血圧は自身の健康の指標です。
そのため健康に気を遣うようになってから、血圧を測る人は増えてきます。
しかし、血圧の正しい測り方や正常値などについて理解していないと、測定しても現在の健康状態が
分からなくなります。
そこで今回は血圧の正常値から測り方などについて解説していきます。
この記事を参考に血圧について知り、自身の健康の指標として役立てていきましょう。
目次
血圧は心臓から全身に血圧を送る際の血管壁に与える圧であり、「収縮期血圧」と「拡張期血圧」の
2つの値があります。
ここでは血圧の正常値と高血圧、低血圧の基準値についてみていきましょう。
血圧には「収縮期血圧」と「拡張期血圧」があります。
血圧には医療機関等で測るときの診察室血圧と自宅で測定する家庭血圧があります。
まず診察室血圧の正常値は、120/80mmHg未満です。
次に家庭血圧の正常値は、115/75mmHg未満です。
診察室血圧の方が正常値が高いのは、医療機関で測る緊張から血圧が上がる傾向にあるためです。
まず低血圧の基準値ですが、こちらは学会のガイドラインでも明確に決定されていません。
しかし収縮期血圧が100mmHg未満の場合を低血圧と定義するのが一般的です。
次に高血圧ですが、こちらは低血圧と異なり明確な基準があります。
診察室血圧では収縮期血圧と拡張期血圧の両方もしくは一方が140/90mmHg以上、
家庭血圧では135/85mmHg以上と定義されています。
高血圧は数値が上がるごとに「Ⅰ度高血圧」「Ⅱ度高血圧」「Ⅲ度高血圧」と分類されており、
脳卒中などのリスクはⅠ度からⅢ度の順で高まるため、血圧が高い人は注意が必要です。
血圧は変動しやすいため、測定する前に静かな部屋で安静を保ち、座った姿勢で測定することが
重要です。
歩いた後などに測定するときは、座って1~2分経過してから測定するようにしましょう。
血圧を正しく測定するポイントは次の通り。
以上のことに気を付けながら血圧測定を行いましょう。
ここでは各年代の血圧の平均値について解説していきます。
自身が該当する年代の血圧の平均値を知り、それに対して自身はどうなのか確認していきましょう。
20代の血圧の平均値は次の通りです。
男性の血圧の平均値、収縮期血圧/拡張期血圧は115.3mmHgであり、
女性の平均値は105.7/63.8mmHgでした。
このことから男性の方が平均値が高い事が分かります。
正常血圧の割合は男性69.6%、女性は84.9%となっています。
高血圧の割合は男性で7.1%、女性が0%です。
血圧の平均値から見ても20代の女性は高血圧より低血圧気味であるといえるでしょう。
30代の血圧の平均値は次の通り。
男性の平均血圧は収縮期血圧/拡張期血圧で117.3/73.7mmHg、
女性の平均値は107.9/66.3mmHgです。
30代の男女も20代と同様に男性の方が血圧が高い傾向にあります。
正常値血圧に該当している割合は男性56.3%、女性は83.5%です。
高血圧に該当している割合は男性6.3%、女性は3.3%です。
この年代から高血圧に注意しておいた方がよい事が分かります。
40代の男女の血圧の平均値は次の通り。
男性の血圧平均値は収縮期血圧/拡張期血圧、125.8/81.3mmHgで、
女性の平均値は114.3/71.2mmHgです。
40代も男女の血圧差が大きく、男性の方が血圧が高い事が分かります。
正常値血圧に該当している割合は男性30.1%、女性は63.8%です。
高血圧に該当している割合は男性30.9%、女性9.0%でした。
このことから40代から特に男性は血圧に気を配った方がよい事が分かります。
50代の男女の血圧の平均値は次の通り。
男性の平均血圧は収縮期血圧/拡張期血圧で131.7/82.0mmHg、
女性は123.7/75.4mmHgです。
50代では平均値が多少近くなったものの、男性の方が血圧が高い事が分かります。
