負担限度額認定証制度という、制度をご存知でしょうか?
負担限度額認定証制度とは、その人の所得に応じて食費や居住費の負担を軽くしてくれる
制度のことをいいます!
自分自身や身の回りで介護が必要になった時に大きな不安にもなりかねない費用の問題、
では、負担限度額の制度は誰でも利用できるのでしょうか?
また、利用するにはどういった手続きをする必要があるのでしょうか?
この記事では、介護保険における介護負担限度額認定証と取得条件や申請時の注意点などに
ついて解説していきます!
目次
介護保険における負担限度額認定制度とは、「介護保険施設を利用した際にかかる居住費や食費など
を軽減する制度」のことを指し、負担限度額認定証とは、「負担限度額認定制度の対象者に交付される
書類」のことをいいます。
ここからは、負担限度額認定証の申請や注意点の前に、まずは、介護保険の負担限度額認定制度の
概要について解説していきます!
介護保険の負担限度額認定は「第1段階」「第2段階」「第3段階(1)」「第3段階(2)」「第4段階」
の5段階に分けられています。
各段階の費用例について特別養護老人ホーム(従来型個室)とユニット型(個室)を例にまとめると、以下のようなイメージになります。
介護保険の負担限度額認定証はどの介護保険施設で使えるというわけではありません。
例えば、有料老人ホームは負担限度額認定制度は利用できないなど決まりがあるのです。
では、どの介護保険施設であれば介護保険負担限度額認定制度が利用できるのでしょうか?
利用できる施設とその概要について見ていきましょう!
介護保険の負担限度額認定制度が利用できる介護保険施設ひとつ目は「特別養護老人ホーム」です。
特別養護老人ホームとは「特養」と略して呼ばれることも多い、介護保険施設です。
常時介護が必要な高齢者が入居できる介護保険施設で、食事、排泄、入浴など日常生活の支援や
介護を行う施設です。
公的な施設であり、広域型、地域密着型、地域サポート型などの種類があります。
24時間、介護を提供できる体制が整っており、要介護度が高い方であっても安心して利用
できる介護保険施設です。
介護保険の負担限度額認定制度が利用できる介護保険施設ふたつ目は「介護老人保健施設」です。
介護老人保健施設は「老健」と略して呼ばれることも多い、施設で介護を必要とする高齢者の
自立を支援し「自宅への復帰を目指す」公的な介護施設です。
医師や看護師、介護士などの専門スタッフが、高齢者一人ひとりの状態や目標に合わせたケアや
リハビリ、食事、入浴、栄養管理などのサービスを提供します。
病状が安定しており入院の治療は必要がない要介護1〜5の方を対象としており、幅広い方が
利用できる特徴があります。
自宅への復帰を目指す施設のため、利用できる期間は原則3〜6ヶ月に限定されているという
特徴もあります。
介護保険の負担限度額認定制度が利用できる介護保険施設、みっつ目は「介護医療院」です。
介護医療院とは、「要介護状態の高齢者の長期療養や生活のためにある施設」です。
要介護者であり、主として「長期にわたる療養が必要である方」に対して、施設サービス計画に
基づいた、療養上の管理、看護・医学的管理の下における、介護および機能訓練、
そのほかに必要な医療の提供と日常生活上の世話を行うことを目的としている介護施設です。
介護保険の負担限度額認定制度が利用できる介護保険施設、4つ目は「介護療養型医療施設」です。
介護療養型医療施設は2024年3月末で廃止となり、前述した介護医療院などへの転換が行われた
介護施設です。
もともと、介護療養型医療施設は「慢性疾患を有し、長期の療養が必要な高齢者に介護や医療、
リハビリテーションなどを提供する施設でした。
医療法人が運営していたケースが多く、それ故に看護師の人員配置が手厚いなどの特徴が
ありました。
しかし、医療サービスを必ずしも必要としない方が利用したり、医療費や社会保障費の圧迫などの
問題が背景にあり廃止となりました。
介護保険の負担限度額制度が利用できる介護保険施設、5つ目は「地域密着型介護老人福祉施設」です。
地域密着型介護老人福祉施設はとは「入居できる定員が29名以下の特別養護老人ホーム」です。
地域や家族との結びつきを重視した支援を行う施設であり、「小規模特養」と呼ばれることもあります。
サービスの内容は流れは、特別養護老人ホームとほぼ同じで、入浴や食事などの日常生活のサポート、療養上のケア、機能訓練などを提供する介護保険施設です。
ここまで、介護保険の負担限度額認定制度についての解説と制度を利用できる介護保険施設の
紹介をしました。
ここからは、介護保険の負担限度額証を取得するための条件について解説をしていきます。
介護保険の負担限度額認定証は「有効期限があり、自動更新はされないため、
毎年申請をしないといけない」ため、しっかりと条件について把握と理解をしておきましょう!
