サービス付き高齢者向け住宅の人員基準は?設備の特徴や主なサービスも

2024.07.12

サービス付き高齢者向け住宅とは、「サ高住」とも呼ばれ、比較的要介護度の低い方が
利用されることの多い、高齢者向けサービス付きのバリアフリー賃貸住宅です。

この記事では、サービス付き高齢者向け住宅の設備の特徴や人員基準などについて解説していきます!
「サービス付き高齢者向け住宅への就職を考えている!」「介護のことを考えて調べると
サ高住というものが気になった!」という方は、是非、この記事を参考にしてみてください!

サービス付き高齢者向け住宅とは何か

まずは、「サービス付き高齢者向け住宅」とは何か?という基本的な概要を「入居条件」
「設備の特徴」「主なサービス」の3つについて紹介し、
サービス付き高齢者向け住宅と似ている「住宅型有料老人ホーム」との違いも解説します!

 入居条件

サービス付き高齢者向け住宅に入居するには「60歳以上の方か、要支援・要介護認定を受けている
60歳未満の方」という基準があります。
また、サービス付き高齢者向け住宅のターゲットは「現在は介護の必要がなく自立している高齢者」
とされており、介護が必要になった時のために、あらかじめ賃貸契約をしてサービス付きの
住宅に住むことを考えている方をターゲットに設計・運営をされています。

そのため、全国のサービス付き高齢者向け住宅の「平均要介護度は1,8」となっています。

 設備の特徴

サービス付き高齢者向け住宅の特徴には以下のようなものが上げられます。

  1. 高齢者に配慮した住宅設備
     高齢者向けのバリアフリー設計を基本とするマンションであり、居住スペースの広さは
    25平方メートル以上という基準があります。
  2. 自宅と同じ生活を送られる
     サービス付き高齢者向け住宅は「まだ介護の必要がない高齢者」が入居するのが一般的です。
     見守りや相談対応のスタッフは常駐していますが、入居者は自宅と同様の暮らしを
    送られています。「まだまだ元気だけど、一人暮らしは不安!」と感じている方におすすめの
    住宅といえるでしょう。

 主なサービス

サービス付き高齢者向け住宅に義務付けられている、主なサービスは以下の2つです。

  1. 「安否確認」
     サービス付き高齢者向け住宅では、常駐するスタッフが住宅の巡回を行います。
    その時、見守りサービスとして安否確認を実施します。
  2. 「生活相談」
     生活相談では、入居者が生活を送られる中で生じる、様々な悩みや問題の相談に乗ります。
    必要であれば「自立した生活を送られるような支援」もしていきます。

サービス付き高齢者向け住宅では、「基本的には介護サービスはありません」。
そのため、入居者が高齢になり介護が必要になった場合は、外部の介護サービスを提供している
事業所などが、訪問してサービスを提供します。
そのため、近年では「介護事業所が併設された、サービス付き高齢者向け住宅」も増えている
ようです!

 住宅型有料老人ホームとの違い

サービス付き高齢者向け住宅は「サ高住の住宅基準を満たし”生活の見守り”や”生活相談”を
提供している住宅」を指すのが基本です。

そのため、サービス付き高齢者向け住宅に「食事の提供サービス」があれば
「有料老人ホームに該当」します。
また、「特定施設入居者生活介護の指定」を受け「日常生活や療養上の世話」「機能訓練」などを
提供すると「介護付き有料老人ホーム」となります。
そして、「食事や家事」「身体介助」「健康管理」などの提供が加わると
「住宅型有料老人ホーム」となります。

サービス付き高齢者向け住宅の人員配置・人員基準

ここまで、「サービス付き高齢者向け住宅とは」という基礎知識と、
サービス付き高齢者向け住宅に、色々なサービスの提供が加わると「有料老人ホーム」や
「住宅型有料老人ホーム」と呼ばれるようになるという違いについても、ご紹介しました。

ここからは、そんなサービス付き高齢者向け住宅の「人員配置」と「人員基準」について
ご紹介します!

