親の介護をしていると「親を施設に入れられないか」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、実の親を施設に入れるのにためらってしまう人も多くいます。
その結果として介護をしている人が限界になってしまうことも多々あります。
そこで今回は親を介護施設に入れるタイミングなどについて解説していきます。
この記事を参考にお互いに無理のない介護を選択していきましょう。
目次
要介護3以上の親を介護していると、終日介護に時間を費やしてしまうことがわかっています。
しかし無理をして介護をすると、介護をしている家族が病んでしまうこともあります。
そこでここでは親を施設に入れるタイミングはどこかについてみていきましょう。
介護している家族が身体的にも精神的にも限界を感じた時は、親を施設に入れるタイミングで
あると考えましょう。
在宅介護をしていると、介護している家族のプライベートに制限がついてしまい、
息抜きのタイミングを掴めないときもあります。
さらにトイレ介助などが必要である場合は、夜間も気が抜けません。
それが続いてしまうと介護者に十分な休息が得られなくなり、精神的にも身体的にも
追い詰められてしまいます。
その結果として介護うつを発症してしまうことがあります。
それを防ぐためにも施設利用は重要です。施設を利用することで親と適度な距離で
接することができるようになります。
精神的にも身体的にも限界を感じたら、施設利用を検討しましょう。
親の見守りが常に必要であると感じた時は、思い切って施設入居を検討しましょう。
高齢者になると認知症や筋力の衰えなどで転倒や骨折のリスクが高まります。
骨折のリスクだけでも気が抜けませんが、認知症を発症しているときはそれだけが
問題ではありません。
認知症の親が一人で外出した場合、事故に巻き込まれる、行方不明などのリスクを
背負うことになります。
認知症などのリスクを抱えての介護に不安を感じたら、施設を利用し他人の眼のある環境で
暮らしてもらった方が安心します。
親を一人きりにするのに不安を感じたら、施設への入居の検討をしてみましょう。
親が認知症を発症した場合、介護をしているうえで身の危険を感じる場合があります。
認知症を発症していると今まではなかった暴言や暴力行為などBPSD(行動・心理症状)が
みられるケースが出てきます。
この状態で在宅介護をしていると、いざという時に人の手を借りるのが難しいのが現状です。
そのため家族だけでは対処ができないという事態に陥ることもあります。
BPSDは認知症を発症した人の本来の性格や身を置く環境で発症します。
しかし適切な処置を行うことで症状を軽減できるため、暴力などで身の危険を感じたら
認知症ケアに特化した施設にすぐに相談し施設への入居を検討しましょう。
親を施設に入れたいと思ったとしても、そうすんなりと入居はできません。
入居を決めるまでには踏んでおきたいステップが幾つかあります。
ここでは踏んでおきたい主なステップを5つみていきましょう。
親を施設に入れたいときはまずは家族だけでなく施設に入ることになる本人との
話し合いが必要です。
特に入居する本人や兄弟姉妹の了承のないまま入居を決めてしまうと、後々トラブルに
見舞われることが多々あります。
家族間で話し合いをするときは次に挙げる項目を中心に話し合うことをおすすめします。
次に施設形態や費用面などの条件を決めてから、条件に見合う施設の情報収集を行います。
全ての希望条件を満たす施設を探そうとすると、施設の選択肢が狭まってしまうため、
ある程度妥協し選択肢の幅を増やしましょう。
施設情報収集及び探し方には次に挙げる方法がよく用いられます。
情報収集が終わったら希望する施設の選定に入ります。
しかし希望条件全てを満たす施設にはなかなか会えないもの。
そのため希望施設を選択するときは、希望条件に優先順位をつけておくことをおすすめします。
優先順位を決めておくことで、数ある候補の中から希望により近い施設を見つけることができます。
例えば自宅からの距離が近いを第一候補にした場合は、自宅に近い入居先を第一候補とするなどです。
