有料老人ホームとは?受けられるサービスや費用などをわかりやすく解説

2024.10.15

有料老人ホームとは、入居する高齢者に「食事の提供」「介護(入浴・排せつ・食事)の提供」
「洗濯・掃除などの家事の供与」「健康管理」のいずれかのサービス(複数も可)を提供している
施設と定義されています。

ニーズに合わせて適した施設を選ぶために、有料老人ホームの特徴や入居の条件、受けられる
サービスや費用などをわかりやすく解説しましょう。

有料老人ホームの3つの種類と特徴

有料老人ホームとは、高齢者が心身の健康を維持しながら生活できるように配慮された施設の
ことです。
有料老人ホームには下記の3種類があります。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 健康型有料老人ホーム

 介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームの特徴として、主に下記の3つがあります。

  • 入所対象者は「要介護者」である
  • 施設によっては費用やサービスの内容に違いがある
  • 看取りが可能な施設が多い

介護付き有料老人ホームは特定施設の指定を受けており、介護サービスを提供するための
介護・医療関連の設備がたくさんあります。
特定施設の指定を受けているため、毎月定額で介護保険サービスを利用でき、
月々の予算が立てやすく安心です。

 住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、施設ごとに設備などの状況に違いはありますが、食事の提供や
家事代行など、生活支援のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。
介護が必要な場合は、自宅と同様に、訪問介護や通所介護の外部サービスを利用でき、必要な
ケアを受けられます。
元気な入居者が多い施設では、カラオケルームや趣味、娯楽の場が整備されていたり、
高級な施設では、食堂やリビングがレストランのような作りになっている場合もあります。

 健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームとは、介護の必要がなく、自立した生活ができる高齢者のための施設です。
一人暮らしに不安を感じ始めている方や、他の入居者と楽しいシニアライフを送りたい方に適した
施設でアクティビティなどの設備が充実しています。
全国的に施設数は極めて少ない実状です。

食事の提供や家事代行などのサービスがついた高齢者向けの居住施設ですが、アクティブシニア向け
の施設のため、要介護状態となった場合は退去する必要があります。

有料老人ホームの入居条件

有料老人ホームの入居条件として、どの施設でも対象の入居時年齢は60歳または65歳以上に
設定されています。
介護付き有料老人ホームでは、「介護専用型」の施設の場合には、要介護1以上の認定を受けている
方が入居の条件となっています。
また、「入居時自立型」の施設もあり、その場合は要介護認定を受けていない方が入居可能に
なります。
「混合型」の施設ですと、自立・要支援・要介護のいずれの方でも入居が可能です。

有料老人ホームで受けられるサービス

どのようなサービスが提供されるかは施設によって違いがありますが、基本的なサービスとして
多くの施設で
提供されるのは以下のようになります。


・食事
・生活援助
・身体介護サービス
・看護サービス
・リハビリ・機能訓練

 食事

入居者に一日三食の食事が提供されるサービスです。
基本的に管理栄養士が献立を考えるため、栄養面でもバランスの取れた食生活を送ることができます。
健康状態に合わせて糖尿病食や塩分調整など、食事の変更依頼も基本的に可能です。
施設によっては、嚥下機能が衰えた人のために、噛む力・飲み込む力にも対応したソフト食や
刻み食への変更もできます。
また、イベントが行われる日に、特別な行事食が提供される施設もあります。

 生活援助

日常生活の援助となるサービスで、居室の清掃、衣類の洗濯、買い物代行、来訪者の受付・案内、
見守りなどがあります。
基本的に月額費用に含まれているサービスもありますが、必要に応じてオプションという形で
追加が可能な施設もあります。
コンシェルジュやフロントサービスがあれば、電話・郵便物・宅配便の取次や配車手配を行います。
見守りのサービスは、日中や夜間など、スタッフが入居者に急変などがないか定期的に巡回します。

