介護で役立つ!大人のオムツ交換の手順とポイントを紹介!

2024.09.18

負担の大きい介護ケアのひとつにオムツ交換があります。
大人のオムツ交換をはじめて経験する方も多く、どのように対応すれば良いか悩む方もいるでしょう。

オムツ交換される利用者の羞恥心や自尊心に配慮して、お互いに、なるべく精神的負担が
少なくなるように短時間でのオムツ交換が理想的です。

大人のオムツ交換の手順とポイントを詳しく紹介しましょう!

オムツを交換する前に準備することは?

介護者と利用者の手間や時間などの負担を減らすため、オムツ交換の際には、事前にきちんと
準備をする事が大切です。

  • 必要な物の準備
  • ニオイ対策
  • 環境を整える

上記について詳しく解説していきましょう。

 必要な物の準備

オムツ交換には以下の物品が必要です。

  1. オムツ(テープタイプ)
  2. 尿取りパッド
  3. 使い捨て手袋(衛生面)
  4. 使い捨てエプロン(衛生面)
  5. マスク(衛生面)
  6. ケアシーツ(ベッドのシーツ汚れ防止)
  7. ビニール袋(使用後のオムツや、交換した手袋を入れる)
  8. おしりふき(排泄物を取り除く)
  9. 陰部洗浄用ボトルとお湯(陰部洗浄用のお湯38~40度をボトルに入れて事前に準備)
  10. 陰部洗浄に使う石鹸(肌に優しい成分の石鹸)
  11. 陰部清拭用タオル

 ニオイ対策・環境を整える

オムツ交換する際は事前に環境を整えましょう。
・カーテンやドアを閉めます

オムツ交換時は利用者の羞恥心に配慮し、必ずカーテンやドアを閉めましょう。
・ベッドの高さを調整します

介護者がオムツ交換しやすい高さに調整し、腰などの負担を減らしましょう。
短時間でオムツ交換でき、利用者の負担軽減につながります。
・ゴミ袋を広げておきます

交換した使用後のオムツや汚れた手袋をすぐに捨てられるように広げて入れやすくしておきましょう。

大人のオムツ交換の手順を紹介

オムツ交換の時はまず必要な物品を手元に準備し、手袋・マスク・エプロンをつけたら、
オムツ交換を始める前に必ず声掛けをしましょう。
以下のような手順やポイントについて解説します。

  • オムツを外す
  • 陰部を洗浄・清拭
  • 新しいオムツを取り付ける

 オムツを外す

プライバシーや羞恥心に配慮し、オムツ交換の際はカーテンや扉を必ず閉めてください。
オムツ交換の前には羞恥心に配慮した声かけをしてからはじめましょう。
使用後のオムツを外す際にズボンはすべて脱がさず、膝下までおろしてから使用後のオムツを
外します。
テープを外し、オムツの前側を開いて陰部洗浄をおこないます。

陰部洗浄では、「おしもをきれいにさせてもらってもいいですか」などの声かけをした後で
ケアを行いましょう。

 陰部を洗浄・清拭

使用後のオムツを外したら、陰部の洗浄と清拭をします。
陰部洗浄前に、皮膚トラブルの有無や、尿や便の状態を観察します。
陰部洗浄は基本的には1日1回で、洗いすぎは、肌トラブルの原因になります。

陰部洗浄の際、ボトルは陰部に近付けすぎず、ぬるま湯をかけ、石鹸は泡立ててから陰部洗浄します。
感染防止のため尿道から肛門方向へ優しく洗い、流し終わったら水分をおしりふきで優しく拭きます。
陰部洗浄しない時は温かいタオルで清拭を行いましょう。

 新しいオムツを取り付ける

陰部洗浄と清拭が終わったら新しいオムツを付けます。
使用後のオムツは丸めておき、利用者の体を横向きの姿勢にしてから新しいオムツをお尻に
合わせて付け、使用後のオムツをよけて、姿勢を戻します。

オムツは引っ張らず前側を鼠径部に合わせて、優しく押さえ、オムツの上端がおへその上にくる
くらいを目安にします。
テープは平行ではなく、クロスさせるように貼ることで下へずれにくくなります。
指1本入る程度を目安にしましょう。

オムツ交換で注意するべきポイントを紹介

下記のようなオムツ交換で注意するべきポイントを解説します。

  • 声掛けをしながら交換する
  • 利用者の身体にフィットするオムツを用意する
  • 身体とオムツの中心線をあわせる
  • 利用者の排泄量や皮膚を観察する

 声掛けをしながら交換する

オムツ交換で注意するべきことは、羞恥心に配慮した声掛けをすることです。
オムツ交換は恥ずかしいと感じる方も多く、自尊心を傷つける可能性があります。
オムツ交換時は必ずカーテンや扉を閉め、プライバシーに配慮しましょう。
陰部洗浄や清拭を行う際には言葉を選び尊厳を傷つけないように気をつけましょう。

また、陰部洗浄や清拭が終わり新しいオムツをセットする準備中には、毛布などをかけておき、
肌が隠れるようにしましょう。

 利用者の身体にフィットするオムツを用意する

適切なサイズのオムツを選ぶ事は、オムツ交換する際の注意ポイントです。
サイズの合わないオムツは不快感や漏れに結びつきます。
テープタイプのオムツはお尻の1番広い幅で測ったサイズで合わせましょう。

市販のオムツにはお尻の寸法が記載されているので、実寸と合ったサイズのオムツを使用しましょう。
オムツを付けた時にぴったりでも皮膚トラブルの原因になる可能性がありますので、
指が1本入る程度を目安にテープで調整しましょう。

 身体とオムツの中心線をあわせる

身体の中心とオムツの中心を合わせることも、注意ポイントです。
オムツのつけ方はオムツの中心と身体の中心を合わせ、股ぐりに沿わせて広げます。
オムツの上の端がおへその上にあたるくらいか、オムツに指1本入るか、オムツの中心と身体の中心が
合っているかを確認します。

中心が合っていても、ゆるかったり、きつすぎると不快感や漏れの原因となるため注意が必要です。
テープをクロスさせるように貼って中心をキープしましょう。

 利用者の排泄量や皮膚を観察する

オムツ交換時の排泄物や皮膚の観察は注意するべき重要なポイントです。
排泄物の観察項目として、排泄物の量や性状、排尿時痛、肛門痛などの有無を観察します。
また、尿量測定や畜尿、検体採取が必要な場合もあるので確認します。

皮膚を観察すると、オムツ着用による、オムツかぶれが見られる事があります。
オムツがあたる部分や、尿・便が触れていた部分にヒリヒリ感やかゆみを伴う赤み、
ブツブツ・ただれなどの症状が出ます。

まとめ

オムツ交換に必要な物品の紹介から、詳しい手順や注意ポイントを詳しく解説しました。

オムツ交換は適切なサイズのオムツを選び、羞恥心に配慮し、ポイントを押さえた手順で
オムツ交換をすることで介護者も利用者も心身の負担が軽減されます。

介護のオムツ交換をイラストでわかりやすく解説されているものなどを参考にして、
オムツ交換の負担を軽くしましょう。

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