世帯分離はいつから適用されるのか?を詳しく解説!

2024.11.19

この記事では、世帯分離について、それがいつから適用されるのか、またそのメリットは何かなど
を詳しく解説していきます。
世帯分離をすることで、介護費用の自己負担額を軽減できる可能性があります。
介護が必要な家族がいる方は、検討する価値が大いにあります。
介護費用を少しでも軽減したいと考えている方は、是非、参考にしてみてください。

そもそも世帯分離とは

世帯分離とは、一つ屋根の下に暮らしている家族が、住民票を分けて別世帯になることです。
家族構成の変化や経済的な理由で世帯を分けることができますが、その結果、介護費用の負担額を
抑えることができたり、子ども世代が要保護対象から外れて、親のみが生活保護を受けられる
可能性もあります。

 世帯分離はいつから適用される?

世帯分離の手続きは、「世帯変更届」などの必要書類を、自治体に提出した日から適用されます。
介護保険の自己負担割合は、世帯分離をした翌月の1日から適用されますが、国民健康保険料は、
申請日以降で最も近い4月1日から適用されます。
世帯分離を年度の途中に行っても年度内は再計算されません。
対象者がそれぞれの世帯で独立した家計を営んでいることが、世帯分離を行う条件ですが、
親と同居していても、世帯分離が可能です。

 住民票の世帯が別れるタイミングは手続きを行った日

住民票上の世帯が別れるタイミングは、自治体に「世帯変更届」をはじめとする必要書類を提出した
当日ですが、介護費用を軽減できる制度が適用されるタイミングは制度によって異なります。

基本的に世帯分離を行った「翌月の1日」からである場合が多いです。
世帯を分けることで、所得が少ない親の住民税を軽減したり、保険料などが安くなったりする
メリットがあるので、介護保険サービスを利用するタイミング、介護保険施設に入居するタイミング
などで行うことが多いです。

介護費用軽減は制度ごとに異なる

世帯分離することで所得が減ると介護費用等が軽減されますが、そのタイミングは制度によって
異なります。
例えば介護保険サービス費の自己負担割合が変更される場合は、翌月の1日からです。
世帯分離で所得が減ることによって、軽減できる可能性のある制度としては、介護保険サービス費の
自己負担割合、高額介護サービス費の自己負担上限額等があります。

 軽減できる可能性のある費用軽減はいつから適用される?

世帯分離によって軽減できる可能性のある費用には、介護保険サービス費の自己負担割合 、
高額介護サービス費の自己負担上限額 、高額医療・高額医療合算療養費制度の年間負担限度額 、
介護保険施設の居住費と食費(特定入所者介護サービス費) 、国民健康保険料 などがあります。

世帯分離を行った当日に住民票上の世帯が変わりますが、 介護費用を軽減できる制度などに
適用されるタイミングは制度ごとに異なります。
基本的には世帯分離を行った「翌月の1日」からの場合が多いです。

 高額介護サービス費の負担上限額

世帯分離をすると、高額介護サービス費支給制度が利用しやすくなります。
高額介護サービス費は、公的介護保険の利用による1ヶ月の自己負担の合計額が高額になったときに
適用される制度です。
市区町村に申請することで、個人所得や世帯の所得によって月々の負担額が決まりますが、
その上限を超えた費用の一部が介護保険から払い戻されます。
介護保険サービスの負担上限額の変更は、世帯分離をした翌月の1日から、新しい所得区分に応じた
負担上限額が適用されます。

 介護保険サービスの自己負担割合

介護保険サービスの利用料金は、「自己負担額」と「国からの介護給付」から賄われます。
利用者の自己負担額は料金の1割〜3割と定められていますが、基本的に1割負担で利用することが
できます。
この自己負担割合は「合計所得金額」と「65歳以上の方の世帯人数」に応じて、1割、2割、3割の
いずれかに設定され、所得に応じて毎年見直しされます。

 特定入所者介護サービス費

特定入所者介護サービス費は、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設などに
支払われる居住費と食費ですが、利用者から徴収されるのは負担限度額までです。
所得の低い方に対しては自己負担の上限額が設けられており、これを超えた分は「特定入所者
介護サービス費」として、介護保険から施設等に支払われます。
利用する際には申請が必要です。
利用者の配偶者が住民税課税されている場合、また預貯金が一定の額を超える場合は、特定入所者
介護サービス費は対象外となります。

世帯分離を検討するタイミングを紹介

世帯分離することで変わる一番大きな要素は合計負担額です。
介護保険施設の費用や介護保険サービスの自己負担額を抑えられる可能性があります。
検討するタイミングとしては、介護保険サービスを利用し始めたときや、介護保険施設に入ったとき、介護・医療保険の負担額が増えたタイミング があげられます。

 介護施設に入所した時

介護施設に入所した時に世帯分離を行う場合があります。
介護サービスの利用費用は、本人の収入や世帯の収入によって負担割合が決定されることが
ほとんどです。
世帯分離によって世帯の収入が減ると、住民税や介護費の軽減、生活保護の受給などにつながり、
自己負担額が減る可能性があるからです。
ただ、世帯分離をすると、それまで同居していた家族が別々の世帯となるので、それぞれの
世帯人数や所得に応じて住民税が課せられるようになり、世帯分離前よりも総額が高くなる場合も
あります。

 介護保険サービスを利用し始めた時

介護保険サービスの利用を開始した時に、世帯分離を検討するのがよいでしょう。
介護保険サービスの自己負担割合は、本人の前年の所得額と世帯の所得額によって決まります。
世帯分離によって世帯の所得額が下がれば、自己負担の割合が、3割負担から2割負担、2割負担から
1割負担に下がる可能性があります。
世帯の公平性を保つために、介護保険負担割合証には自己負担割合が記載されています。
ただし、世帯分離後も負担割合が下がらない場合もあるので、よく確認してから検討しましょう。

 医療保険・介護保険の負担額が増えた時

医療保険や介護保険の自己負担額が増えた時に、世帯分離を検討するのがよいでしょう。
高額医療・高額介護合算制度や高額介護サービス費制度が利用できます。
介護保険の負担割合は、前年の世帯ごとの所得に応じて決定されます。
世帯分離を行うことで、一世帯当たりの所得額が下がるので、介護費用の自己負担額も下がる可能性
があります。
所得額によって自己負担の上限額も決まるので、所得区分ごとの 上限額を超えた分は返還されます。

まとめ

この記事では世帯分離について、それがいつから適用されるのか、そのメリットは何かについて
ご紹介しました。
一世帯で暮らしている家族が、住民票を分けて別世帯になることで世帯分離ができますが、
その結果、介護費用の負担額の割合を下げることができる可能性があります。
介護費用の自己負担の軽減を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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