40代男性の血圧平均値は?正常値や正常に保つためのポイントも解説

2024.11.18

40代男性の平均血圧はどのくらいなのでしょうか?
一般的に血圧は年齢が上がるほど高くなり、40代以降ではその傾向が顕著です。

高血圧はさまざまな病気の原因になるため、血圧は身体の健康を知るバロメーターといわれています。
本記事では、血圧の基本情報から40代の血圧平均値、高血圧の原因と対策などについて解説します。
健康診断などで血圧が気になり出した方におすすめの内容です。

そもそも血圧とは?

血圧とは、血液が血管の内壁を押す力のことです。
心臓が収縮して血液を強い力で押し流すときの血圧を「収縮期血圧(最高血圧)」、
心臓が拡張しているときの血圧を「拡張期血圧(最低血圧)」といいます。
以下、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」を参考にして、血圧の正常値や高血圧と
低血圧の基準値について解説します。

 血圧の正常値

血圧の正常値とはどのくらいなのでしょうか。
血圧には、医療機関で測定したときの「診察室血圧」と、自宅で測定したときの「家庭血圧」
があり、それぞれで正常値や高血圧の基準値が設定されています。
医療機関では、緊張から「白衣高血圧」になりやすいため、診察室血圧の基準は家庭血圧より
少し高めです。
「正常血圧」に分類されるのは、血圧が以下の範囲の場合です。

  1. 診察室血圧
    「収縮期血圧 120mmHg未満」 かつ 「拡張期血圧 80mmHg未満」
  2.  家庭血圧
    「収縮期血圧 115mmHg未満」 かつ 「拡張期血圧 75mmHg未満」

 低血圧と高血圧の基準値

  • 高血圧の基準値
    「高血圧」に分類されるのは、血圧が以下の範囲の場合です。
    ① 診察室血圧
    「収縮期血圧 140mmHg以上」 かつ/または 「拡張期血圧 90mmHg以上」
    ② 家庭血圧
    「収縮期血圧 135mmHg以上」 かつ/または 「拡張期血圧 85mmHg以上」

    高血圧の基準に当てはまらなくても、正常血圧の範囲を超えている場合は、将来的に高血圧に
    なる可能性が高いです。また、正常血圧の人と比べて、脳卒中や心疾患などの発症リスクが
    高いので、後述する生活習慣の見直しをおすすめします。
  •  低血圧の基準値
    「低血圧」には、高血圧のような明確な基準はありません。
    一般的に、「収縮期血圧 100mmHg未満」の場合を低血圧とすることが多いです。

40代男性の血圧平均値は?

40代男性の血圧平均値(収縮期血圧/拡張期血圧)は、以下の通りです。
参考までに、40代女性の平均値も示します。

  • 男性: 125.8/81.3mmHg
  • 女性: 114.3/71.2mmHg

    男性の平均値は、正常血圧の範囲を上回っており、高血圧の一歩手前の「高値血圧」に
    該当します。女性の平均値は、正常血圧の範囲内です。
    ちなみに、40代の正常血圧、高血圧、低血圧の割合は以下の通りです。
    男性は高血圧の人が多く、女性は低血圧の人が多いです。(「正常高値血圧」・「高値血圧」の
    割合は示していないので合計は100%になりません。)

  • 正常血圧の割合: 男性26.8%、女性 47.9%
  • 高血圧の割合: 男性 30.9%、女性 9.0%
  • 低血圧の割合: 男性 3.3%、女性 15.9%

    男女ともに、40代から血圧の平均値も高血圧の割合も急激に増加します。
    主に加齢による動脈硬化が原因ですが、女性の場合は更年期に女性ホルモン「エストロゲン」が
    減少することでも血圧が上がりやすくなります。

低血圧の症状・原因は?

