介護の仕事に携わりたいと思ったものの、無資格であることから二の足を踏む人は少なくない
でしょう。
初めて介護に関する資格を取得したいとき、難易度の低いものから挑戦してみたいと考える人は
多いです。
そんな時におすすめなのが、介護事務の資格を取得することです。
介護事務の資格の難易度はそこまで高くないため、介護についての知識を身につけるのに
適しています。
今回は主な介護事務の資格とその合格率などについて紹介していきます。
この記事を参考にぜひ介護事務の資格に挑戦してみましょう。
目次
介護事務にはいくつも資格がありますが、そのすべてが民間資格であり国家資格はありません。
しかしすべての資格が受験資格がないというわけではありません。
合格率の受験する資格により異なりますが、介護保険に関する知識は問われるため、学習時間の
確保や受験対策は必要です。
また資格によっては介護事務に関する知識だけではなく、介護や医療に関する知識も問われます。
民間資格であることから取得自体は難易度は高くないため取りやすい資格でもあります。
また取得することで就職や転職に有利になりため、自身の希望に合った資格を取得することが
おすすめです。
民間資格ではあるものの種類が多い介護事務。
そのためどの資格を取得するべきか悩んでしまうことが多々あります。
そこでここでは主な介護事務の資格の概要とその合格率についてみていきましょう。
ケアクラーク技能認定試験の主催は一般財団法人日本医療教育財団。
この資格は介護報酬請求・窓口対応・事務処理などの介護事務に関するスキルを測り、評価・認定を
与えるものです。
その他にもコミュニケーションスキル・介護技術・医学一般などの幅広い知識も学べます。
学科試験全25問(介護事務知識)と実技試験全2問(介護報酬請求事務・介護給付費明細書作成)を
行います。
合格基準は学科・実技ともに70%以上で合格です。
また試験は在宅でも行っておりテキストなどをみながら受験することができます。
ケアクラークには受験資格がないため取得しやすいほか、合格率も60~70%のため難易度的にも
挑戦しやすいです。
介護事務認定実務者(R)の主催は、全国医療福祉教育協会。
介護事務に関する知識・技能を客観的に判断する資格であり、自身の実力を示すのに適している資格
といえるでしょう。
これから介護事務を目指す人だけでなく、すでに介護事務として働いている人にもおすすめできる
資格です。
受験方法は一般受験と、認定された通信講座や通学の受講生による団体試験の2種類があります。
試験内容は学科試験全20問(マークシート形式)と実技試験全2問で、学科実技ともに60%以上の
得点で合格です。
ただし出題される問題の難易度で合格基準は変動します。
問題の難易度によりばらつきがありますが、合格率は60~80%です。
試験は毎月あるため、すぐに再チャレンジ可能なのも特徴です。
介護事務管理士の主催は、技能認定振興協会(JSMA)。
介護報酬請求業務の知識や請求書の発行方法のほか、介護保険制度などの法規についても
学ぶことができます。
ケアマネジャーの仕事内容であるケアプランに対して理解を深めることができるため、サポート業務
としても役に立ちます。
学科試験全10問(マークシート形式)と実技試験全2問(レセプト作成・点検)ともに60%以上を
得点、全問題の得点合計が80%以上で合格です。
試験ではテキストなどの持ち込みが可能です。
受験資格や年齢制限はなく、合格率は約70%となっています。
在宅受験が実施されていますが、時期によっては会場受験となるため公式ホームページなどで
確認しましょう。
介護保険事務士の主催は、一般財団法人つしま医療福祉研究財団。
介護事務に関する知識のほか、ケアマネジャーを目指す人にとっても予備学習となる実践的な
内容です。
財団が立ち上げた「介護保険事務士養成講座」を財団が認定する大学・短大・専門学校などで
履修後、試験に合格することで資格取得できます。
試験は学科試験全15問(マークシート形式)と実務試験全3問です。
学科実技ともに100点満点中60点以上で合格ですが、合格率は公表されていません。
介護保険事務士は将来介護事務や介護系の仕事に就きたいという学生向けの資格です。
介護保険事務管理士の主催は、一般財団法人日本病院管理教育協会。
医療や介護などのサービスを提供している機関の主要な収入源であり介護報酬請求について学ぶだけ
でなく、介護施設の経営関わる知識なども得られます。
協会の教育指定校に通学し、介護保険法制度論(制度の仕組みと関連法規を含む)と
介護報酬算定理論と実技(報酬の原則・算定のポイント)を履修することで受験資格を得られます。