正常血圧の割合は男性23.9%、女性39.3%です。
高血圧に該当している割合は男性38.8%、女性19.7%でした。
このことから50代は高血圧に該当する人が男女とも増加しやすい時期であることが分かります。
60代の男女の血圧の平均値は次の通り。
男性の平均血圧は収縮期血圧/拡張期血圧、135.8/78.5mmHg、
女性の平均値は131.0/76.7mmHgです。
60代になると男女とも血圧の平均値は大きな差がない事が分かります。
正常血圧の割合は男性13.5%、女性20.6%です。
高血圧に該当している割合は男性39.1%、女性29.9%でした。
このことから年代が上がることに高血圧のリスクが高まることが分かります。
70代の男女の血圧の平均値は次の通り。
男女の血圧の平均値は収縮期血圧/拡張期血圧、135.8/73.1mmHg、
女性は136.1/73.0mmHgです。
70代になると若干女性の方が血圧の平均値が高い事が分かります。
血圧平均値の割合は、男性12.8%、女性が15.3%で若い世代よりも平均値を保てている人が
少ない事が分かります。
高血圧に該当している割合は男性36.5%、女性が42.8%でした。
このことからも平均値よりも高血圧の割合が高い事が分かるため、血圧を正常に保つことが
重要だと分かります。
血圧が正常値外の時、どうすれば正常値に保てるかが気になります。
ここでは血圧を正常に保つポイントを4つみていきましょう。
食生活の中で最も血圧と関連が深いのが塩分です。
日本高血圧学会においても1日の推奨塩分は6g未満とされています。
しかし現代の日本人の食生活の平均は8~10g前後といわれています。
そのため減塩が必要となりますが、ただ減塩をしていては長続きはしません。
そこで野菜をたくさん摂取する、野菜と果物を取り入れカリウムを摂取し塩分を排出することが
大切です。
また料理で塩を使うときはスパイスなどと混ぜて使うことで、塩分量を抑えられます。
このようにちょっとした工夫で、減塩に取り組んでいきましょう。
血圧を正常に保つには、食生活の改善以外にも適度な運動が推奨されます。
継続的な運動により心肺機能を高めると血液循環がよくなることで血圧を下げる効果が期待されます。
適度な運動によりカロリー消費もできるため、高血圧だけではなく肥満防止にも効果大です。
目安としては早歩きなどの運動を毎日合計30分以上続けることを目標にしましょう。
いきなり運動することに心配する人は、買い物などの時にいつもより少し早く歩くことから
始めていきましょう。
十分に休養が取れていないとイライラなどが現れるほか、ストレスが溜まっていきます。
ストレスは血圧を正常に保つうえで、なくしていくことが大事です。
そのためにしっかりと睡眠をとりましょう。
血圧が最も下がるのが睡眠中であることからも、血圧と睡眠は密接な関係があります。
またストレスとためないように、常にリラックス状態を保つことも大事です。
イライラしたりするときは深呼吸をし、気分を落ち着けるようにしていきましょう。
血圧上昇を招くため、タバコを吸うのはやめて禁煙するようにしましょう。
タバコを1本吸うと、10~20mmHg血圧が上昇します。
そこから動脈硬化につながり、肺がんなどの原因となっていきます。
飲酒習慣も血圧上昇につながるため、飲みすぎには注意しましょう。
飲酒するときは週2日は休肝日を設けるなど、節酒に努めましょう。
血圧を測るときは安静にして図ることで、正確な数値を求めることができます。
血圧の正常値は各年代共通であるため、正常値と自分の血圧を比較し、自身はどこに
分類されるのかを把握しましょう。
自身の血圧を把握し、血圧が正常値以外であったなら、今回紹介した正常値に保つポイントを
実践してみてください。
血圧を正常に保ち、健康で豊かな生活を送りましょう。