自分の足の指の形を知ることは、正しい靴選びにつながります。
足の指の形は、日本人では大きく3つのタイプに分けられますが、それぞれのタイプの特徴や
靴選びのポイントを知っておくことは重要です。
間違った靴を履き続けると、足の痛みや変形を引き起こすことがあります。
本記事では、足型の分類とそれぞれに合う靴の種類、靴選びのポイントについて、詳しく解説します。外反母趾やウオノメ、タコなどで悩んでいる方におすすめの内容です。
目次
ヒトの足の指(足先の形)を大きく分類すると、5種類に分けられるといわれています。
そのうち、日本人に多いのは、「エジプト型」・「ギリシャ型」・「スクエア型」です。
それぞれの特徴について解説するので、自分がどの足の型に当てはまるかチェックしてください。
なお、一時期流行した足型による性格診断については、触れていません。
「エジプト型」は、親指(母趾)が一番長く小指(小趾)にかけて順に短くなります。
日本人では70~80%程度がこの型で一番多いです。
前足部が広がりやすいので、5本の指に力を入れやすく、安定感があります。
母趾の基節骨・末節骨が長いタイプと、第1中足骨が長いタイプがあります。
母趾が圧迫されやすく、外反母趾になりやすいのが特徴です。
また、第1中足骨が長い場合には、蹴りだしの際にそこに強く力が加わるので母趾種子骨障害に
なりやすいです。
「ギリシャ型」は、人差し指(示趾)が一番長くつま先が尖ったような形状です。
日本人ではエジプト型の次に多く、10~20%程度がこの型です。
足幅が狭くなりやすいので不安定な印象ですが、蹴りだしが力強く瞬発力を出しやすいといえます。
前足部に荷重をかけたときに、第2中足骨頭部に体重が集中しやすいため、タコやウオノメ、
中足骨頭部痛になりやすいです。
形状から、外反母趾には比較的なりにくい足型とされています。
「スクエア型」は、親指(母趾)から薬指(薬趾)までがほぼ同じ長さです。
「ローマ型」とも呼ばれます。
日本人では少し珍しく、5%程度がこの型といわれています。
足先の形が前方に広がり、文字通り四角形に見えます。
地面をつかみやすく、安定感が高いのが特徴です。
足に合う靴を見つけるのが難しく、靴擦れになったりタコやウオノメができたりと問題を
起こしやすいです。また、母趾と小趾が圧迫されやすいので、外反母趾や内反小趾になりやすいと
されています。
「ケルト型」は、人差し指(示趾)が最も長く、次いで親指(母趾)と中指(中趾)が同程度の
長さで、そして薬指(薬趾)と小指(小趾)が同程度に短いという足型です。
日本人では滅多にいない足型です。
見た目が段々になっているため、不揃いな印象を抱きやすいといえます。
「ドイツ型」は、足の指の長さがすべて均一という足型です。
こちらも日本人では滅多にいない足型です。
どちらも珍しい足型なので、靴選びに難航するタイプといえます。
靴選びの前に自分の足型を知っておけば、靴と足型の不一致によるトラブルを回避しやすくなります。
また、靴選びの専門家であるシューフィッターのいるお店で購入すれば、より安心です。
このセクションでは、エジプト型・ギリシャ型・スクエア型のそれぞれについて、
靴選びのポイントやおすすめの靴のタイプをご紹介します。
エジプト型は、長い親指(母趾)が圧迫されやすいです。
そのため、つま先にゆとりがある靴がおすすめです。靴の中で母趾が圧迫されにくく、快適に
履きこなすことができます。
ただし、ゆとりがありすぎると、指が安定せず歩きにくいうえに足を痛めやすくなるので
注意してください。
エジプト型に合いやすい靴は、以下のタイプです。
特にオブリークトゥはエジプト型のためにデザインされたものです。
ギリシャ型は、長い人差し指(示趾)が圧迫されやすいです。
つま先が細長いタイプの靴がおすすめです。ヒールがあって母趾や小趾のゆとりが大きい靴は、
内部で足が前方に滑ってしまい、示趾を痛めてしまうことがあるので注意が必要です。
ギリシャ型に合いやすい靴は、以下のタイプです。
スクエア型は、足先が前方に広がっているので、親指(母趾)や小指(小趾)が圧迫されやすいです。
市販の靴は先端が細くなるデザインが多く、スクエア型の人の多くは靴探しに苦労しています。
つま先の横幅が広い形や丸い形の靴を選ぶとフィットしやすいでしょう。
ただし、つま先にゆとりがありすぎると、足が前滑りして指を痛めやすいので注意が必要です。
スクエア型に合いやすい靴は、以下のタイプです。
靴を選ぶ際には、足の指の形以外にも確認しておくべきポイントがあります。
つま先の形が合っていても、きつくて圧迫したり、ゆとりがありすぎて前滑りしたりする靴を
選んではいけません。
合わない靴を履くことで、足の指や爪、膝、股関節、腰にまで悪影響が出る可能性があります。
また、姿勢が悪くなったり、スポーツのパフォーマンスが低下したりする原因にもなります。
靴選びに自信がない人は、お店の人のアドバイスを受けながら選びましょう。
靴選びで必ずチェックするべきなのは、かかとのフィット感です。
歩くたびにかかとが脱げてしまうと、不安定になり転倒の危険性もあります。
購入前に試し履きをしてフィット感を確認してください。
以下のような点を確認しましょう。
靴選びの一番の基本は、自分の足のサイズに合ったものを選ぶことです。
一番長い指からかかとまでの長さより、1~1.5cm程度余裕のあるサイズを選ぶとフィットしやすい
といわれています。
それ以上の余裕のある靴は歩きにくく、足の負担になります。
靴のメーカーやデザイン、素材などによってもサイズは異なるので、実際にお店で試し履きしてみてください。足の形は左右で違うので、試し履きの際は必ず両足を入れます。
店内を少し歩いてフィット感を確認しましょう。
「自分が普段履いている靴は24cmだから、『24cm』表記の靴を選べば間違いない」という思い込み
は捨ててください。
足幅に合っているかどうかも、靴選びで重要なポイントです。
足幅とは、親指(母趾)の付け根から小指(小趾)の付け根までの長さを指します。
足幅に対して靴の一番広い部分の幅が狭すぎると、足への負担になります。
逆に、母趾や小趾の付け根が靴に当たらないほど余裕があると、靴擦れやタコ、外反母趾などの
原因になります。
近年は、量販店などで幅の広い靴が多く販売され人気を集めています。
その履き心地の良さから、「足にジャストフィットしている」と錯覚しがちです。
母趾や小趾が当たらない靴では、足をしっかり支えられず、すでに外反母趾の人は悪化する可能性が
あります。
試し履きをして店内を少し歩いて、靴の中で足が滑らないかどうかを確認することが重要です。
今回は、足の指の形と靴選びについて解説しました。