介護事務の資格は独学で取得できる?注意点やメリット・デメリットも解説!

2024.08.08

介護事務の仕事は、資格を取得していなくても業務を行うことができます。
しかし、資格を取得しておくことで給与面などで優遇されることもあるでしょう。

そこで資格を取得しようと考えたとき、独学での学習を検討する人もいます。
そこで今回は介護事務の資格から独学でのメリットデメリットなどについて紹介していきます。
この記事を参考に、ぜひ独学で資格取得を目指しましょう。

介護事務の仕事内容とは

介護事務は、主に4つの仕事を行っています。

  1. 来客の対応や電話応対などの窓口業務。
    主に対応するのは業者から医療従事者まで様々であり、問い合わせの内容によって
    自身で対処したり担当者につないだりと、臨機応変さが求められます。
  2. 職員のシフト管理。
    シフト管理を行い給与計算などを行いますが、それ以外にも各種保険などの
    手続きと多岐にわたります。
  3. 備品管理や発注。
    施設で使用する備品の管理を怠ると、職員だけでなく利用者にも迷惑がかかるため
    しっかりと管理を行いましょう。
  4. 介護報酬請求業務。
    介護報酬請求業務が最も重要な仕事であり、介護給付費明細書・請求書などの
    作成・点検・提出が主な役割です。
    事業所や施設の利益に関わる重要な仕事のため、介護報酬請求業務は欠かすことができません。

介護事務の資格は独学でも取得可能?受験資格と概要を紹介

介護事務の資格は民間資格が多く、受験資格も特に決まっていないものがほとんどです。
そのためスクールに通わなくても、独学での取得が可能です。
そこでここでは、介護事務の主な資格の概要などをみていきましょう。

 ケアクラーク

ケアクラークは介護事務の民間資格の一つで、主催は一般財団法人日本医療教育財団です。
取得することでケアクラークとして名乗ることができ、介護事務業務として必要な
社会福祉制度への理解や介護報酬請求業務などに関する知識や技能を有していることの
証明になります。

試験は年3回行われ、受験資格もないことから誰でも受験可能。
学科では介護事務に関する一般的な知識を有しているかが問われ、実技では
居宅介護サービス介護給付費明細書・施設サービス等介護給付費明細書の作成を行います。

学科と実技、ともに70%以上の得点で合格となります。

 介護事務管理士

介護事務管理士技能検定試験では、請求事務業務とケアマネージャーのサポート業務を
行う技能を有しているかを求められます。
受験資格も特に制限されていないため、だれでも試験受験可能な民間資格です。

学科ではマークシート方式の問題が10問出題されます。
出題されるのは、介護保険と介護報酬請求に関する共通問題と選択問題です。
実技ではレセプト点検問題が出題されます。居宅サービス2問、施設サービス2問、
地域密着型サービス2問の中から2問を選択して解答します。

合格基準は学科、実技ともに60%以上の得点かつ全問題の得点合計が80%以上です。
合格率は70%前後といわれています。

 介護事務実務士

介護事務実務士は民間資格の一つで、特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会
(MEDIN)が主催しています。

この資格を取得することで、医療福祉やメンタルケアに関する知識やスキルを有している
証明になります。

介護事務実務士を取得するには、2つの方法があります。

  1. MEDIN主催の介護情報実務能力認定試験に合格。
  2. MEDINの教育指定校の講義を修了することです。
    試験は学科と実技があり、学科は介護保険法やその他関連法規、介護保険制度、
    介護報酬請求の3分野から出題され、実技では介護給付費明細書の作成を行います。

    合格基準は受験者偏差値55以上か、全体の8割以上の得点を得ることです。

 介護事務認定実務者(R)

介護事務認定実務者は、学科と実技を通して介護保険制度や介護給付にまつわる知識、
介護報酬算定に関する知識や作成方法などの実務的なスキルが証明できます。

試験は毎月実施され、受験資格は特にないため誰でも受験可能。
試験はマークシート方式を採用しており、学科問題が20問、実技問題が2問という
出題傾向にあります。

合格率は60~80%といわれており、勉強さえきちんとしていれば取得可能な資格の一つです。

 介護報酬請求事務技能検定

介護報酬請求事務技能検定は、民間資格の一つで、日本医療事務協会が主催。
この資格を取得することで、介護事業所での報酬請求事務業務に必要な知識とスキルを
身につけていることの証明になります。

