ケアマネの年収はどれくらい?平均月収や給与アップを目指す方法も紹介

2024.11.18

ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護を必要とする方が、介護サービスを受けられるよう
に事業者とつなぐ、重要な役割をサポートする専門職です。
しかし、ケアマネジャーは、仕事とお給料が見合わないと感じているようです。
ケアマネの年収はどれくらいでしょうか?
平均月収や給与アップを目指す方法も紹介しましょう。

ケアマネ(ケアマネージャー)とは

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護を受ける要介護者が、その方の心身の状況に応じた
適切な介護サービスを利用できるように相談に応じ、市町村や事業所との連絡・調整を行ったりする
専門職です。
ケアマネジャーの仕事内容は、計画書の作成(ケアプラン)や介護サービス事業者との調整を
行います。
要介護者や要支援者が自立した生活を送るため、援助に関して技術と知識を所有する介護の
プロフェッショナルです。

ケアマネの平均月収はどれくらい?

ケアマネジャーの仕事に就くと、どれくらいの収入を得られるようになるのでしょうか。
経験年数や保有資格、雇用形態、地域などによって違いはありますが、平均の月給について
雇用形態別にみていきましょう。

 正職員

介護業界だけでなく、他の産業、他の職種でも、経験年数や地域、保有資格によって月給は
異なります。
常勤での勤務では、ケアマネージャーの平均月収は23〜36万円です。
手取りの金額は、健康保険や雇用保険などの社会保険料、所得税などの税金が給料から引かれるため、
額面の約75~80%という場合が多くなります。
男女別では、男性では平均月給が30万5,700円、女性では27万7,000円と男性の方が上回ります。

 契約社員

ケアマネージャーは正社員・正職員がほとんどですが、雇用形態として、契約社員という形態で
勤務する人もいます。
契約社員として働く最大のメリットとしては、仕事の内容や給与、福利厚生などの面では正社員と
同等の扱いで勤務できます。
ですが、正社員ほど責任は求められないため、比較的自分で仕事の選択が可能である点です。
契約社員の男性では平均月給が14万7,000円、女性では22万5,000円と女性が上回っています。

 パート・アルバイト

パートやアルバイトでケアマネジャーとして勤務する場合、平均時給は1,340円で、他の介護職に
比べても時給が高めになります。
パート・アルバイトとして働くケアマネジャーの平均時給は、男性よりも女性の方が高くなり、
男性では平均月給が8万2,479円、女性では15万4,869円と女性の月給が高い結果です。
これは、1ヶ月の勤務時間が、男性は61時間、女性は107時間という違いが影響しているようです。

ケアマネの平均年収はどれくらい?

収入は、施設規模だけでなく個人のスキルや資格によって変動することが多く、男性と女性の
平均年齢や勤続年数、所定の労働時間に大きな違いがみられないことから、役職手当などが
年収額に影響していると考えられます。

 正職員

月収12ヶ月分に賞与(ボーナス)を含めた正職員の平均年収は、正職員の男性では
平均年収437万1,300円、女性では394万7,200円と、男女間での差があります。

年収は施設の規模により異なり、一番年収が高いのは従業員が10~99人の事業所です。
また、施設の規模だけでなく個人のスキルや資格によって変動する場合が多くあります。
ケアマネージャーや介護福祉士を取得している場合には資格手当が加算されます。

 契約社員

ケアマネージャーは契約社員という雇用形態で勤務する人もいます。
比較的、正社員ほど責任は求められないため選択が可能です。
男性と女性では、平均年齢や勤続年数、所定労働時間に大きな違いはみられないため、
役職手当などが年収額に影響している可能性があると考えられます。
契約職員は月収同様に女性のほうが高いという結果です。
ケアマネジャーの平均年収は、契約社員の男性では平均年収が178万円、女性では294万円です。

 パート・アルバイト

ケアマネジャーとしてパートやアルバイトで勤務する場合、平均時給は他の介護職に比べて
高めの時給になります。
そのため、パート・アルバイトは月収と同様に女性の方が高いことになります。
その結果、パート・アルバイトとして働くケアマネジャーの平均年収は、男性では平均年収が
109万6,947円、女性では197万29円と女性の年収が高くなります。
これは、1ヶ月の勤務時間が、男性と女性で異なることが影響しています。

ケアマネの平均賞与はどれくらい?