試験内容は学科と実技試験です。
なお合格率や合格点などは公表されていません。
協会が指定する教育校に通うことになるため、社会人向けよりもこれから学校へ通うか現在在学中の
人向けの資格といえるでしょう。
介護事務士の主催は、全国医療福祉教育協会。
ヒューマンアカデミー提供の「介護保険請求事務講座」を受講後、全5回の添削課題を提出し
合格基準に達していれば「介護事務士」の資格が取得できます。
まず入門DVDなどの教材を使用し、介護保険の仕組みや介護報酬請求の流れなどを理解し、
さらに実際に現場で使われている介護事務コンピュータの教育用ソフトで実践的な学びを得られます。
受験資格がないのが特徴で、添削課題は何度でも再提出できるため介護業界未経験でも取得しやすい
資格といえるでしょう。
介護報酬請求事務技能検定の主催は、日本医療事務協会。
介護報酬請求業務の知識と技能レベルを審査される資格です。
受験資格は次の3つ。
介護事務資格取得の際の勉強方法はスクール通学、通信講座、独学の3つが挙げられます。
ここでは3つの勉強方法の特徴についてみていきましょう。
数自体はそう多くはないのですが、介護事務資格の取得を目的としたスクールは存在します。
メリットは対面で授業を受けられる点と、気軽に質問ができる点です。
介護の知識が全くない人にとっては、講師のサポートやカリキュラムに沿った勉強は、非常に効率の
いいものとなります。
スクール側も資格取得の試験対策を講じてくれるため、難易度は低くなります。
さらにパソコンスキルがなくても、パソコン操作などが学べるため実践的なスキルが身につくのも
特徴です。
スクール受講の場合の勉強時間の目安は1.5ヶ月ですが、基礎的な知識のみであれば3日程度で学べる
コースもあるため、短期間で資格を取得したい人におすすめです。
介護事務の資格取得の勉強方法としてメジャーなのは通信講座です。
数が多いことから自身の取得したい講座を見つけやすい点がメリットです。
また自宅で自分のペースで進めたい人にもおすすめな方法であり、授業はDVDなどを使用し進めていき課題を提出、添削してもらう流れとなっています。
通信講座によっては講師に質問ができ、独学と異なり苦手克服ができることで合格率も高い傾向に
あります。
通信講座は受講するものによりサービスや費用が異なることから、講座内容を確認したうえで
申し込みをしましょう。
独学で資格取得を目指すのであれば、市販のテキストや問題集を購入し自主学習を進めていく
ことになります。
テキストは介護保険制度には3年ごとに改正があることから最新版のものを購入するようにしましょう。
またテキストは資格認定団体が出しているものもあるため、そちらを購入するのがおすすめです。
テキストは何冊も購入せずに1冊のみに絞り、過去問題を繰り返し解くことで内容を理解していき
ましょう。
独学の勉強時間の目安は約4ヶ月であるため、モチベーションを維持しながら学習を進めていく
ようにしましょう。
介護事務は無資格でも就職自体は可能ですが、資格を取得することでメリットがあります。
ここでは資格取得することで得ることのできるメリットを2つみていきましょう。
無資格での転職や就職と異なり、資格を取得していることでスキルの証明となり転職などの場面で
有利となります。
特に介護事務はレセプト業務や受付業務など、責任が生じる大事な職務です。
そのため介護事務員のいない事業所では即戦力になると期待されます。
自身のスキルを証明するためにも、介護事務に関する資格を取得しスキルがあることをアピールし、
転職などを有利に進めていきましょう。
介護事務の勉強をすることで、介護保険制度などの知識が身に付きます。
介護保険の知識は就職だけでなく、介護サービスを利用する側としても役に立つことが多くあります。
例えば介護保険料の改正など介護サービス利用者にとっては重要な問題です。
将来家族が介護サービスを利用するときに、勉強してきた知識が役立ちます。
専門知識を身に着けているからこそ、介護サービスでわからないことが出てきても対処ができ、
サービス内容を十分理解したうえで介護サービスを利用できます。
就職以外でも役に立つ知識であるため、資格取得はおすすめです。
介護事務の資格は難易度的にみると、勉強をしっかり行っていれば比較的取得しやすいもの
となっています。
勉強方法も自分に合ったものを選択することができるため、自身の学習ペースで進めていける
でしょう。
また資格取得以外にも介護保険の知識は役に立つため、これから資格を取得しようと考えている人は
積極的に資格の勉強を行いましょう。