介護と看護の違いとは|資格や職種・仕事内容の違いを詳しく紹介

2024.08.08

介護スタッフと看護スタッフは働くところを共にすることも多い職種です。
同じ場所で働くスタッフであっても、目線や立場が違うことで意見が食い違ってしまうことも
あるのではないでしょうか?

そこで、この記事では介護と看護の違いについて記事にすることで、
お互いの仕事の範囲や役割の違いを理解し、職場での連携が取りやすくなるよう、
介護と看護の違いについて詳しく紹介していきます!

介護と看護の役割の違い

介護も看護も高齢者や障害を持つ方の日常生活のサポートを行うという点は共通しています。
しかし、現場で求められる役割は同じではありません。

ここからは、まずは介護と看護の役割の違いについて整理して紹介していきます。

 介護の役割

介護の役割は「身体介護や生活援助を通して、利用者の自立支援を行うこと」です。

身体介護とは、利用者に直接触れて行うサポートで、「入浴・食事・排泄」の介護などが
代表的な身体介護として上げられます。

一方、生活援助とは「調理・掃除・買い物」などの、身体に触れることなく行うサポートのこと
を指します。
また、利用者やその家族の悩みごとや相談を聞いて、「適切なアドバイスをすること」
も介護の大切な役割のひとつ
と言えるでしょう。

 看護の役割

看護の役割は「病人やケガ人の状態を観察し、最適な健康状態まで回復できるよう
医療的なサポートをすること」です。

ケガや病気の人や、高齢者などを対象に医療的な知識と技術を駆使してサポートを行います。
病気の予防法を指導したり、自立に向けた指導をしたり、患者や家族の相談にのり、
心のケアをしたりすることも看護の役割に含まれます。

介護は資格のない人でも、その役割の一部を担うことができますが、看護の場合は
看護師や保健師などの医療の専門資格を持った人が、サービスを提供します。

介護と看護の資格の違い

介護と看護には、取得する資格にも違いがあります。
資格の内容によっては、給与面に直接反映されるものもあったり、仕事の幅が
広くなる資格もあり、働き手として資格について理解することは大切なことと言えるでしょう。

ここからは、介護と看護の資格の違いについて紹介していきます。

 介護に関する主な資格

介護に関する主な資格には以下のようなものがあります。

  • 介護職員初任者研修
  • 実務者研修
  • 介護福祉士

介護職員初任者研修と実務者研修は「民間資格」で、介護福祉士は「国家資格」となっています。

介護職員初任者研修と実務者研修は「無資格・未経験でも取得できます」が、
介護福祉士は「3年以上の実務経験や試験合格」が求められます。
介護福祉士の平均合格率は60%〜70%と国家資格の中でも高い合格率で、試験勉強を
しっかりとすれば合格を目指せる資格といえるでしょう。

 看護に関する主な資格

看護師はそもそもが「医療分野の国家資格」を取得したものができる仕事です。
看護師の資格を取得するには以下のような条件があります。

  • 文部科学大臣の指定校に通い必要科目を修了すること。
  • 都道府県知事が指定する養成所を卒業し、准看護師を取得して3年以上業務を行う。
  • 指定校や養成所で2年以上修業すること。

介護は「無資格でもその職に携わることができます」が、看護は「看護師の資格が必ず必要」
なので、これも介護と看護の大きな違いのひとつと言えます。
なお、看護師国家資格の合格率は約90%となっています。

試験では看護師として活躍できる知識が十分かを問われるため、実習や学習のひとつひとつを
理解していけば、合格を目指せるでしょう。

介護と看護の職種の違い

介護は「福祉職(サービス業)」であり、看護は「医療職」です。
同じ病院や施設で介護と看護がともに仕事をすることもありますが、職種としては
上記のように違ってきます。

ここからは、介護と看護の職種の違い、働くことができる場所の違いについても紹介していきます。

 介護の職種

介護の職種は「介護職や福祉職」となります。職種を選択したり記入する場合は
「サービス業」に該当します。

介護職の主な、就業場所は「介護施設や訪問介護事業所」「病院の病棟」などがあげられます。
病院の病棟や介護施設であれば、看護スタッフとも一緒に働くことが多くなります。
基本的な業務や役割は違うとしても、同じ職場のチームとして連携して仕事をすることも
多くなります。

また、介護の中でも介護支援専門員(ケアマネージャー)などの資格を取得すれば、
居宅介護支援事業所などで働くことも可能になり、仕事の幅も広がっていきます。

 看護の職種

看護の職種は「医療職」です。職種を選択したり記入する場合は「医療職」に該当しますが、
そのまま看護師と記入してもよいでしょう。

看護職の主な就業場所は「病院やクリニック」「訪問看護ステーション」などがあります。
また、「特別養護老人ホームやデイサービス」など、介護現場で働くこともあります。

こちらも、介護職と働く場所が同じになることも多く、役割や仕事の内容は違えどチームとして
連携して仕事をすることも多くなります。

介護と看護の仕事内容の違い

介護と看護の職種について紹介した通り、介護と看護の仕事は「介護施設、病院、利用者の自宅」
などでサービスを提供します。

働く場所が同じであれば、仕事の内容はどう違うのでしょうか?
また、仕事内容などが重なることもあるのでしょうか?

ここからは、介護と看護の仕事内容の違いについて紹介していきます!

 介護の仕事内容

介護の仕事は、高齢者や障害のある方を中心に、安全安心に日常生活が送られるよう
サポートするのが仕事です。

食事、排泄、入浴の介護をする「身体介護」や掃除、洗濯、調理などの「生活援助」が主な仕事です。

介護スタッフは利用者ひとりひとりの「心身状態を把握」し、自立支援や健康状態の回復を
目指してサポートをします。
利用者の目線を第一に考え、ニーズに沿ったサポートが求められます。

勤務形態は事業所によって様々で、特別養護老人ホームなどであれば早朝や夜間にも
働くこともありえます。

 看護の仕事内容

看護の仕事は「ケガや病気の治療や予防、療養などをサポート」することです。
具体的には、療養生活におけるサポートや点滴、服薬管理、外傷などの処置、
診察の補助などに対応します。
また、治療に関する相談業務も行います。

介護現場でも働く看護師も多くいます。
医療行為に携われるのが看護の大きな特徴といえます。
病院やクリニックの他に、介護施設の介護職員として働くことも多く、早朝から夜間に
働くことが多いこともあります。

まとめ

この記事では、介護と看護の違いについて紹介しました。

取得する資格に違いがあったり、職種や仕事内容についても違いが多くありました。
しかし、どちらも利用者が日常生活を送るために適切なサポートを提供するという共通の
目的があります。

介護士と看護師が連携するには、お互いのこういった仕事の特徴の違いを理解した上で
働くことが大切です。
お互いの仕事の範囲や内容についてしっかりと把握し、連携をとりより
良い介護や看護を提供していきましょう!

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