介護の仕事に興味のある方や、はじめて介護の仕事をはじめた介護スタッフにとって、
介護とは何かをしっかりと知っておくことは大切なことです。
この記事では、「介護とは?」という基本をはじめ、看護との違いや介護の三原則などについて
詳しく解説をしていきます!
介護の仕事に興味がある方に向けて、介護の仕事にはどんなものがあるのか、
代表的な職種についてもご紹介します!
目次
介護とは、そもそもどんなことを意味するのでしょうか?
ここでは、介護の「言葉の定義や意味」について解説します。
また、介護と似た職種・言葉として、看護と介助という言葉があります。
介護と看護の違いや、介護と介助との違いについても解説していきます!
介護とは「高齢者や介護が必要な方の身の回りの世話や、自立を支援したりすること」です。
日常の生活を送ることが難しい方に対して、生活全般の支援を行い自立を支援していきます。
この支援は身体的なサポートだけでなく、精神面のサポートも含みます。
具体的には、歩行、排泄、入浴、食事などの日常生活に必要な動作をサポートすることなどを
指します。
また、精神的な問題に対する援助や、介護保険を活用した社会的サービスの利用なども含みます。
介護は「高齢者介護が必要な方の身の回りの世話や、自立を支援したりすること」という意味を
持つのに対して、看護は「手と目で観察し、状態が悪化しないように事前に予防しながら患者を
援助する」という意味があります。
介護との大きな違いは「医療行為に対応できる点」にあります。
処方箋を参考に注射薬や服薬の支援ができ、排泄時に人工肛門などを扱うことができます。
また、予防指導や家族の心理的なケアなども看護の重要な仕事に含まれます。
介助は「対象者のそばで動作を手助けすること」を指します。
介護スタッフが行う、食事介助、排泄介助、入浴介助といった日常生活の支援そのものを指します。
介護というと「介護が必要な方の身の回りの世話や、自立を支援したりすること」を意味し、
その中に日常生活の「介助」が含まれていると考えるとイメージがしやすいかも
しれません。
また、定義や意味としては上記のようにな意味合いですが、施設や法人によっては
「介護スタッフ」と「介助スタッフ」と職種が分けられている場合もあります。
この場合は、身体的な介護や精神的な支援など「直接的な介助を主に携わるのが介護スタッフ」で
「洗濯や掃除など間接的な介助を主に携わるのが介助スタッフ」とするなど、
働く場所によっては分けられている場合があります。
このように、施設や法人が行う業務などによってわけて使われている場合があるため、
介護の仕事に就職を考えている場合は確認しておくといいかもしれません。
ここまで、介護とは何か?という基本的なことを看護や介助とも比較しながら解説をしました。
ここからは、介護についてもっと深堀りをしながらさらに詳しく解説していきたいと思います!
みなさんは介護には「介護の三原則」というものがあるのをご存知でしょうか?
介護の仕事に興味がある方にとって、基本的かつ大切な介護士としての土台にもなる知識なので、
しっかりと理解していきましょう!
介護の三原則ひとつめは「自己決定の尊重」です。
自己決定の尊重とは、「介護が必要な方が、自分の暮らし方や生き方を自分で決められるように
支援し、その決定を尊重すること」をいいます。
介護を必要とする方の中には、加齢や病気、障害を理由に自分の意志をうまく人に伝えることが
できない場合も少なくありません。
介護士は、そんな方の生活歴や人生観を理解、尊重しその方であれば、どういったことを望み
どんな自己決定をするのか、またどういったことは望まないのか、までを考えた支援を検討し
実施し評価を繰り返していかなければなりません。
介護の三原則ふたつめは「生活の継続性」です。
介護が必要な方が、住み慣れた生活リズムや環境を突然変えることなく、できるだけそれまでの
生活を継続していけるようにサポートすることです。
人は、生活リズムや環境、身についた習慣などへの大きな変化に、身体的にも精神的にも
負担を感じる生き物です。
そのため、介護が必要になったからといって「介護する側の都合で、強制的に生活リズムや環境、
習慣を変えることがないように注意する」必要があります。
介護の三原則みっつめは「残存能力の活用」です。
残存能力とは、介護が必要になっても今はまだある能力のことで、現存機能とも呼ばれます。
これは、介護者のサポートはその人が必要な介護の最低限にとどめ、利用者や入居者の
今ある能力を活かすことを指しています。
利用者や入居者ができることまで介護者がしてしまうと本人の残存能力が失われていき、
自立生活へのモチベーションが低下してしまうおそれがあります。
介護者はできるだけ過度な介護は行わず、利用者や入居者が「できること」をしっかりサポート
していくことが大切です。
ここまで、介護とは何か、そして介護に必要な三原則について解説してきました。
ここからは、介護の仕事にはどんなものがあるのか、代表的な職種をいくつかピックアップして
ご紹介していきます!
