福祉用具専門相談員はきつい仕事?具体的な業務内容ややりがいも紹介

2024.07.12

「福祉用具専門相談員になりたいけど、ノルマとかが大変だと聞くからどうしようかな?」
福祉用具専門相談員に興味を抱いた人の中には、このような疑問を抱く人もいます。


高齢者や福祉に関する仕事をしたいのに、きつい仕事だと聞くと尻込みしてしまいます。
しかし福祉用具専門相談員の業務内容などをあらかじめ知っておくことで、
仕事の楽しみを見つけることもできるでしょう。

そこでこの記事では福祉用具専門相談員の業務内容ややりがいについて紹介します。
この記事を参考に福祉用具専門相談員の仕事のやりがいを見つけていきましょう。

福祉用具専門相談員とは?

福祉用具専門相談員は、福祉用具の貸与や販売を行い高齢者の生活を支援する専門職です。
そのため福祉用具の貸与や販売を行う事業所には2名以上の配置が必要です。
ここでは福祉用具専門相談員の仕事内容を詳しく見ていきましょう。

 具体的な業務内容

福祉用具専門相談員の主な業務内容は、福祉用具の貸与や販売、ほかにも事務業務など
あげられます。

要支援や要介護の認定を受けた高齢者を中心に、個人個人の生活状況に適した用具を提案。
車いすや歩行器、電動ベッドなどを扱い利用者へ使い方のレクチャーを行います。
商品を搬入後は定期的に利用者のもとを訪問し、福祉用具の調整および用具の状態確認をします。
その他にも福祉用具サービス計画書や定期訪問後の報告書の作成を行うことも大事な仕事の一つです。

福祉用具専門相談員がきつい仕事と言われる理由5選

福祉用具専門相談員がきつい仕事といわれる理由として、幅広い知識が必要であること、
力仕事でもあることなどがあげられます。

ここでは特にきついといわれる理由として5つみていきましょう。

 幅広い専門知識が必要

福祉用具専門相談員は覚えなくてならない知識が膨大であるため、それを覚えるのが大変な部分が
あります。

例として、利用者に自己負担額やサービス利用にあたり必要な手続きなどを説明しなくてはいけませんが、それを説明するには介護保険制度を理解していなくてはなりません。
さらにこの介護保険制度は3年ごとに内容が変わるのが厄介な点で、定期的に最新情報を
入手する必要があります。

また利用者に合った介護用具を提供するには、用具の特徴や仕組みを理解しておかなくては
いけません。

福祉用具にも多くの種類があり、新しいタイプの商品が出てくるためそのたびに
商品知識をアップデートする必要があります。
このように覚えることが多いため、きついと感じる人が多いのです。

 身体的な負担が大きい

福祉用具専門相談員は、重量のある介護用品の搬入・搬出や組み立てを行う機会が多いため
身体的な負担が大きいのもきついと思われている点です。
実際に出向く利用者の自宅の中には、エレベーターのない集合住宅や十分な動線確保が
されていないケースも多くあります。

移動用リフトや特殊寝台など重くて大きなものを一人で運ぶこともあり、それが原因で
腰を痛めてしまうことも。
しかし事業所によっては福祉用具の搬入などを外部委託している場所もあります。
そのため女性でも安心して福祉用具専門相談員として働くことができるところもあるため、
就職の際に確認しておいた方がよいでしょう。

 営業ノルマを課せられることがある

事業所によっては次に挙げるノルマが課される場合があり、これがストレスとなる人も多くいます。
・新規契約した利用者の数
・ケアマネージャーへの営業回数
・福祉用具のキャンペーンで受注した数

他の事業所と競争してる状態のため、福祉用具専門相談員の提案力にすべてがかかって
しまうことがあります。
また、ノルマが達成できないとそのことで焦りが出、結果としてストレスへとつながります。

 緊急時の対応や残業が必要なことがある

福祉用具専門相談員は様々な背景を持つ高齢者や障害者を相手にすることがほとんどです。
日頃から福祉用具の知識や介護保険制度の知識を増やしていったとしても、物事は
マニュアル通りに進むとは限りません。

そのため時にはイレギュラーが発生し、その対応に追われるほか、トラブルに見舞われることも
多々あります。
このことから緊急時の対応を余儀なくされるケースも存在します。
また、書類作成などの仕事も受け持っているため、時には残業する必要があることも。
福祉用具専門相談員を目指すのであれば、イレギュラー対応などがあることを抑えておきましょう。

 事務作業が多い

福祉用具専門相談員は営業など以外にも書類の作成も多くあります。
特に次に挙げる書類を作成するケースが多いです。

  • 福祉用具の使用目的や効果を一覧化した「福祉用具サービス利用計画書」
  • 利用者の経過を確認するための「モニタリング報告書」
  • 福祉用具を安全に使用してもらうための「メンテナンス報告書」

    この事務作業に多くの時間を割くため、営業との両立が難しいと感じる人も少なくありません。
    効果的に事務作業を進めるためにもパソコンスキルなどの向上させる必要があるため、
    業務をしながらスキル向上が難しいと感じる人もいます。

福祉用具専門相談員のやりがいは?

