ケアマネージャーが担当を持てる人数は?件数が増える理由も解説

2024.07.12

ケアマネージャーの資格をお持ちの方「ケアマネージャーが1人が担当できる人数は何軒までなの?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

この記事では、そんな疑問にお応えできるよう、担当件数の上限や平均値などについて解説
していきます!

ケアマネージャーが担当を持てる人数とは

ケアマネージャーの中でも、居宅介護支援施設のケアマネージャー(在宅介護のケアマネージャー)
と介護施設のケアマネージャーでは、担当できる件数のルールが違います。
ここからは、担当できる件数の計算方法から、居宅・施設のケアマネージャーが持てる件数まで、
解説します!

 ケアマネジャーの担当件数の計算方法

まず、ケアマネージャーの担当件数の計算方法について解説をします。
ケアマネージャーの担当件数の算出方法は「要介護の方であれば1人」「要支援の方は0,5人」
で算出をします!

要介護であっても、要支援であっても1人で数えると思っていることも多く、
「要支援は0,5人として算出するのか!」と驚いた方もいるのではないでしょうか。

ケアマネージャーが「非常勤」の場合は、常勤換算に直さなければならないので、
以下の計算式で算出します。

  • (勤務時間数)÷(常勤ケアマネージャーの勤務時間数)=常勤換算
    例えば、「常勤が週40時間勤務する事業所」で「非常勤のケアマネージャーが週20時間働く」
    場合は、20÷40=0,5となるため、「常勤ケアマネージャーの半分」まで担当できるという
    計算です!

 ケアマネジャーの基本報酬の逓減制

ケアマネージャーの基本報酬の逓減性(ていげんせい)とは、
ケアマネージャー1人あたりの担当件数が増えると、介護報酬が段階的に減少する仕組みをいいます。

この逓減制は「介護サービスの適正な利用を促すことで、コストの抑制を図るため」に
導入された制度です。

逓減制が導入される件数は「居宅ケアマネ1人あたり40人以上」になると、基本報酬が低く
なってしまいます。
この逓減制の適用されるのを防ぐ方法はいくつかあります。
この方法については、後述します!

 居宅ケアマネージャーは利用者35人について1人

居宅介護支援事業所で働くケアマネージャー、いわゆる「居宅ケアマネ」が1人で担当する利用者
の数は「35人程度が基準」です。
35人以上を担当する場合もありますが、居宅ケアマネ1人あたりの担当件数が「40人以上になると
逓減制により介護報酬が減算」
されてしまいます。

そのため、「居宅のケアマネは40人未満の場合が多い」でしょう。
ちなみに、厚生労働省の調べによると「居宅ケアマネの担当者数の平均は31.8人」でした。
要介護と要支援の平均バランスは「要介護26.9人」と「要支援4.9人」でした。

 施設ケアマネージャーは利用者100について1人

介護施設でケアマネージャーとして働くいわゆる「施設ケアマネ」は1人あたり
「100人まで担当」できます。
施設の規模によっては、施設の利用者全員を「1人のケアマネが担当している」ことも
少なくないようです。

小規模の施設では、ケアマネージャーの担当者数が少なくなることもあります。
ケアマネージャーの仕事に余裕がある場合は、介護職員や生活相談員など、他の仕事も兼任できます。
ちなみに、施設ケアマネの担当者数で最も多かったのは「41人〜50人」の担当者数でした。

ケアマネージャーの担当件数が増えてしまう理由とは

居宅ケアマネージャーの担当件数は年々増加しています。
2007年では平均26.6人だった件数も2019年には平均36.3人まで増加しています。
それにはどんな背景があるのでしょうか?
ここからは、ケアマネージャーの担当件数が増えてしまう理由について解説していきます。

 高齢者数の増加

ケアマネージャーの担当件数が増えてしまう理由ひとつ目は「高齢者数の増加」です。
日本は、半世紀にわたり高齢者数が増加しつづけています。
高齢者数が増加すると、必然的に介護保険制度を利用する要介護者も増えるため、
ケアマネージャー1人あたりが抱える担当件数も増加してしまいます。

高齢者の人数の推移は、厚生労働省の調べによると、
2015年で、3,387万人
2020年で、3,603万人
2022年で、3,624万人
2023年で、3,623万人
となっており、2015年の8年間で200万人以上も増加していることがわかります。

 ケアマネージャーの人員不足

ケアマネージャーの担当件数が増えてしまう理由ふたつめは「ケアマネージャーの人員不足」です。
ケアマネージャーは慢性的に人員不足が続いており、前述したとおりに高齢者数が増加する一方で、
充分な人数のケアマネージャーが確保されなければ、当然のごとくケアマネージャー1人あたりの
担当人数も増加する一方となっています。

ケアマネージャーの人員不足の原因としては、ケアマネージャーの試験を受ける人数が減っている
ことと、給料面などの待遇改善がなかなかされないという原因があるようです。

逓減制による減額を受けないための対策は?

ケアマネージャーが持てる担当数に述べた際「ケアマネージャーの基本報酬の逓減制」について
少し触れましたが、この逓減制による減額を受けないためには、どんな防止方法があるのでしょうか?
ここからは、逓減制による減額を防ぐための方法をふたつ、紹介します!

 ICTの導入

逓減制による減額を受けないための方法ひとつめは「ICTの導入」です。
2021年の介護報酬改定では「ICTの活用」を行っている居宅介護支援事業所を対象に、
逓減制の緩和が行わるようになりました。

ICTを活用することで、居宅ケアマネひとりあたり、「40人以上で逓減制が適用」されていたものが
「45人以上で適用」されることに緩和されます。
※ICT=Information and Communication Technology の略で、情報や通信に関する技術を意味します。

 事務員を配置する

逓減制による減額を受けないための方法ふたつめは「事務員を配置する」です。
こちらも、2021年の介護報酬改定で「事務員を配置」した居宅介護支援事業所を対象に、
逓減制の緩和が行われるようになりました。
40人以上で逓減制が適用されていたものが、45人以上で適用されるよう緩和されます。

担当件数が増えると負担が増えるように思えますが、「ICTの活用」も「事務員の配置」も
「業務の効率化を行った」ため適用される緩和のため、ケアマネージャーの「負担が極端に増える」
という事態にはならないようです。

また、逓減制の緩和を利用することで、ケアマネージャーが「担当できる人数が5人増える」
ということで、ケアマネージャーの処遇改善に繋がるのでは?と期待されています。

まとめ

この記事では「ケアマネージャーが持てる担当の人数」について「担当人数の計算方法」や
「ケアマネージャーの平均担当数」「逓減制についての説明と緩和方法」など、
詳しく解説をしました。

ケアマネージャーは利用者と介護サービスや事業者をつなげるための「総合窓口」という役目を
担う仕事です。
ケアマネージャーの仕事は、やりがいも大きく、介護サービスを提供する要として機能する、
重大な役割をもった仕事です。

ケアマネージャーの試験に合格した方や、ゆくゆくはケアマネージャーとして活躍しようと
考える方にとって、この記事が一助となれば幸いです!

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