介護保険の認定調査とは|申請の流れや有効期間も詳しく紹介

2024.09.18

介護保険のサービスを受けるためにまず介護認定を受ける必要があります。
その介護認定を受けるために、欠かせないのが認定調査です。

高齢者や障害を持っている方が、日常生活においてどの程度のサポートが必要かを判断し、
適切なサービスを受けられるようにするためのものです。
これからその認定調査について、説明していきたいと思います。

介護保険の認定調査とは?

認定調査は、高齢者や障害者が介護サービスを受ける資格を判定する手続きです。
申請後に、専門知識を有する調査員が状況を調査し、必要に応じて自宅訪問や医師の
診断書を求めます。

認定結果は約1ヵ月ほどで通知され、介護保険の認定証にはサービス内容や利用機関などが
記載されます。
有効期間は基本的には1年間です。

 要介護認定の概要

要介護認定とは、高齢者や障害者の方が、介護穂保険サービスを受けるために必要な制度のことです。

この認定では、申請者の心身の状態や生活環境を調査し、評価することでどれだけ介護が
必要かを判断するものです。

申請は市区町村で行います。
申請書の提出、主治医意見書の提出、訪問調査、判定、結果の通知を受けて該当か
非該当が決まります。
該当であれば要支援1から要介護度5までの7段階のうちどれかになり、
その段階により利用できるサービスの種類や、自己負担の金額が決定するのです。

要介護認定の手続きの流れは?

  1. 申請
    必要書類を該当窓口に持参するか、郵送にて申請を行う。
  2. 主治医意見書
    市区町村から依頼された主治医が、心身の状態について意見書を作成。
  3. 訪問調査
    市区町村の職員および委託された訪問調査員が自宅を訪問し、必要項目に対しての調査を行う。
  4. 一次判定・二次判定
    コンピュータによる一次審査と、審査会による二次判定の、二段階の審査。
  5. 結果の通知
    審査結果が郵送にて通知される。

上記が要介護認定までの流れとなります。
一つ一つを次の項目で詳しく見ていきたいと思います。

 申請に必要な書類の準備

要介護認定には次の資料が必要となります。
必須書類

  • 介護保険認定申請書
  • 健康保険証(65歳以上の方は介護保険被保険者証も必要)
  • 身分証明書(マイナンバー等)

    人によって必要となる書類
    ・第2号被保険者…特定疾病コード記載の診断書
    ・代理申請書…代理申請書、代理人の身分証明書
    人によっては追加で必要となる書類もあるため、提出先になる窓口や担当のケアマネージャー、
    近くの包括支援センターに相談や確認をしてから申請するのが良いでしょう。

 主治医意見書

主治医意見書は、介護保険サービスを利用する際に必要不可欠なもので、
要介護を判定する際などに使用されます。一般的には申請者のかかりつけ医が作成します。
かかりつけ医がいない場合は、市区町村に相談しましょう。

意見書には病状や身体状態、それに伴う介護の必要性などが記載されており、
医師が介護の必要性を医療的側面から客観的に評価したものです。
そのため、認定調査において適切な介護サービスを受けられるようにするための資料として、
極めて重要な役割を果たします。

 訪問調査

訪問調査とは、市区町村から認定調査員が申請者の自宅を訪問し、心身の状態や、
日常の状況を調査票に基づき調査するものです。
この調査票は各市区町村のホームページ等でダウンロードすることができます。

この訪問調査は調査員がコツに頼ることなく、全員が同一の調査ができるように、
厚生労働省によりマニュアル化されています。
また、この調査を担当する調査員は下記のいずれかの条件を満たした人となります。

  1. ケアマネージャー
  2. 看護師や介護福祉士などの指定された資格のいずれかを取得してから5年以上経過している者
  3. 認定調査に1年以上従事した者

 一次判定・二次判定

介護認定は一次判定と二次判定の二段階審査により、要支援1・2、要介護度1~5の計7段階
のうち該当するもの、あるいは非該当の判定を行います。

一次判定は訪問調査等の結果をコンピュータにかけることによって判定されます。
コンピュータによる判定のため、全国一律の客観的判定が可能です。

二次判定では一次判定の結果をもとに有識者などの専門家による介護認定審査会により
最終決定されます。
一次判定が必ずしも最終決定になるとは限りません。

 結果の通知

要介護認定の申請を行うと、申請日から通常30日以内に市区町村から通知が送られてきます。
通知には、“認定結果通知書”と”被保険者証“と2つの書類が同封されています。

認定結果には、「要支援1・2と要介護度1~5」、あるいは「非該当」のいずれかが
記載されており、この結果によって使用できるサービスの上限額等が変わってくるのでしっかりと
確認を行いましょう。

万が一、認定に納得がいかない場合には、審査の請求を行うことができます。
その際には市区町村の窓口で相談するとよいでしょう。

要介護認定に有効期間はある?

要介護認定は、初めて認定を受ける場合や区分の変更をした場合には、有効期間は通常6ヶ月です。
更新の場合には12ヶ月が基本的な有効期間となります。
ただし、実際の状況によっては有効期間を3ヶ月から48ヶ月の範囲内で短縮したり、
逆に延長したりすることもあります。

介護保険のサービスを受けるには、有効期限が切れると利用ができなくなったり、
全額で費用を負担したりしなければならなくなるので注意が必要です。
定期的に有効期限を確認しておきましょう。

 要介護認定の更新手続き方法

要介護認定の有効期限が近づいてくると、市区町村から更新手続きの案内が届きます。
更新手続きは、以下の書類が必要となります。
〇必要な書類

  • 要介護(要支援)認定更新申請書
  • 介護保険被保険者証
  • 本人確認書類
  • 健康保険証のコピー(40~64歳の第2号被保険者の場合)
  • 主治医の診察券など(主治医の情報がわかるもの)
    手続きの流れとしては、最初の申請と同様に以下の流れで行います。

    ① 申請書類の提出、②訪問調査員による調査、③主治医意見書の提出、
    ④一次判定・二次判定、⑤結果の通知

 心身状態の悪化による区分変更申請も可能

要介護認定を受けておりその有効認定期間中に病気やけがなどにより、
認定を受けている方の心身の状態が悪化した場合、今受けている要介護認定では日常生活の
サポートを補いきれない場合があります。

このように現在受けている要支援判定あるいは要介護判定が不適当となった場合には、
区分変更申請をすることが可能です。入院中でも申請は可能です。
新規の申請及び更新申請と同様に、申請を出したのちの訪問調査、審査、結果の通知となります。
状態が変化し、現在の要介護認定では十分なサービスを受けることができなくなった際には、
ケアマネージャーや包括支援センターなどに相談しましょう。

まとめ

これまで説明してきたように、認定調査とは市区町村が委託した専門の調査員等が、
申請者の健康状態や生活状況を詳しく調査することです。

この調査では、心身の状態や認知能力、日常生活の様子などの詳細な情報を聞き取りや
実際の観察により収集します。
この調査結果が要介護の判定の材料となるため、とても重要な情報となります。
適切なサービスを受けるためにも、調査員による調査の際には正確な情報や必要な情報を
きちんと伝えましょう。

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