介護の仕事に興味があり探している方は是非参考にしてみてください!
介護福祉士とは「社会福祉法および介護福祉法」に基づく国家資格で、介護の専門職です。
3年以上の実務経験や実務者研修の修了、または福祉系の学校を卒業するなどいくつかの条件と
受験ルートを経て、国家試験を合格することで名乗ることができます。
介護福祉士は、身体的または精神的障害があることで日常生活を送ることが困難な方に対して
心身の状況に合わせた介護や指導を行うことを生業としています。
介護福祉士は福祉系の資格で唯一の国家資格で、この資格を持っているということは確かな
介護の知識と技術を有している証明となりますので、
福祉系の施設や病院の介護現場への就職に有利に働く場合が多いでしょう!
ホームヘルパーとは、訪問介護事業所に所属し利用者のご自宅に訪問して介護サービスを
提供する職種です。
食事、排泄、入浴介助といった基本的な身体介護のほか、掃除や洗濯など家事のお手伝い、
病院への付き添いといった生活援助まで多岐にわたる仕事を行います。
昔のように家族の介護は家庭内で行うという時代に比べ、核家族化が進み家庭内での介護が
難しくなる中で、このホームヘルパーの役割はますます大きくなっていくことが
予想されています。
ケアマネージャーは介護支援専門員といい「利用者に適したサービスを提供するための
ケアプランの作成」や各市町村・自治体・サービス事業所との連絡や調整を
行う職種で、ケアマネージャーになるには資格が必要になってきます。
介護福祉士などの資格を有し実務経験を5年かつ900日以上をつみ介護支援専門員実務研修受講試験
というテストに合格後、実務研修を修了した後、ケアマネージャーとして、
働くことができます。
ケアマネージャーはサービスを受けたい人が必要な、保険・医療・福祉サービスを総合的に判断し、
適切なサービスが受けられるようにマネジメントをします。
介護が必要となり、どうすればいいか困ったときに相談する「介護の総合窓口」というイメージを
持つ方も多いでしょう。
難易度は高めの資格ですが、介護の業界で長く働くためには将来の目標として目指すのも
よいでしょう!
機能訓練指導員とは、利用者一人ひとりの心身の状態に合わせて機能訓練をおこない、
できる限り自分の力で身の回りのことができるよう支援していく役割を持ちます。
機能訓練指導員の仕事は、利用者の生活環境を確認したり、身体機能の評価から始まります。
利用者本人や家族の意向も伺いながら、どのような訓練が必要か判断し、
機能訓練計画書を作成します。
機能訓練はこの計画表に沿って行われます。この機能訓練計画書は3ヶ月毎に見直しを行うことに
なっており、3ヶ月ごとに経過や状態などを踏まえて機能訓練計画書を作成します。
機能訓練指導員ができる職種には条件があり、指導員を名乗ることができる職種は以下の7つと
なっています。
介護事務員とは、介護保険サービスを提供する介護施設や介護事業所で働く事務職の総称です。
介護保険や介護に関する事務業務のスペシャリストとして、現場の介護職員がスムーズに仕事が
できるように、幅広い業務を担当します。
主な業務には次のようなものがあります。
・介護報酬の請求事務(レセプト作成) ・受付業務 ・窓口対応 ・事務文書の作成
・利用者への請求書発行と利用料の徴収
・備品の購入手続き ・会計処理 ・修繕の手配 ・福祉事務所や医療機関との電話連絡
・職員の出退勤管理 ・職員の社会保険の手続き
介護事務員には、介護報酬や介護保険制度の知識やスキルが必要とされます。
資格はなくても働くことはできますが、就職転職する際には資格がある方が有利になるでしょう。
介護事務に役立つ資格には「介護事務管理士」や「介護報酬請求事務能力認定試験」
「ケアクラーク」などがあります。
この記事では、「介護とは?」という基本をはじめ、看護や介助との違い、
介護の三原則などについて詳しく解説をしました!
また、介護の仕事に興味がある方に向けて「介護の仕事にはどんなものがあるのか、代表的な職種」
も紹介しました!
介護の仕事は、直接的に介護をするスタッフも間接的に介護をするスタッフもやりがいのある
職種です。
超高齢化社会が訪れようとしている日本では、まだまだ需要のある職種の一つとも言えます。
今回の記事が、介護業界で働くスタッフのみなさまや、介護の仕事に興味がある方の
一助になると幸いです!