看取り介護(看取りケア)とは、医師の指示により、医師から余命宣告を受けている方の、
病気による苦痛などを軽減させながら、尊厳のある、本人らしい平穏な最期を受け容れることを
支援するケアです。
医療行為や治療による延命は行わず、日常生活のケアをします。
看取り介護の種類やターミナルケアとの違い、グリーフケアについて詳しく紹介しましょう。
目次
「病人を看病する」という表現の「看取り」という言葉でしたが、現在では
「人生の最期の看病」を示すようになっています。
人間の尊厳を保ちながら、本人の希望を考慮し、亡くなるまでの過程を見守り、支援することです。
「看取り」は、「みとり」と読みます。
「看取り」は「病人を看病する」という表現の言葉でしたが、現在では「人生の最期の看病」を
示すようになっています。
「看取り」の概要としては、無理な延命治療などは行わず、高齢者が自然に亡くなるまでの
過程を見守ることです。
介護する際の世話・看病など、患者を介護する行為そのものを表現する言葉でしたが、
介護や看病などの生活支援の有無に限らず最期を見守ることを「看取り」と考えます。
「緩和」ケアは病気の治療に対する苦痛を緩和することで、患者の負担を減らし
精神面・身体面のサポートをすることで治療の質を高める目的があり、終末期に限らず行われます。
一方、「ターミナルケア(終末期医療)」は、病気などの延命治療は行わず、
患者の残りの余生を、その人らしく穏やかに過ごせるようにサポートすることを目的として、
病気の症状による苦痛や不快感をやわらげ、残された生活を充実させることを優先させます。
看取り介護で行われるケアには、3種類あります。
精神的ケアは、患者の死に対する不安な気持ちや焦りなどに対応することです。
家族や友人と過ごす中で、どうしても死に対して孤独感を抱きがちです。
本人が不安や孤独感、死への恐怖を感じないよう、気持ちに寄り添い、コミュニケーションを
図っていきます。
精神的な苦痛を緩和するように接することで、穏やかな日常を過ごすことを目的とします。
また、患者が最期までを過ごしやすくする環境を作るのも精神的ケアです。
日常面のケアには、生きていくために必要な食事や排せつ、入浴などがあります。
介護施設で日常行われているケアと同様に、いつも体が清潔で、身体的苦痛がなく、
体調を維持しながら穏やかに暮らせるような、生活の質が保てる環境を整えていきます。
患者や家族とのコミュニケーションと共感能力は、看取り介護において大切です。
患者が抱える身体的、精神的な苦痛や心配事を聞き、理解することが大変必要です。
家族へのサポートは、感情に配慮しながら、希望を持てるよう行いましょう。
家族へのケアには、次のような対応があげられます。
看取り介護が行われる主な場所として下記の3種類があります。
医療機関では、
介護施設では、
自宅では、
概要は、心身の状態の変化に応じて、本人の意思は変化しうるので、医療・ケアの方針や
本人や家族が求める生き方や死生観を共有し、日頃からチーム内で話し合うこと。
本人が意思を伝えられなくなる前に、家族をはじめ本人の意思を確認できる信頼できる人は
誰なのかをあらかじめ定めておくこと。
繰り返し話し合った内容をその都度文書にまとめておくこと。
また、その文書を本人、家族等と医療・ケアチームで共有すること。
グリーフ(grief)とは、深い悲しみを意味する言葉で、グリーフケア(grief care)とは、
身近な人との死別を経験し、悲しみを抱えた人を、立ち直れるように支援することです。
看取りの際には、死別という現実に対して、家族の不安や苦痛を取り除くケアが必要になります。
大切な家族の喪失は、大きな痛みを伴います。
その死をありのままに受け入れて、残された家族が希望を持てるよう支援し、
遺族に寄り添う姿勢が大切です。
看取りケアは、余命宣告を受けている方に、人としての尊厳を維持しながら、
本人らしい平穏な最期を受け容れられるよう支援するケアです。
看取りに適した介護は人によって違うため、終末期に入った方がどのような最期を受け容れたいか、
本人や家族の希望に寄り添い看取りへの理解を深めて、適した環境やサポートを選びましょう。