福祉用具専門相談員のきつい点を見てきましたが、その分やりがいがあるのもこの仕事の特徴です。
利用者を支えている実感をもてるなど、やりがいを感じられる場面は多いです。
ここではやりがいを感じる瞬間をみていきましょう。

 利用者を間近で支えている実感が持てる

福祉用具専門相談員はマンツーマンでじっくりと支援を行うため、生活で困りごとを
抱えている利用者の不安をやわらげられます。

生活環境を理解したうえで利用者の抱える課題を解決にさせる提案ができる点もあり、
そのことで利用者の生活を改善できることも。
福祉用具を導入することで、家族の負担の軽減につながることもあります。

そうすると利用者の生活の自立ができるなど生活改善を図ることができます。
自身の提案したことで利用者が今まで以上に自立できた生活を送れるようになった時、
利用者を支えている実感を感じることができるでしょう。
自分の提案一つで利用者により良い生活を提供できるため、それがやりがいへとつながります。

 感謝の言葉を聞ける

福祉用具専門相談員がやりがいを感じる点として、利用者やその家族から感謝の言葉を聞ける
があげられます。
福祉用具の導入などにより、今まで以上に快適に生活ができるようになることで感謝の言葉を
貰うことが多くあります。

また感謝の言葉だけでなく、利用者の笑顔を見ることもでき、仕事のモチベーションアップにも
繋がり自身の行うサービスの質の向上も見込めるでしょう。
自身の仕事を遂行することで感謝の言葉がもらえるのであれば、ますますやる気も出、
さらなるサービスが提供できるため感謝の言葉は重要です。

 達成感がある

利用者に福祉用具の提案をしそれが受け入れられることで、福祉用具専門相談員として
達成感を感じられます。
それだけではなく営業先に提案をしそれが受け入れられると、取引先との信頼関係を
築くことに繋がります。

さらに利用者には充実したサポートを行うことで次の契約につながることもあり、
自身の提案力が重要なことが理解できるでしょう。
しかし、簡単に成果は出ません。
自身の地道な努力によって結果が後からついてくるのです。
周囲の期待に応えるために地道に努力したことが報われる、これほど達成感を感じることは
ないでしょう。

福祉用具専門相談員に向いている人とは?

福祉用具専門員になるには向いている人と向いていない人がいます。
ではどんな人が向いているのでしょう。それは聞き上手な人などが該当します。
ここでは福祉用具専門相談員に向いている人について詳しく見ていきましょう。

 聞き上手・コミュニケーション力が高い人

福祉用具専門相談員は聞き上手やコミュニケーション能力が高い人に向いている職業です。
利用者やその家族のニーズに合った提案を行うことになるため、コミュニケーションだけでは
なく聞き上手であることも重要なのです。
なぜなら利用者のニーズをしっかりとくみ取り、最適な提案を行わなくては信頼関係は結べません。

他にも同じ職場の職員とのコミュニケーションや営業先との担当者とも接することが多いため、
信頼関係を結ぶ機会は多いです。
そのためコミュニケーション能力や聞き上手な人は福祉用具専門相談員に向いている
といえるでしょう。

 観察力・学習意欲が高い人

周囲を観察し、学習意欲が高い人も福祉用具専門相談員に向いているといえるでしょう。
利用者の言葉で伝えること以外でも会話や生活環境から、最適な福祉用具の提案が求められます。

そのため定期訪問などで不安を感じている点はないか、今使用している福祉用具に不満は
ないかなどを把握する必要があります。その際改善が必要であれば改善点を改めて
提案しなくてはいけません。

また福祉用具専門相談員として働くには、福祉用具に使用される最新技術や介護用品の
最新情報に常にアンテナを張る必要があります。
学習意欲が高ければそれも容易に自身の力として吸収できるでしょう。
このように利用者への最適な提案と学習意欲の高さが福祉用具専門相談員として活躍するのに
不可欠です。

 介護・福祉業界に興味がある人

介護や福祉業界に興味がある人は福祉用具専門相談員に向いています。
介護業界に興味を抱ける人であれば、介護業界が現在抱える問題や、市場やニーズについても
自身の意思で学ぶ意欲があります。

そのため、一人ひとりの利用者にあった福祉用具の提案ができるようになり、重宝されるのです。
福祉用具専門相談員は間接的に高齢者や障害者をサポートできる職種の代表であり、
介護関係や生活で困っている人を助けることができる職です。
そのため人の役に立ちたい人や介護関係に興味のある人におすすめな職であるといえるでしょう。

まとめ

福祉用具専門相談員は覚えることが多いだけではなく、身体的な負担も大きいことから
きつい仕事だと認識されています。
しかしそれ以上に感謝の言葉をもらえるなど、モチベーションアップにつながることが
いくつもあります。

福祉用具専門相談員は介護をするうえでなくてはならない存在です。
この記事を参考にし、多くの人が福祉用具専門相談員を目指していってくれることを祈っています。

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