 身体介護サービス

介護の内容は入居者の状態によって違いがありますが、介護サービスの提供体制は整っており、
入居者は主に下記のような手厚いケアを受けられます。

・食事・排せつの介助
・入浴や整容の介助
・ベッドから車椅子への移乗や移動時の介助
・外出・通院時の介助
・服薬の管理
・生活の見守り

「特定施設入居者生活介護」は、介護付き有料老人ホームで提供され、要介護認定の段階別に
介護費用の自己負担額が月額定額となります。

 看護サービス

施設に常駐する看護職員に認められている医療行為として

・インスリン注射・中心静脈栄養・経管栄養(胃ろうなど)
・痰(たん)の吸引・人工呼吸器の管理・床ずれ、褥瘡(じょくそう)への処置
・在宅酸素療法・ストーマ装具の貼り替え・導尿、バルーンカテーテルの管理

また、介護職員が行える医療行為としては日常生活におけるサポートが中心となっており
・体温測定・血圧測定・軟膏の塗布
・湿布の貼付・目薬の点眼

などがあります。

 リハビリ・機能訓練

老人ホームで行うリハビリは、「機能訓練」という方が正しい呼び名です。
病院でのリハビリは、医師の指示のもとに行われ、診療報酬に基づいた定められた時間や内容で、
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がリハビリのサービスを提供しています。

また、老人ホームで行われるリハビリは、ケアマネジャーが作成したケアプランをもとに、
機能訓練指導員が中心となり、介護スタッフや看護師など施設スタッフの全員で、日常生活を通して行っています。

有料老人ホームの費用

有料老人ホームは入居後に毎月負担していく費用があります。
月額利用料には、施設の居住費である家賃、管理費、食費、水道光熱費などを含みます。
下記の費用について詳しく解説しましょう。

  • 入居一時金
  • 月額費用料

 入居一時金

有料老人ホームの「入居一時金」は、入居者がその施設の設備・サービスを利用するための
「権利」を手に入れるための費用です。
「入居するとき」のタイミングで、まとめて支払う料金なので、「一時期に支払う料金」という
意味から、「入居一時金」と呼ばれる支払いの方法です。

入居一時金は家賃の前払い金という位置づけがあるため、入居時に支払っておけば、月額費用を
抑えられます。
そのため、最も大きなメリットになるでしょう。

 月額費用料

月額費用の内訳としては、施設の居住費である家賃、食費、管理費、光熱費などです。
家賃や光熱費は都心部や郊外など、立地する地域によって大きく差が出ます。
北海道や東北など寒さが厳しい地域では、光熱費が他の地域よりも高額になる傾向があります。
要介護認定を受けている場合は、別途で介護費用の支払いが必要になります。

また、通信費や消耗品費(おむつ代など)、嗜好品費、イベント参加費、医療費なども
利用に応じて発生します。

有料老人ホームのメリット・デメリットは?

高齢者と家族の双方が、適切な老人ホームを選ぶために、メリットとデメリットを理解しましょう。
下記について解説します。
・介護付き老人ホームのメリットとデメリット
・住宅型老人ホームのメリットとデメリット

 介護付き老人ホームのメリット・デメリット

  • メリット
    ・介護認定を受けていない高齢者から要介護の高齢者まで入居が可能
    ・「自立型」「介護専用型」「混合型」の3種類から状態や目的に合わせて選べる
    ・24時間の介護サービスが受けられ緊急時にも安心できる
    ・月額の費用が予定しやすい
    ・夫婦でも入居できる
  • デメリット
    ・初期費用が高めである
    ・自立した生活が出来る人には介護サービス費用が無駄になる
    ・制約の多い生活となる
    ・外部の介護サービスが利用できない

 住宅型老人ホームのメリット・デメリット

  • メリット
    ・自立した生活ができる高齢者から介護度の高い高齢者まで入居が出来る施設が豊富にある
    ・設備やサービスで幅広い施設のなかから選択できる
    ・介護が必要になっても、外部の介護サービスを受けられる
    ・イベント、レクリエーションが行われ変化に富んだ生活が可能
  • デメリット
    ・要介護状態が重度になると継続した入居が困難になる
    ・要介護度が高いと介護サービス費用が高額になる
    ・費用が比較的高めである

まとめ

有料老人ホームとは、どのような施設か、受けられるサービスや費用など、わかりやすく
解説しました。
有料老人ホームを検討するときに重要なのは、家族と入居する高齢者のメリット・デメリットを、
それぞれよく理解することです。

有料老人ホームの種類は多く、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ご自身と家族に適した有料老人ホーム探しを目指しましょう。

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