20代では気にならなかった健康診断の結果も30代にもなると、中には健康診断で”要注意”などと
書かれる人も出てくるのではないでしょうか。
健康診断の結果の中でも、血圧は健康の指標ともなる大事な要素です。
そこで、今回この記事では30代における血圧の平均値や正常に保つためのポイントについて
紹介していきたいと思います。
目次
そもそも血圧とは、心臓がポンプのように血液を体中に送り出すときに、血管の内側にかかる
圧力のことです。血液を体中に送り出すときに圧力が最も高くなりこれを収縮期血圧、
次に血液を送り出すために心臓が拡張している状態を拡張期血圧といいます。
それでは、血圧の正常値や基準値について詳しく見ていきたいと思います。
血圧の数値は、一般的には収縮期の血圧を最高血圧、拡張期の血圧を最低血圧といったほうが
なじみが深いでしょう。
ここからは最高血圧、最低血圧として紹介していきます。
血圧測定にあたり年齢や性別だけでなく、測定する環境も大きく影響する場合があります。
一般的な健康な成人の場合、最高血圧が120㎜Hg、最低血圧が80㎜Hg未満が正常値です。
自宅での測定値の場合には、最高血圧115㎜Hg、75㎜Hg未満を目安にしましょう。
血圧には低血圧と高血圧があります。高血圧ほどしっかりと定まっていないものの、
最高血圧が100㎜Hg未満の状態のことを低血圧の基準とされる場合が多いです。
一方で高血圧は、最高血圧140㎜Hg、最低血圧90㎜Hg以上のことを言います。
また自宅の場合は、最高血圧135㎜Hg、最低血圧85㎜Hg以上を基準としましょう。
先ほど紹介したように、個人差が大きく基準を上回っても症状がでなかったり、下回っていても
症状が出る場合もあるので、注意が必要です。
30代の血圧は、一般的には安定しやすい時期といわれています。
先ほども少し触れましたが、環境以外にも性別でも血圧は変わりやすい傾向にあります。
ここからは、男女の平均の違いや、妊娠中の女性の血圧について紹介していきたいと思います。
血圧は、男女で差が出やすい傾向にあります。
これは男性と女性とでは男性ホルモンの影響や、筋肉量による違いといわれています。
では、男女別の30代の血圧平均値を見てみましょう。
このことからも、男性の方が高血圧症になりやすいことがわかります。
女性は妊娠時、ホルモンバランスの変化や血液量の増加によって、血圧が不安定になる傾向に
あります。一時的に低血圧になったり、高血圧になったりすることがあります。
特に妊娠20週目以降に現れる”妊娠高血圧症候群”は、母体や胎児に悪影響を及ぼすこともあるため、
早め早めの受診と、適切な治療を受けることが非常に重要です。
早期発見のためにも、定期的な血圧測定を行い、主治医にも相談しながら妊娠期間も安心して
過ごせるようにしましょう。
高血圧や低血圧状態でも、症状が出ない場合もありますが、それぞれ特有の症状があります。
ここからは、高血圧と低血圧、それぞれの特有の症状について紹介していきたいと思います。
あくまで個人差があり、特異的な症状が出る場合もあるので注意してください。
高血圧症は、サイレントキラーと呼ばれることもあるほど、自覚症状が出ないまま進行してしまう
場合があります。
中には頭痛、めまい、動悸、肩こり、息切れ、耳鳴り、むくみなどの症状が出ることもあるので、
これらの症状が出た場合には注意しましょう。
ただし、これらの症状は、他の病気などの要因で出現する場合もあります。そのため、
自己判断せずに気になる症状が出た場合には、早めに病院受診をしましょう。
また、高血圧は、症状がでなくても脳卒中や心筋梗塞など、命にもかかわる病気の引き金になる
場合もあるため、気を付ける必要があるのです。
低血圧とは、血圧が長期間にわたり低い状態をいいます。様々な症状が現れる場合が多いですが、
出現する主な症状としては、めまいや立ちくらみが多いです。
特に、急に立ち上がる時に起こりやすいため、注意しましょう。
その他にも、倦怠感や疲労感、頭痛、吐き気、食欲不振、冷え性、動機なども低血圧により
引き起こされる場合があります。
日常的に血圧が低くて、これらの症状で困っている場合には、病院を受診して相談しましょう。
血圧は他の病気に比べると、比較的コントロールしやすいものです。これから、血圧を正常に
保つためのポイントについて紹介していきたいと思います。
血圧は加齢に伴い、血圧は上がりやすいため、現状高い人は特に参考にしてください。
食生活は、血圧に大きく影響を与える要素の一つです。
食生活で一番気を付けなければならないのが、塩分の摂取量です。
厚生労働省が出している日本人の食事摂取基準では、6g未満が推奨されています。
この塩分は、加工食品や、お惣菜、コンビニ弁当などに多く含まれていますので、過剰摂取は控えて
自炊等を行いましょう。
また、カリウムは、塩分の排出を促してくれる成分です。
カリウムを多く含む、野菜、果物、海藻などを摂取することで血圧を下げる効果が期待できます。
その他にも、食事バランスも重要ですので、栄養のバランスに偏りが出ないような食事に
気を配りましょう。
適度な運動は様々な相乗効果を生んでくれる対策で、当然血圧を正常値に保つために欠かせません。
具体的には、肥満や糖尿病、脂質異常などの生活習慣病のリスクを下げてくれます。
その他にもストレスを軽減や体力向上、その他にも次の項目で説明する睡眠の質の向上にも
つながってきます。
激しい運動は継続が難しかったり体の負担が大きかったりしてしまうため、継続できる程度の適度な
運動を心がけましょう。
具体的には、ウォーキング、サイクリング、ジョギングなどを、週3回以上、1回30分以上を
目安とされますが、まずは短い時間で週3回以上できる程度から始めましょう。
十分な休養と睡眠をとることは、心身の健康を維持するだけでなく血圧管理においても非常に
大きな影響を与えます。
休養や睡眠が不足してしまうと、自律神経系のバランスが崩れてしまい、血圧を上昇させる
ホルモンの放出を促進してしまう可能性があります。
また、ストレスホルモンのレベルを高めてしまい、血圧を上昇させる原因となることもあるのです。
そのため、十分な休養と睡眠をとることにより、自律神経系のバランスを整え、ストレスも
軽減させてくれるため、血圧を正常値に保ちやすくなります。
喫煙や過度な飲酒は、肺や肝臓などに悪影響を及ぼすだけでなく、他の病気などの引き金となる
ことがあります。血圧上昇もその一つです。喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させてしまいます。
さらに煙草に含まれる成分の中には、一酸化炭素が含まれており、これは血管を損傷させ、
動脈硬化を促進してしまうのです。
一方、飲酒は一時的に血管を広げ、一時的に血圧を下げる効果がありますが、その後に血圧を
上昇させてしまいます。そのため過度の飲酒は注意が必要です。
このように、過度な飲酒は控えて節酒し、喫煙は専門機関に相談することも検討しながら、
禁煙を目指して血圧が正常値で安定するように努めましょう。
20代までは食生活に気を配らなくても、健康診断等の結果には現れなかったものが、30代に
なってくると徐々に現れてきます。
今回、紹介してきた血圧は、健康状態の指標にもなるものです。
血圧は、加齢とともに高くなる傾向があります。
そのため、基準内でも高めの人、20代よりも高くなってきた人は、特に現状の生活習慣を見直す必要
があります。
適度な運動やバランスの取れた食事と、休養や睡眠をとって、これから先も健康な生活を
送りましょう。