有料老人ホームで働く看護師の仕事内容は?平均給与や役割も紹介!

2024.11.21

みなさんは「有料老人ホーム」という種類の介護施設をご存知でしょうか?
有料老人ホームには、看護師の配置が義務付けられている施設であるため看護師さんの就職先
としても人気のある介護施設です!
この記事では、有料老人ホームについて有料老人ホームとはどんなものかという解説から、
そこで働く看護師さんの役割や仕事内容についても、詳しく解説
していきます!

有料老人ホームとは?

有料老人ホームにおける看護師の役割や仕事内容にふれる前に、「そもそも有料老人ホームとは
どういったところなのか」という点について、有料老人ホームの種類と有料老人ホームにおける
看護師の配置基準について解説
していきます!

 有料老人ホームの種類

有料老人ホームとは、「食事・入浴・排泄の介護」や「洗濯や掃除などの家事」「健康管理」のうち
1つ以上のサービスを提供する施設
です。
自立している高齢者から要介護認定を受けている方まで、施設によって様々な特徴がある、
民間施設となります。
そんな有料老人ホームには以下のような種類があります。


・介護付き有料老人ホーム
 都道府県知事から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、基本サービスには介護保険が
適用され、その名の通り介護サービスが受けられる施設。
・住宅型有料老人ホーム
 生活支援や緊急対応を行い、介護サービスの提供はない施設です。介護サービスが必要な場合は、
個別に外部の介護サービスを受ける必要があります。
・健康型有料老人ホーム
 自立した人が入居できる施設で、要支援や要介護になると退去しなければならない。
提供しているサービスは主に食事の提供や家事のサポートなどです。

 有料老人ホームの看護師の配置基準

有料老人ホームの看護師の配置基準は、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム、
健康型有料老人ホーム」によって違います。
介護付き有料老人ホームにおける看護師の配置基準は「要介護者:看護・介護職員=3:1の基準で
配置」
となっています。
住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームにおける看護師の配置基準は「必要に応じて配置」
となっています。

このように、同じ有料老人ホームであっても配置基準が違います。
また、介護付き有料老人ホームにおける看護師の配置基準には「要介護者30人までは1人、
30人を超える場合は、50人ごとに1人配置する」
と定められています。

有料老人ホームで働く看護師の役割は?

有料老人ホームで働く看護師の役割は「入居者の健康管理」がメインとなります。
要介護度が高い方も利用されている有料老人ホームの場合は、医療行為を行う場面も
少なくありません。
また、有料老人ホームのほとんどは「医師が常にいるわけではありません」そのため、
入居者の容態が急変したりした時には看護師自ら介護士に処置の指示を行うこともあり、
そういった場面では「医療知識を持った現場の責任者としての役割が求められる」こともあります。

有料老人ホームで働く看護師の仕事内容

ここまで、有料老人ホームとは何か?有料老人ホームの種類と、そこで働く看護師さんの役割に
ついて解説しました。
では、有料老人ホームで働く看護師の仕事内容はどういったものがあるのでしょうか?
ここからは、有料老人ホームで働く看護師の仕事内容について解説していきます!

 医療処置

有料老人ホームで働く看護師の仕事内容ひとつ目は「医療処置」です。
有料老人ホームでの日常的な医療処置については、以下のようなものがあります。

①入居者の体調を確認。
②褥瘡(床ずれ)がある利用者の処置。
③痰を自分で喀出できない入居者への痰吸引
④胃ろうによる栄養の注入
⑤インスリンの投与

ほかにも、転倒したり体調が急変した場合は、その対応と受診の準備、医師への報告なども行います。

 入居者の健康管理

有料老人ホームで働く看護師の仕事内容ふたつ目は「入居者の健康管理」です。
では、入居者の健康管理とはどういった方法や、どこまでの範囲が健康管理に含まれるのでしょうか?

①血圧や検温などバイタルサインのチェック
②服薬による変化や効果の確認
③健康管理に異変を感じた場合の医師等への報告と相談
④感染症への対策


入居者の健康管理には上記のようなものが挙げられます。
これに加え、経管栄養や胃ろうなどを増設している方がいれば、器具などに異常がないかなどの確認も健康の管理の範囲に含まれる場合もあります。
看護師が行う仕事内容として紹介していますが、「看護師が中心になってチーム全体で行う」べきことなので全部看護師がしなければならないというわけではありませんので、
安心しましょう。

 日常生活援助

有料老人ホームで働く看護師の仕事内容3つ目は「日常生活援助」です。
看護師の行う日常生活の援助には以下のようなものがあります。


①入居者の爪切り
②食事の介助
③口腔ケア
④服薬の管理や投与


基本的に、排泄の介助や食事の介助などの介護業務は介護士が行いますが、看護師も協力して臨機応変に行っている施設が多いです。
施設によっては、夜勤やオンコール対応などもあります。入居されている方の体調や要介護度に
よって業務内容が大きく変化する場合も少なくないため、どういった方が入居しているのかは事前に
把握しておきましょう!

