血圧は重大な疾病を早期発見するために必要な指標です。
そのため健康に気を使っている人の中には、血圧に気を配っている人も多いのではないでしょうか。
特に高血圧を放っておくと、脳梗塞など重篤な疾病を引き起こす可能性が高まります。
そこでこの記事では、血圧の正常値から年代別の血圧、血圧の測定方法と血圧管理に
おすすめな方法を紹介します。
記事を参考に自身の血圧が年代で見るとどうなのかを把握し、血圧管理に努め健康な状態を
保てるようにしていきましょう。
目次
血圧は自身の健康状態を知る指標となります。
そのため血圧の正常値は知っておきたいものです。
また高血圧と低血圧の基準についても把握したいです。
そこでここでは血圧の正常値から高血圧と低血圧についてみていきましょう。
血圧は血液が全身に送り出される際に血管に加わる圧力のことをいいます。
上の血圧と呼ばれる収縮期血圧と、下の血圧と呼ばれる拡張期血圧の2つに分けられます。
血圧の正常値は医療機関で測定する「診察室血圧」と自宅で測定する「家庭血圧」の2種類があり。
「診察室血圧」は家庭で測るよりも緊張しやすい状態であることから、
「家庭血圧」よりも高めに設定されています。
高血圧の基準値は、「診察室血圧」で収縮期血圧と拡張期血圧の両方もしくは
片方が140/90mmHg以上である、「家庭血圧」が135/85mmHg以上である場合に
高血圧と診断されます。
高血圧は血圧が高くなるごとに「Ⅰ度高血圧」「Ⅱ度高血圧」「Ⅲ度高血圧」といわれ、
脳卒中などのリスクはⅠ度からⅢ度の順で高くなります。
一方低血圧は高血圧のように明確な基準値があるわけではありません。
しかし一つの指標として収縮期血圧が100mmHg未満の場合を低血圧としている場合が多いです。
ところが収縮期血圧が100mmHg未満であったとしても、低血圧と診断しない医師も中に入るため、
医師により低血圧の基準は異なる可能性が高いことを覚えておきましょう。
血圧は年齢や性別で平均値が異なります。
そこで気になるのは自身の年齢の血圧の平均値はいくつなのか、という点です。
平均値を知ることで自身は平均か、それよりの高いのか低いのかがわかります。
そこでここでは、年齢別、男女別の血圧の平均値を見ていきましょう。
男性の平均値は収縮期血圧が115.3mmHg、拡張期血圧が67.7mmHgです。
次に女性の平均値は収縮期血圧105.7mmHg、拡張期血圧が63.8mmHgとなっています。
平均値だけを見ると高血圧の人はあまりいません。
その証拠として20代の高血圧の割合は男性で7.1%で、女性は0%でした。
割合的には少ないですが、男性は高血圧に注意しておいた方がよいでしょう。
逆に女性は平均値を見てもやや低血圧気味のため、低血圧の症状に悩んでいる人は、
病院の受診を検討しましょう。
30代男性の血圧の平均値は収縮期血圧が117.3mmHg、拡張期血圧が73.7mmHgです。
次に30代女性の血圧の平均値。収縮期血圧が107.9mmHg、拡張期血圧が66.3mmHgでした。
では高血圧の割合はどうなのでしょう。
高血圧の割合は男性6.3%で女性は3.3%です。
割合的には少数ですが、男女ともに高血圧に該当する人がいるため、高血圧に予防に
努めておいた方が無難です。
また、平均値を見る限り女性は低血圧気味の人も見受けられるため、症状が重い場合は
病院受診し体調を維持していきましょう。
40代男性の血圧の平均値は収縮期血圧が125.8mmHgで、拡張期血圧が81.3mmHgです。
一方女性は収縮期血圧が114.3mmHg、拡張期血圧が71.2mmHgでした。
この年代から高血圧の割合がぐっと高くなります。
男性で30.9%、女性は9.0%の割合の人が高血圧の状態です。
この年齢から高血圧の予防に努めておいた方がよいでしょう。
主に生活習慣を見直すことで高血圧は予防できます。
そのため男女関係なく生活習慣を見直してみましょう。
50代の男性の血圧の平均値は収縮期血圧が131.7mmHg、拡張期血圧が82mmHgです。
女性の血圧の平均値は収縮期血圧が123.7mmHg、拡張期血圧が75.4mmHg。
高血圧の割合は男性が38.8%、女性が19.7%です。
血圧の平均値を見てみても、高血圧に該当していなくても高血圧気味と診断される
値が多いことがわかります。
血圧は年齢が上がるとともに上昇する傾向にあるため、高血圧ではないものの血圧が
日頃から高めの人は注意しましょう。
60代男性の血圧の平均値は収縮期血圧が135.8mmHg、拡張期血圧が78.5mmHgです。