高血圧は、そのリスクや改善・予防策について、頻繁にメディアなどで取り上げられています。
しかし、低血圧にも重大な病気が隠れていることがあり、症状によっては日常生活に支障をきたす
こともあります。
ここでは、低血圧の症状と原因について解説します。
病気が原因の場合は、その治療をすることで低血圧の改善が期待されます。
また、生活の質の低下をもたらす症状がある場合は、生活習慣の改善や薬による治療が必要です。

 低血圧の症状

  1. 脳循環の障害からくる症状
    めまい、立ちくらみ、頭痛、耳鳴り、失神、けいれんなど
  2. 循環器症状
    動悸、息切れ、胸の痛み、不整脈、下肢のむくみ、下肢静脈瘤、体位性頻脈症候群など
  3. 呼吸器症状
    呼吸困難感、過換気症候群、胸の不快感など
  4.  消化器症状
    食欲不振、胃もたれ、腹痛、便秘、下痢、腹部膨満感、悪心、嘔吐など
  5. 慢性の痛み
    線維筋痛症、眼精疲労、肩凝り、末梢神経障害、慢性腰痛など
  6. その他の症状
    倦怠感、疲れやすい、起床困難、性欲減退、低体温、冷え性、多汗、顔色が悪いなど

 低血圧の原因

低血圧は大きく3つのタイプに分類され、それぞれ原因が異なります。

  1.  本態性低血圧
    最も多いタイプで、特に原因となる疾患がなく慢性的に血圧の低い状態が継続します。
    原因は遺伝や体質とされていますが、はっきりとはわかっていません。
    若い女性に多く、特にやせ型で虚弱体質の人に多いとされています。
  2.  症候性低血圧
    疾患や薬の副作用などが原因で起こるタイプです。
    主な疾患としては、心筋梗塞や不整脈などの循環器系疾患、甲状腺機能低下症やアジソン病など
    の内分泌系疾患などがあります。
    また、栄養不良やケガによる大量出血、熱中症、がん、降圧剤や抗うつ薬などの副作用などでも
    低血圧を引き起こすことがあります。
  3. 起立性低血圧
    急に立ち上がったときなどに、めまいや立ちくらみ、眼前暗黒感、失神などの症状を起こす
    タイプです。
    原因としては、血圧をコントロールする自律神経に異常があり、下半身に集まった血液が
    心臓に戻りにくくなることとされています。

40代で血圧が高い原因は?

このセクションでは、40代で血圧が高くなる主な原因について、詳しく解説します。
高血圧には、原因不明の「本態性高血圧」と原因を特定できる「二次性高血圧」があります。
高血圧の約90%が本態性高血圧です。

 ホルモンの変化

ホルモン異常で高血圧が引き起こされる「原発性アルドステロン症」は、40~50代と比較的若い
世代の患者が多いことが知られています。
原発性アルドステロン症は、副腎皮質ホルモン「アルドステロン」が過剰に分泌されることで高血圧
が引き起こされる病気です。
その特徴は、脳卒中や心筋梗塞などの合併症になりやすいことです。
過剰分泌が片方の副腎からの場合の治療法は、「腹腔鏡下副腎摘出術」です。
両方からの場合は「抗アルドステロン薬」による治療となります。

 本態性高血圧・二次性高血圧

40代以降は、加齢による動脈硬化だけでなく、生活習慣の変化や病気への罹患などを原因として
高血圧の割合が増えるといわれています。

  • 本態性高血圧
    本態性高血圧は、原因を特定できないとはいえ、例えば以下のような生活習慣などの因子が
    いくつか重なることで発症すると考えられています。これらの中でも、特に塩分の過剰摂取は、塩分感受性が高い人が多い日本人にとって最大の危険因子とされています。
    ① 塩分の過剰摂取   ② 肥満   ③ 過度の飲酒   ④ 運動不足   ⑤ ストレス   ⑥ 喫煙   ⑦ 加齢   ⑧ 遺伝的要因
  •  二次性高血圧
    二次性高血圧の原因には、さまざまな病気が関わっています。例えば、「ホルモンの分泌異常」
    や「腎疾患」、「睡眠時無呼吸症候群」、「薬の副作用」などです。
    二次性高血圧が疑われた場合には、原因となる病気を特定し治療することで高血圧が改善する
    可能性があります。

血圧を正常に保つためのポイントは?