 一般型

サービス付き高齢者向け住宅は「安否確認」と「生活相談」の提供が義務付けられています。
そのため、サービスを提供するための「人員基準」も定められています。

人員基準の内容は「以下のいずれかの職種・資格を有したスタッフが、少なくとも日中は常駐する」
こととなっています。
①社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所等の職員。 ②医師 ③看護師 ④介護福祉士 ⑤社会福祉士 ⑥ケアマネージャー ⑦介護者初任者研修過程修了者

夜間のスタッフが常駐しない時間帯は「緊急通報システムによる対応をすること」も
求められています。

しかし、2022年9月の法改正で「事前に利用者の承諾を得た上で条件を満たせば、
日中のスタッフもの常駐も不要」となりました。

上記にある条件とは以下の3つで、「全てを満たせば日中のスタッフが常駐する必要もなくなります」。
・毎月1回以上、居室への訪問など適切な方法で安否確認を実施する。
・居室に緊急通報システムを設置し、緊急時の対応が可能となっている。
・電話などの適切な方法で、生活相談サービスを提供できるようにする。

 介護型

介護サービスを提供するサービス付き高齢者向け住宅では、特定施設入居者生活介護の指定を
受けた「介護付き有料老人ホーム」に分類されるものもあります。
このような施設は、「介護型」のサービス付き高齢者向け住宅と呼ばれています。

「介護型」の場合は以下の「特定施設入居者生活介護に定められた人員の配置」が必要になります!

  • 管理者 1名
    生活相談員 100:1(要介護者等:生活相談員)
  • 看護・介護職員 10:1(要支援者:看護・介護職員)  3:1(要介護者:看護・介護職員)
  • 機能訓練指導員 1名以上
  • 計画作成担当者 介護支援専門員1名以上

サービス付き高齢者向け住宅で働く際に役立つ資格を紹介

ここまで、「サービス付き高齢者向け住宅の基本知識」と「有料老人ホームとの違い」
「人員基準と配置」などについて紹介をしました。
ここからは「サービス付き高齢者向け住宅で働きたい!」「働く時に役立つ資格はあるの?」
という方のために、サービス付き高齢者向け住宅で働く際に役立つ資格について、
いくつかご紹介します!

 介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修とは、「ご利用者の心身状態に応じた、適切な介護を提供できるよう、
より実践的な知識と技術を習得する」という目的の資格です。
カリキュラムは「講義と演習があり、合計で450時間」の学習が必要です。

研修は介護に関する分野はもちろんのこと、「医療や認知症の分野」についても学ぶことが
できる資格です。
修了試験試験は義務づけられていませんが、研修先によっては身につきた知識と技術を
確かめるために、試験を行っている場合もあります。

 介護福祉士

介護福祉士は、介護のスキルや知識を高いレベルで習得していることを証明する
「介護系で唯一の国家資格」です!
介護福祉士保有者は身体介護・生活支援や介護の相談と対応、チームのマネジメントなどを行い、
介護現場においてリーダー的な役割を担います。

介護福祉士の資格取得方法には4つのルートがあり、いずれかの条件を満たした上で、
「介護福祉士国家資格」に合格することで資格が取得できます。

介護福祉士の資格取得ルート
①養成施設ルート:指定の要請施設を卒業する。
②実務経験ルート:介護の実務経験が3年以上ある。
③福祉系高校ルート:指定の福祉系高等学校を卒業する。
④EPAルート:経済連携協定により来日した者であり、かつ介護の実務経験3年以上ある。

 介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、基礎的な介護知識・技術を習得できる研修です。
介護職員初任者研修を終了すると、「無資格では行えない身体介護」が可能になるため、
介護職のキャリアを考え良いスタートを切るには取得しておきたい資格です。

介護職員初任者研修には、とくに受験要件はありません。そのため、「未経験や無資格」でも
受講できます。
「都道府県知事が指定した、民間の養成研修機関や地方自治体」で全てのカリキュラムを
修了することにより、資格取得が可能です。

 ケアマネジャー

ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護保険法を根拠にケアマネジメントを実施
することのできる「公用資格」です。

ケアマネージャーは要支援や要介護の認定をうけた方やその家族から、相談を受け、
ケアプラン(介護サービス計画)を作成し、自治体にある介護サービス事業所と「連絡・調整」
を行う資格です。

また、介護サービスの利用を開始してからもケアプランに沿った介護が提供できているか、
確認(モニタリング)を行い、プランの評価をしてプランを更新していきます。
介護が必要な時に相談する「介護の総合窓口」という役割を担う要となる仕事です。

資格の取得には、「介護支援専門員実務研修受講試験」というテストに合格した後
「介護支援専門員実務者研修」を受講し修了すると資格を取得できます。

まとめ

この記事では「サービス付き高齢者向け住宅とは何か」という基本知識から
「有料老人ホームとの違い」「サービス付き高齢者向け住宅に就職する時に保有している
と有利な資格」についても、紹介をしました!

サービス付き高齢者向け住宅は、超高齢化社会とも呼ばれる日本において、
今後も需要が高まっているサービスです。

「サービス付き高齢者向け住宅に入居しようか悩んでいる」という方や
「サービス付き高齢者向け住宅で働いてみたい」という方に、この記事が参考になれば幸いです!

お役立ちコラム一覧へ戻る