介護報酬請求事務技能検定はほかの介護事務の資格と異なり受験資格を定めています。

  • 日本医療事務協会が認定している介護事務講座を修了した人
  • 受験申請のあった高校・専門学校・短期大学・大学など
  • 受験申請のあった一般受験申込者
    試験は偶数月に開催されており、学科は介護保険制度の仕組みなど8分野から、
    実技では居宅サービスと施設サービスそれぞれにおける介護給付費明細書の作成を行います。

    問題の総得点の70%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数以上を取得する
    ことで合格できます。

介護事務の資格を独学で取得するメリット・デメリット

介護事務の資格を独学で取得しようと考えたとき、メリットとデメリットは何かが
気になることでしょう。

ここでは主な独学でのメリットとデメリットについてみていきましょう。

 メリット

独学での主なメリットは2つ。

  1. 費用が安い点です。
    スクールに通う場合は約5~8万円程度かかるうえに、通学のための交通費などもかかります。
    通信講座は3~5万円程度とスクールより安くなりますが、それでも痛い出費になります。
    しかし、独学を選択した場合は教材費など数千円で済むため、経済的な事を考えたら
    独学が安いです。
  2. 自分のペースで進められることです。
    スクールや通信講座では決められた課題などをこなさないといけないため、
    なかなか自分のペースで学習を進めることができません。
    ところが独学なら、自分のペースで進めることができるため気軽に学習ができます。
    課題などに追われたくない人は、独学がおすすめです。

 デメリット

独学のデメリットも主に2つあります。

  1. テキスト選びです。
    テキストは種類も多く、どれを選べばよいか分からなくなります。
    さらに介護保険制度は随時改正が行われるため、最新の情報を扱っているテキストを
    選ばなくてはいけません。
    そのためテキストを選ぶ際は事前に情報収集をし、自分に合ったテキストを選べるように
    準備することが大切です。
  2. モチベーションの維持です。
    独学では自分でテキストを選び、学習スケジュールを立てる必要があります。
    また、スクールに通うのと異なり、講師もいなければ支えあえる仲間に出会えるわけでも
    ありません。

    一度くじけてしまうと、そこから自力で立ちなおらなければいけません。
    モチベーションをいかに維持するかが、独学での課題となります。

介護事務の資格を独学で目指す際の注意点は?

介護事務の資格を独学で目指すには、テキスト選びなどいくつかの注意点があります。
ここでは特に注意すべき点を3つ紹介していきます。

 最新の介護保険制度が掲載されているテキストを選ぶ

テキストの数は多く、どのテキストを選択すればよいのか悩むことが多いです。
特に介護保険制度は定期的に法改正が行われるため、最新の情報が記載されているものを
選ばなくていけません。
法改正は3年ごとに行われるため、最新の情報が記載されているものでなくては、勉強になりません。

そのため、特に中古の教科書を購入する際は、いつ作成されたものなのかを確認する必要があります。
これは中古で購入するしない関係なく確認しなくてはいけない点です。
テキストは最新の情報が記載されているものでないと、意味がありません。

テキストを購入する際は、最新の法改正はいつ行われたのか、テキストは最新の情報かを
確認してから購入しましょう。

 自分の受験する資格に合ったテキストを選ぶ

介護事務にはケアクラークなど、様々な資格があります。
それぞれの資格でテキストが異なることから、自身が受験するテキストを選ばなくては
意味がありません。
特に介護事務と一口に言っても、その資格は多く、受験資格によって押さえておきたい
ポイントも異なります。

そのため度の資格に対応しているテキストなのかは、しっかりと確認しておく必要があります。
テキスト選びを間違えたことで合格できないのでは意味がありません。
自身の受験する資格をしっかりと把握し、テキストを選びましょう。

 ゆとりのあるスケジュールを組む

独学の際はハードスケジュールではなく、ゆとりのある勉強スケジュールを組むようにしましょう。
独学では支えてくれる仲間などはいません。
そのため、モチベーションの維持ができなくては、勉強を進めることなどできません。

勉強のスケジュールをハードなものにすると、勉強に追われてしまい、
最悪の場合資格の勉強に嫌気がさしてしまうことがあります。
そんな状況にならないためにも、ゆとりあるスケジュールを組み、
無理のない学習をしていきましょう。

まとめ

介護事務の資格の勉強は、独学でも可能です。

介護事務と一口に言っても、その資格は多いため自分が受験したい資格は何なのかを
明確にしておきましょう。
独学ではモチベーションの維持が重要となります。
資格の勉強への熱意を維持し、受験することが大切です。

自身の取得したい資格を明確にし、受験対策を練って、資格取得を目指しましょう。

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