このセクションでは、血圧を正常に維持するために気をつけるべきポイントを紹介します。
高血圧を長年放置すると、脳卒中や心臓病などの病気の発症リスクが高まり、取り返しのつかない
事態になりかねません。
高血圧の改善や予防のためには、ご自身の生活習慣全般を見直すことが重要です。

 食生活を改善する

高血圧の最大の原因が、塩分の取りすぎとされています。
塩分を多く摂取すると、血中の塩分濃度を下げるために血液量が増え、血圧が高くなります。
日本高血圧学会では、「食塩の摂取量は1日6g未満」を推奨しています。
塩分控えめで美味しい料理のレシピは、インターネットで検索するとたくさん見つかるので、
参考にしてください。
また、ナトリウム排泄効果があるカリウム・マグネシウム・カルシウムを積極的に摂取しましょう。
カリウム・マグネシウムは野菜や果物、海藻、豆類などに多く含まれ、カルシウムは乳製品や
小魚などに多く含まれます。
さらに、肥満の方は高血圧のリスクが高くなるとされています。
特に、健康診断で「内臓脂肪が多い」と指摘された方は注意が必要です。
食べ過ぎに注意し、栄養バランスのとれた食事を心がけてください。

 禁煙・節酒に努める

禁煙・節酒により高血圧のリスクが下がるとされています。
喫煙をすると、ニコチンにより血管が収縮するため血圧が上がります。
また、アルコールには血管を拡張させる作用があり、少量であれば一時的に血圧は下がります。
しかし、過剰な摂取により血圧は高くなります。
飲酒量の目安は、男性がアルコール換算で20~30ml/日(日本酒ならば1合、ビールならば
500ml程度)、女性が10~20ml/日以下
です。
喫煙も過度の飲酒も、がんなどさまざまな疾患のリスクを高めることがわかっています。
健康のためには、禁煙と節酒が重要です。

 適度な運動を行う

適度な運動を行うことで、高血圧のリスクが下がるとされています。
また、運動により高血圧のリスクを高める肥満の解消にもなります。
運動をすると、血圧は一時的に上がります。しかし、筋肉に多くの酸素と栄養を運ぶために血管が
広がるなどして、血圧は下がっていきます。

運動としては、酸素をたくさん取り入れながら行う有酸素運動が適しており、1日30分程度を毎日
行うことが理想です。有酸素運動としては、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリング、
エアロビクスなどがあります。
すでに血圧が高めの方は、医師に相談するなどして無理のない範囲で行ってください。

 十分な休息・睡眠をとる

高血圧のリスクを下げるために、十分な休息と睡眠をとることも重要です。
極度の緊張などのストレスは、交感神経を刺激し血圧の上昇を引き起こします。
さらに、ストレスは食生活の乱れや不眠、飲酒、喫煙などにもつながりやすく、高血圧のリスクが
さらに高まります。
また、睡眠不足により自律神経が乱れると、高血圧を発症しやすくなります。
ストレスや睡眠障害は高血圧だけでなく、さまざまな疾患のリスクを高めます。
好きな趣味に没頭したり、ゆっくり入浴したりといった自分なりのリラックス方法を見つけることが
重要です。

まとめ

今回は、40代男性の血圧平均値や高血圧の原因と対策などを解説しました。

  • 血圧の正常値は「120/80mmHg未満」、高血圧は「140/90mmHg以上」。
  • 40代男性の平均は正常値を少し上回り、高血圧の割合は約30%。
  • 40代以降、加齢による動脈硬化や生活習慣の変化、病気などが原因で高血圧が増える。
    生活習慣が関係するのが「本態性高血圧」、病気が原因なのが「二次性高血圧」。
  • 高血圧リスクを下げるため、「食事」、「休息・睡眠」、「運動」、「酒・タバコ」など
    生活習慣見直しが必要。

    高血圧は自覚症状がありませんが、放置しておくと重大な疾患のリスクが高くなります。
    今後の長い人生を健康に過ごせるよう、今のうちから生活習慣を改善しましょう。
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