ケアマネジャーの平均賞与は正職員で50〜70万円となっています。
事業所の規模によって賞与額に差があるようです。
規模の大きさが10~99人の場合は約57.7万円、100~999人の場合は約71.3万円です。

 正職員

全体の傾向として、正職員では男性のほうが高くなり、契約職員、パート・アルバイトでは
女性のほうが高いことがわかりました。
事業所の従業員や規模や大きさによって賞与額に差が出ていることが分かってきました。
ケアマネジャーの正職員の年間賞与(ボーナス)は50〜70万円となっており、正職員の年間賞与
(ボーナス)は男性が70万2,900円、女性が62万3,200円と、男性のほうが多く支給されていました。

 契約社員

契約社員では男性よりも女性が約22万円多く、これまで紹介したデータのなかで男女差がとくに
目立ちます。
契約職員として働くケアマネジャーの男女比は1:9と圧倒的に女性が多く、一部分の賞与が高い層が
平均を上げていたり、施設形態による違い、経験年数などが影響している可能性があります。
ケアマネジャーの年間賞与(ボーナス)は、契約社員の男性では平均年収が1万3,000円、
女性では23万8,000円です。

 パート・アルバイト

ケアマネジャーの年間賞与(ボーナス)は、男性、女性でほぼ同じ水準となっており、全産業の
平均よりも6〜7万円ほど高い金額です。
全体の傾向として、正職員では男性のほうが高くなり、契約職員、パート・アルバイトでは女性の
ほうが高いことがわかりました。
パート・アルバイトの雇用形態で、ケアマネジャーの年間賞与は、男性では10万7,200円、
女性では11万1,600円と、やや女性の方が高くなっているようです。

ケアマネで年収や給与アップをするための方法

ケアマネージャーの年収は、基本的に勤続年数に応じて上がります。
ケアマネージャー以外の資格を取得したり、転職を検討したり、独立して働くなど、
ケアマネージャーが年収を上げる方法について考えてみましょう。

 管理職を目指す

介護施設や居宅介護支援事業所のどちらに勤めるかにかかわらず、施設長などの管理者を兼任すると
給料がアップしやすい傾向にあります。
家族や利用者からの相談の対応は、施設長や管理者といった管理職が対応します。
利用者の入居時と退去時に家族と話し合い、適切に介護サービスを提供するために健康状態や
ケアプランの確認などを行います。
管理者になるための要件はなく、実務経験や保有資格で判断している事業所が多いようです。

 主任ケアマネに昇格する

主任ケアマネジャーの資格を取得しましょう。
主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)は、ケアマネージャー(介護支援専門員)の上位
資格で、主にケアマネのまとめ役を担当します。
主任ケアマネとケアマネの主な違いは役割の範囲です。
主任ケアマネは、地域包括支援センターなどにおいてケアマネの指導・育成を請け負い、地域福祉の
発展に貢献する役割があります。
管理者の給与形態が適用されるため、給料アップが望めます。

 ケアマネとして長く経験を積む

ケアマネージャーが給料をアップさせるためには経験を積むことです。
長年ケアマネージャーとして業務を行うことで給料が上がります。
介護業界での、どの職種でも言われることですが、給料は年齢に影響されることは少なく、
基本的に経験年数により給料が決まってきます。
長く勤めると昇給のチャンスがあり、質の高いサービスを提供することで更に給料は上がるでしょう。
また、ひとつの法人に長く勤めることも給料アップには効果的です。

 ケアマネ+別の資格を取得する

主任ケアマネの資格を取得しましょう。
主任ケアマネの資格は、専任のケアマネジャーとして、5年以上の実務経験が必須です。
これを満たしている場合には、主任ケアマネを目指すことをおすすめします。
主任ケアマネの資格は試験がなく、研修を受講するのみで取得できますし、資格手当として
5,000〜1万円程度の給料アップが見込めます。
また、夜勤や早番・遅番をやることで手当てがもらえ、給料のアップになる場合もあります。

まとめ

ケアマネージャーの平均月収や給与アップを目指す方法を紹介しました。
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、研修を受けなければ
なりません。
地域や施設の規模などによりケアマネージャーの年収は違いますが、経験を積み、更に上位の
資格取得や管理職を検討することで給料アップを目指せる介護職です。
※参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

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