また一つの施設に絞らずに複数の施設を候補に挙げ、その中からより条件に近い施設を
見つけるようにしましょう。
入居したい施設をいくつか絞ったら、さらに候補を絞るためにも施設の見学と
本人の体験入居を行い、入居する施設を絞っていきましょう。
ただし、見学や体験入居には予約が必要なため、あらかじめ予約を取るのを忘れないように
しましょう。
見学や体験入居は次に挙げるチェックポイントを元に施設の選定を行うことをおすすめします。
施設候補の中から入居したい施設を見つけたら、必要な書類の準備をしましょう。
必要な書類は次に挙げるものなどがあります。
家族が親を施設へ入居させたくても、当の本人が拒否する場合があります。
そんな時に強制的に入居を決めてしまうと、後々トラブルに見舞われることがあります。
トラブルを防ぐためにも話し合いなどをする必要があるため、ここでは入居拒否の際の
対処法をいくつかみていきましょう。
まずは本人の希望を確認したうえで、再度話し合うことが重要です。
その際は本人の意思だけではなく、家族の意見をそれぞれ聞きながら話し合いをすることが大切です。
また家族の意見だけを通するのではなく、本人の意思をしっかりと確認することも
忘れてはいけません。
本人が自宅を希望したときに、家族が感情的になるのはNG。
介護施設へ入居することで家族との疎外感を感じてしまうこともあります。
そのため親への愛情をしっかりと言葉で伝えることが大事なのです。
「長生きしてほしいからこそ施設入居してほしい」と愛情をこめて話し合うことを
忘れないようにしましょう。
介護施設への入居にあたり、どうしてもプラスだけではなくマイナスの印象を
抱いてしまうこともあります。
まずは介護施設へのマイナスイメージを払しょくすることから始めていきましょう。
具体的にどのような生活を送るのか、パンフレットや施設のホームページを見てもらうことで、
施設へのイメージがわきやすいです。
また施設によりますが季節ごとのイベントも開催している場所もあるため、自宅での生活よりも
季節を感じやすい等、自宅では味わえないイベント事を楽しむこともできます。
他にも本人が施設にどのようなイメージを持っているのか聞き取りを行い、
マイナスになっている面を一つずつ減らしていけるようにしましょう。
家族が施設についての詳しい説明を行ったとしても、本人が聞き入れないという場合も想定されます。
その場合、家族だけで話し合ったとしても平行線のままで話し合いにならないときがあります。
このような事態になったときは、思い切って第三者に介入してもらうのが良いでしょう。
第三者はケアマネージャーでもよいのですが、本人の親せきや友人でも問題ありません。
とにかく第三者の意見を聞くことが重要なのです。第三者の意見により本人が冷静になれる
場合があります。
本人を無理に説得するのではなく、第三者を介して納得してもらう方向にもっていきましょう。
第三者を介して話し合いをしたとしても、施設への不安を払しょくできないときがあります。
その時はお試しということでショートステイを勧めてみるのはいかがでしょうか。
ショートステイを体験することで、実際の施設の空気感を掴むことができます。
そのため体験してみることで意外と心地の良い空間であると認識してくれることも多いです。
施設へマイナスなイメージを持った状態でいきなり入居させるのは難しいため、
ショートステイから始めてみるのがベストです。
ショートステイで慣れていくことで施設を「第二の自宅」と考えてくれることもあります。
そのため始めから長期の入居を勧めるのではなく、ショートステイから徐々に慣れていって
もらう方が心情的にも入居しやすくなります。
在宅での親の介護に限界を感じたら、本人の意思を尊重しつつ施設への入居を検討すべきです。
限界を感じているままで介護を続けると介護うつ等を発症し、双方に悪影響を与えてしまいます。
しかし中には施設へ行くのに拒否反応を示す人もいるため、ショートステイなどを通して
施設へのイメージを変えていきましょう。
この記事を参考に家族同士でしっかりと話し合い、双方納得したうえで施設への
入居が決まることを祈っています。