介護保険負担限度額認定証の取得条件ひとつ目は「本人と同じ世帯の全員が住民税非課税であること」です。
対象者の所得と資産によって、以下の4つの利用者負担段階に分類されます。
また、上記のいずれにも該当しない人(市町村民税世帯課税者)は「第4段階」と呼ばれます。
介護保険負担限度額認定証の取得条件ふたつ目は「預貯金等が基準以下であること」です。
段階ごとの基準について、以下にまとめました。
※介護保険の負担限度額認定証を取得するには、前述した「所得」についての条件と、
この「預貯金」についての条件「どちらも満たす」必要があります。
※預貯金に該当するものは次のとおりです。「普通・定期の預貯金」「有価株式」
「金・銀などの貴金属」「投資信託」「負債(ローン、借入金など)」「現金」
※生命保険、自動車、貴金属などを預貯金にあたりません。
介護保険における、負担限度額認定証の申請への条件を2つとも満たした方は、申請手続きを
行っていきましょう。
ここからは、介護保険の負担限度額認定証の申請方法について具体的かつわかりやすく
ご紹介していきます!
負担限度額認定証の申請を行う際は、以下の必要書類を準備しましょう。
※申請に必要な書類は地域によって異なります。上記は一部地域の例として紹介しておりますので、
事前にお住まいの自治体やケアマネージャーに相談しましょう!
生活保護を受給している方は、上記の書類のうち②と③の書類は必要ありません。
用意する書類が少ないため、一般の方よりもスムーズに申請を行える場合が多いです。
介護保険の負担限度額認定証の取得を申請する場所は「住んでいる市区町村の介護保険担当窓口」
です。
申請書類は、「市区町村の窓口、地域包括センター」のほか、「自治体のホームページ」でも
配布していることが多いです。
すでに、現在利用している介護施設がある場合、現住所と別の自治体にある介護施設を利用していた
としても、元々住んでいた自治体に申請します。
また、介護保険の負担限度額認定証は「事前に施設に提出しなければ減額されない」ので
注意が必要です。
介護保険の負担限度額認定証の交付は「初回は申請してから1周間程度」で自宅に郵送されます。
なお、認定証は初回申請時と更新時では、郵送されるタイミングが異なります。
更新時は「その年の8月1日時点での世帯の状況で負担限度額の認定を判定します。
そのため、「更新時は8月の中旬」に郵送され手元に届きます。
また、介護保険の負担限度額認定証の更新は、「自動更新ではない」ため、毎年申請を忘れずに
行うようにしましょう!
介護保険の負担限度額認定証の申請にはいくつかの注意点があります。
これから解説する注意点を見落とすと申請が下りない場合や、手間が増えてしまう可能性も
ありますので、しっかりと申請方法と合わせて、注意点についても理解と把握をしておきましょう!
介護保険の負担限度額認定証を申請する際の注意点ひとつ目は「所得や預貯金等は正確に申告する」
です。
介護保険の負担限度額認定は「所得」と「預貯金」に基準と条件があります。
確実に申請が通ってほしい、より減額を受けたいといって、この所得や預貯金をごまかして
申請してはいけません。
もしも、申告した内容に嘘があれば「虚偽の申請」とみなされ、
「それまでに受けた給付額を返還する」のはもちろん「最大2倍の加算金を支払わなければならない」
可能性が発生します。
そのため、所得や預貯金等は正確に申告するようにしましょう!
介護保険の負担限度額認定証には「有効期間」が定められています!
この有効期間は「毎年8月1日〜翌年7月31日まで」となっています。
初回申請の場合は「申請月の1日〜翌年7月31日まで」となります。
この記事でも何度か触れましたが、
「負担限度額認定証の更新は”自動更新ではない”ため、毎年しっかりと更新の申請をする」
必要があります!
負担限度額認定証は毎年更新のため、「前年の世帯所得の状況に応じて決められます」
そのため、「毎年同じ負担限度額とは限らない」ため、更新の際はきちんと確認をしておきましょう!
この記事では、介護保険の負担限度額認定証について解説しました。
介護保険の負担限度額認定制度は、4段階に分けられており、それぞれ負担限度額が異なります。
この段階は、「所得」と「預貯金」の条件から決められ、どちらの条件も満たしておく必要があります。
介護は身体的、精神的、そして経済的にも負担がかかるものです。こういった制度や仕組みを
理解し取り入れることで、負担を少しでも少なくし、介護が必要な方も、介護をする方も
協力しあって過ごしていきたいですね!