以前は、血圧を測定するには専門的な知識や技術が必要であり、
一般の人々が日常的に測定することが困難でした。しかし、現在は電子式の血圧計が普及し、
手頃な価格で購入できたり、大型ショッピングセンターなどでも簡単に血圧を測定
できるようになりました。
血圧は生活習慣病の早期発見や自身の体調管理の重要な指標となっており、
日常的に測定することが推奨されています。
年齢を重ねるにつれて、血圧は自然と高くなりやすくなります。
そのため、若いうちから適切な注意を払うことが必要です。
そこで、今回は20代の方々が血圧について理解するために、詳細に説明したいと思います。
目次
血圧とは、心臓から血液を全身に送り出す際に血液にかかる圧力のことです。
心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力のことを「収縮期血圧」といい、
一般的に言われる「上の血圧」のことを指します。
逆に心臓が拡張子血液を受け入れる時の圧力を「拡張期血圧」といい、
一般的に言われる「下の血圧」のことを指します。
血圧は、心臓の働きや血管の状態、血液の量などによって変動し、健康状態を把握する
ために重要な役割を果たす指標なのです。
一般的に、血圧の正常値は120/80mmHg未満です。
ただし、年齢や性別、さらに測定環境などによって個人差があります。
そのため測定場所が病院と家庭とで基準値が異なります。
高血圧とは、安静時の血圧が日常的に正常値を超えている状態です。
高血圧の基準としては、家庭で測定した場合は135/85mmHg以上、
病院で測定した場合は140/90mmHg以上の場合は高血圧と診断されます。
高血圧は自覚症状がでにくいですが、放置すると脳卒中、心疾患、動脈硬化などの命に関わる
ような病気になるリスクを高めてしまいます。
そのため血圧が基準値を超えている場合は、早めに主治医に相談するか、
主治医がいない場合は早めに病院受診して相談しましょう。
低血圧とは、血圧が正常値よりも低い状態です。
低血圧は、高血圧ほど明確な基準値はありません。
一般的には「収縮期血圧」である上の血圧が100mmHg未満を低血圧と呼ぶ場合が多くあります。
低血圧の特徴としては、めまいや立ちくらみ、倦怠感などの症状が見られることがあります。
しかし、自覚症状も出ない場合も多くある為、低血圧で特徴的な症状が出現したり、
その他に気になることがある際には、早めに受診して医師に相談しましょう。
血圧は健康状態を診るのに重要な指標の一つです。
20代などの若い世代では、あまり高くならない傾向にあります。しかし、歳をとるにつれて
血圧は上がりやすいため、今は規定値内でも将来的に高血圧等になるリスクが高まっていきます。
そのため若いうちから自分自身の血圧の動向や状態を知っておくことが重要です。
それではこれから男女別の血圧の平均値について説明していきます。
20代男性の血圧の平均値は、収取期血圧である上の血圧が115.3mmHg、
拡張期の血圧である下の血圧が67.7mmHgです。
他の年齢層に比べても低い数値になっていますが、測定環境でも変化するため
目安として見ましょう。
年齢層的には比較的低い傾向にある20代をはじめとする若い世代でも、食生活の乱れや運動不足、
ストレスなどの要因により、高血圧になることもあります。
そのため通常時の血圧を把握したうえで、定期的に血圧を測定して確認することも重要です。
20代女性の血圧の平均値は、収縮期血圧である上の血圧が105.7mmHg、
拡張期血圧である下の血圧が63.8mmHgです。
男性と比較すると女性の方が平均血圧は低い傾向にあります。
一般的には女性ホルモンの影響や体格差などが影響していると考えられていますが、
男性の場合と同様に食生活やストレスなどの理由で、高血圧になる可能性はあります。
そのため高めの方は日ごろからの血圧測定とともに、バランスのとれた食生活と適度な運動を
心がけましょう。
20代で血圧が上がる原因としては、主に次の3つがあります。
20代で血圧が下がる原因においても、上がる原因である生活習慣によるもの、
遺伝に起因するもの、基礎疾患によるものの3つです。
ただし、内容が異なるので注意してみてください。
低血圧はめまいや立ちくらみなど日常生活に障害をきたす場合があります。
そして高血圧になると、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患、心筋梗塞や心不全などの心疾患など、
命にも関わる病気のリスクが高まるため特に注意が必要です。
ここからはそのリスクを避けるためのポイントをご紹介します。
高血圧、低血圧で共通のポイント、別々のポイントがあるため、それぞれ説明して
いきたいと思います。
適度な運動の効果は、血圧を下げるだけでなく、ストレス軽減や体重管理にも
プラスに働くなどの相乗効果を生みます。
ウォーキング、ジョギング、水泳など、中程度の有酸素運動を1回20分以上で
週3~5回行うのが効果的とされています。
一度に激しい運動を行ったり長時間行うよりも、継続的に行うことが重要です。
そのため1回の運動時間を長くとったり、激しい運動をしたりと無理をする
のではなく、まずは10分以上から始めたりと自分のペースで継続できるレベルから行いましょう。
飲酒は、高い血圧の方は血圧を上昇させたり、低血圧の方は血圧を下降させたりします。
さらに大量の飲酒は急激に血圧を上昇あるいは下降し、危険な状態になる可能性があります。
また毎日の晩酌は血圧を上昇あるいは下降させたりと悪化させるため、飲酒量に気を配り
休肝日を設けるようにしましょう。
喫煙に関しては、血圧を上昇させるため、低血圧の方には血圧を悪化させるようなことはありません。しかし、肺機能や血管にダメージを与え動脈硬化を促進するため、禁煙あるいはなるべく
本数を減らしましょう。
睡眠不足やストレスは、自律神経のバランスを崩しやすくなります。
自律神経は呼吸、心拍、消化、体温調節などの機能を持っており、血圧にも大きな
影響を及ぼします。
自律神経が乱、高血圧や低血圧を引き起こす原因となるので注意が必要です。
睡眠は毎晩7時間を目安とし、質も大切であることを意識しておきましょう。
また、ストレスに関しては、人によって解消法が異なるため、溜めないことを意識しつつ、
ストレス解消法も見つけておきましょう。
20代の方はほかの年齢層に比べて、血圧が低く高血圧のリスクは低い状態ではありますが、
歳をとるにつれて徐々に上がりやすい体質へと変化していきます。
また、血圧を正常値に保つような生活は、他の生活習慣病予防にも効果があり、
健康的な日常をより長く継続することができます。
そのため、健康診断の時以外にも定期的に血圧を測り、血圧を意識した生活により
健康的な生活を送りましょう。