 通院の付き添いや急変時の対応

有料老人ホームで働く看護師の仕事内容4つ目は「通院の付き添いや急変時の対応」です。
通院の付き添いでは「病院での受付手続きや薬の受け取り」や「移動中の体調観察」などが一般的
ですが、医師に状態を上手く伝えられない方や、医師からの診察を理解できない方の場合は、
代わりに医師への説明などを行う場合もあります。

また、車の乗り降りや移乗に介助が必要な方の場合は、介護士や病院のスタッフと協力して介助や
お手伝いを行う場合もあります。
急変時は、入居者への処置や必要であれば救急要請、医師や家族への連絡と説明なども、他の
スタッフと連携して行います。

有料老人ホームで働く看護師の1日のスケジュール例を紹介

有料老人ホームで働く看護師の1日のスケジュール例は以下の通りです。
9:00 出勤、予定や連絡事項の確認
9:30 巡回、入居者の健康確認
10:30 健康状態に合わせた医療処置
11:30 入浴準備、入浴後の体調確認
12:30 食事の見守り、服薬の確認
13:30 休憩
14:30 バイタルチェック、レクリエーション
16:00 記録、備品管理、補充、会議など
17:30 夜勤スタッフへの申し送り(看護師の夜勤がある施設の場合)
18:00 退勤

※夜勤の有無は施設によって異なり、オンコール対応などを行っている施設もあります。

有料老人ホームで働く看護師の平均給与

看護師が活躍する仕事には、有料老人ホーム以外にも特別養護老人ホームや介護老人保健施設など
様々な事業所があります。
有料老人ホームで働く看護師の平均給与は他の施設に比べてどの程度なのでしょうか?
一例を以下にまとめましたので参考にしてください。
「特別養護老人ホーム」看護師:約42万円 准看護師:約38万円
「介護老人保健施設」 看護師:約45万円 准看護師:約38万円
「有料老人ホーム」 看護師:約43万円 准看護師:約37万円
「グループホーム」 看護師:約40万円 准看護師:約32万円
「デイサービス」 看護師:約35万円 准看護師:約33万円

看護師が有料老人ホームで働く時のメリット・デメリット

看護師は病院、クリニック、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスなど様々な場所
で活躍する職種です。
それぞれの職場によって特色や仕事内容に差があるように、メリットやデメリットも異なります。
ここからは、看護師が有料老人ホームで働く場合のメリットとデメリットについて解説していきます!

 メリット

有料老人ホームで働く際のメリットには以下のようなものがあります。


①介護施設の中では給与の水準が高い
 有料老人ホームは民間が経営しているため、サービスや設備が充実していると収益も大きくなる
ため、介護施設の中では給与も上がる傾向にあります。
②入居者と深く関わることができる
 老人ホームは長期にわたりそこで生活する場合が多いため、信頼関係を気づきながら仕事ができ
その分やりがいにも繋がります。
③日勤中心で働くことができる
 夜勤やオンコールに不安やストレスを感じる方の場合、夜勤やオンコールがない施設もあり
日勤中心で働くこともできることが多いです。
④医療機関に比べて高いスキルが要求されない
 要介護度が高い入居者がいる施設もありますが、医療機関に比べると高いスキルを要求される
ことは少なく、ブランクがあり復職を悩んでいる方にはメリットでしょう。

 デメリット

有料老人ホームで働く際のデメリットには以下のようなものがあります。
①医療機関に比べて給与が少ない
 医療機関に比べて給与が少ない理由として、夜勤やオンコールがない、医療的依存度の低い施設が
多いという理由があげられます。
②スキルアップが難しい
 有料老人ホームでは介護依存度が高い入居者はいますが、医療依存度が高い方は少ないため、
 高度な医療処置は施設内で行わず病院にて対応するため、看護技術などを学びたいという方には
デメリットになる場合があります。
③介護士としての役割を求められる
 施設によっては、医療的なケアが必要な方が少なく、看護師の役割よりも生活支援や介護業務を
する機会の方が多いという場合もあるため、
 事前に看護師としての業務がどのくらいあるか確認しておくとよいでしょう。

まとめ

この記事では、有料老人ホームにおける看護師の仕事内容について解説しました!
有料老人ホームは、民間が運営している介護施設で介護や生活支援、健康管理などどれか1つ以上の
サービスを提供する施設で、施設によって設備やサービスが違うという特徴があります。
有料老人ホームにおける看護師の仕事内容は、医療処置のほか、生活支援なども行うことがあります。
介護施設の中では給与の水準が高い傾向にあり、夜勤やオンコールがない施設であれば日勤中心に
働くことができる場合もあります。

自身が看護師としてどのように働きたいかを考え、自分に合っていると感じた場合は有料老人ホームで看護師として活躍を目指すのもよいでしょう!

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