが「ケアプラン作成」です!
相談に来た利用者が介護保険サービスを適切に利用できるよう「どこで、どんな内容を、
どういった目的で実施するのか」というプランを作成してくれます。
ケアマネージャーは、利用者の心身状況や家族の状況、家庭環境などを的確に把握し、
ケアプランを作成してくれます。
ケアプラン作成までの流れとして、まずケアマネージャーが利用者宅を訪問し、
利用者本人と家族と面談を行います。
相談内容や会話の中から、利用者のニーズ、家族のニーズを聞き出し、ケアプランの原案を作成、
その後、利用者や家族を含めた専門職と一緒にサービス担当者会議という会議を開催、
ケアプランの確認、修正を行い「正式なケアプラン」が完成します!
ケアプランが完成し、介護サービスの利用を開始したからといって、居宅介護支援事業所の仕事は
終わるわけではありません。
なぜなら、利用者の心身状況や環境、ニーズは日々変化していくからです。
その変化に応じてケアマネージャーはケアプランの見直しを行い、プランを更新しながら、
常によりよいサポートが提供できるように付き添ってくれます。
プランを見直し更新していくために、ケアマネージャーは月に1回以上、利用者宅を訪問し、
困っていることや不安に思っていること、新たな要望がないかなど聞き取りを行います。
その内容に応じて随時ケアプランを見直します。
居宅介護支援事業所は、「利用者と関係機関を繋ぐ役割」も担っています。
ケアプランに基づいたサービスがしっかりと提供されているか、要介護認定を見直す手続きが
必要かどうか、医療機関との連携をとる必要があるか、など
様々な視点から多角的に物事を捉え、「自治体や関係機関と連絡・調整」を図ります。
また、居宅介護支援事業所は「サービスに関する要望や苦情の対応」を行うことも
重要な業務のひとつとしています。
このように、居宅介護支援事業所は「相談から実施」「経過から見直し」まで多岐に渡る
業務を行い、これらのサイクルを回し続けることで利用者や家族が介護が必要であっても
その人らしい生活を歩めるようサポートをしてくれます!
ここまで、「居宅介護支援事業所とは何か」という基礎知識について解説し、
その「役割とサービス内容」についてご紹介しました!
それでは、ここからは実際に居宅介護支援事業所を利用するには、どんな流れで物事が
進むのかを紹介していきます!
居宅介護支援事業所を利用するには、「介護が必要です」という認定を受ける必要があります。
これを「要介護認定」と言います。
この認定を受けるために、まずは「自治体の窓口で介護保険サービスの利用を申し込み」を行います。
※本人・家族の代わりに居宅介護支援事業所が代行することもあります。
利用を申し込み、どんな介護保険サービスが利用できるかを明確にするために
「要介護認定」へと進みます。
要介護認定の簡単な流れは以下の通りです。
要介護認定を受け要支援1.2、要介護1〜5のどれかに認定を受けると、居宅介護支援事業所
(要支援の場合は地域包括支援センターの場合もある)に相談し、
ケアプランの作成に移ります。
※要支援の場合は「介護予防ケアプラン」の作成が可能です。
ケアプランは「第1表〜第7表」まであり、「相談内容」「支援の方向性」「目標」
「具体的なサービス内容」などが集約されています。
ケアプランを作成するにあたり、居宅介護支援事業所の担当ケアマネージャーが利用者の
自宅で面談を行い、利用者の心身の状況や家庭環境、利用者や家族のニーズについて
聞き取りを行い、「ケアプランの原案」を作成します。
このケアプランの原案を元に、利用者やケアマネージャー利用する事業所の担当スタッフや
業者などとケアプランの最終確認と修正を行うための、「サービス担当者会議」を開催します。
この会議でケアプランの内容を確認と修正を行い「正式なケアプラン」が完成します。
正式なケアプランが作成できたら、利用者は計画書に記載された「各介護サービス提供事業者との
契約」を行い、利用を開始します。
そのための、連絡や調整も居宅介護支援事業所のケアマネージャーが行ってくれます。
居宅介護で介護保険の給付が適用されるサービスは以下の通りです。
①訪問介護 ②訪問入浴介護 ③訪問看護 ④訪問リハビリテーション ⑤居宅療養管理指導
⑥通所介護 ⑦通所リハビリテーション ⑧短期入所生活介護 ⑨短期入所療養介護 ⑩特定施設入居者生活介護⑪福祉用具貸与 ⑫特定福祉用具販売
介護サービスを提供する事業所と契約を交わしすと介護サービスの利用が開始されます。
介護サービスの利用が開始されても、居宅介護支援事業所は継続して利用者のサポートを
行ってくれます。
ケアマネージャーが自宅を訪問し、ケアが計画に沿って実施されているか、
利用者のニーズに変化はないか、困ったことや不安なことがないかなどを確認してくれます。
これを「モニタリング」といい、居宅介護支援事業所のケアマネージャーは「月に1回以上」の
モニタリングを実施することが義務の付けられています。
ケアプランの作成が終わり、介護サービスの利用を開始しても顔見知りになった
ケアマネージャーが訪問し、状況を確認してくれるのは安心感に繋がりますね。
この記事では、居宅介護支援事業所とは何かという基本の知識から、その役割やサービス内容、
利用の流れについて解説をしました!
居宅介護支援事業所は、居宅での介護が始まる時も、始まってからも、利用者や家族に寄り添い、
なくてはならない存在となります。
居宅介護支援事業所の業務は非常に幅広く多岐にわたります。介護が必要な高齢者にとっても、
その家族にとっても、まとめて全部相談できる事業所が地域にあることは頼りになりますね!
自宅での介護は、利用者や家族にとって負担大きくなる場合も少なくありません。
当事者だけで抱え込まず、今回紹介した居宅介護支援事業所などの
介護サービスの助けを利用し、介護が必要であっても「その人らしい生活」を送りましょう!