女性の血圧の平均値は収縮期血圧が131.0mmHg、拡張期血圧が76.7mmHg。
高血圧の割合は男性で39.1%で女性が29.9%です。
50代と比較すると女性の高血圧の割合が一気に上がったことがわかります。
高血圧の診断が下りなくても高血圧気味の人の割合も多いことから、多くの人が高血圧もしくは
予備軍であることがわかるため、日常から血圧を測定し血圧管理を行っていきましょう。
70代以上の男性の血圧の平均値は収縮期血圧が135.8mmHg、拡張期血圧が73.1mmHgです。
女性の血圧の平均値は収縮期血圧が136.1mmHg、拡張期血圧が73.0mmHg。
高血圧の割合は男性が36.5%、女性が42.8%です。
この年代からは女性の方が高血圧の傾向にあることがわかります。
高血圧を予防改善するためにも、日頃からの血圧管理と生活習慣の改善を行っていきましょう。
自宅で習慣的に血圧を測定することで家庭血圧の数値を把握し、生活習慣の改善に
役立てられるため血圧の正しい計り方を知っておくことが大切です。
血圧は変動しやすいため、静かな部屋で安静を保ち座った姿勢で測定することが大切です。
歩くなど活動した後に測定するときは、座ってから1~2分経過してから測定するようにしましょう。
測定は朝と夜の1日2回測定が原則。
測定中はしゃべったりしてはいけません。安静にすることが重要です。
飲食や飲酒・喫煙後の測定も避けるようにしましょう。
家庭での血圧の測定は測定時間を守るよりも、継続して測定することが重要です。
まずは血圧測定を習慣化することから始めていきましょう。
血圧を正常に保つためには日頃の生活習慣の見直しが重要です。
ここでは主に改善すべき項目を4つ紹介します。
全ての習慣を変えることは難しいため、自分にできることから生活習慣を改善していきましょう。
血圧を正常に保つために重要なのは、食生活の改善です。
特に重要なのがナトリウムの取り過ぎの改善です。
塩分をとりすぎることでナトリウムが働き、血圧が上昇します。
血中のナトリウム濃度が高くなると、濃度を正常に戻すために身体は水分を欲します。
このことで血液量が増加し、血管を押す力が増し血圧の上昇を招きます。
そのため日々の食事で漬物を控える、味付けを薄くする、減塩調味料を使うなどし、
減塩に取り組みましょう。
適度な運動を習慣化するのも血圧にとって大切です。
運動には血管を広げ血液循環を良くする効果があります。血液循環が良くなることで
高血圧だけでなく低血圧の改善にもつながります。
高血圧を改善するためにはやや強いと感じる有酸素運動を1日30分以上毎日行うことが大切です。
特に散歩など下半身を鍛える運動に効果があるとされています。
ただし運動を行う前はけがなどしないようにストレッチを行うことも大切です。
運動する習慣がない人は日々の買い物をできるだけ徒歩で行うなど、日頃の家事に
運動を取り入れるようにしていきましょう。
血圧を正常に保つためには十分な睡眠と休息が必要です。
過剰なストレスは血圧に悪影響を与えます。
ストレスを受けることで交感神経が活発になりアドレナリンなどのホルモンが大量に分泌。
この分泌されるホルモンが血圧を上昇させるなど、血圧にとって悪影響を与えます。
十分な睡眠と休養を取ることでストレスをためないようになります。
しかしストレスが溜まった状態では質の良い睡眠はとれません。
このような時は眠る前に読書などをすることでリラックスしてから睡眠をとるようにしましょう。
高血圧の予防改善のためには禁煙は必須事項。
タバコは高血圧の原因の一つになるだけではなく、心臓病や脳卒中などのリスクも高めます。
たばこの煙にはニコチンなどの有害物質が含まれているため、有害物質が血圧を上昇させる
とともに動脈硬化も引き起こします。
禁煙は専門家のサポートも受けられるため、サポートを受けながら禁煙に取り組んでみましょう。
また血圧を正常に保つためには節酒することも重要です。
適切な飲酒量である純アルコール20g未満であればよいのですが、それ以上の飲酒は要注意です。
節酒に取り組むだけではなく休肝日を作ることも大切なため、休肝日を作りつつ節酒に
取り組んでいきましょう。
血圧の通常時の数値は年代関係なく、診察室血圧で収縮期血圧120mmHg未満、
拡張期血圧が80mmHg未満です。
また、血圧の平均値は年代が上がるにつれて高くなるため、早いうちから血圧管理をする
必要があります。
高血圧の予防には生活習慣の見直しが重要です。
まずは自分にできる範囲から生活習慣を見直し、血圧を正常値に保てるようにしていきましょう。