血圧の数値の見方!正常値や平均値・正常に保つためのポイントも解説

2024.12.09

年齢を重ねる毎に健康の意識が高まり、気になってくるのが血圧の数値ですよね。
血圧が高いと、心臓病や内蔵疾患のリスクが高まります。
そんな血圧に関して、「気にはしているけどどのくらいが正常なのかわからない」
「どうすれば血圧の数値が改善されるのだろう」と、お困りの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、血圧を気にし始めたあなたに向けて、血圧の数値の見方や正常値、
平均値、正常に保つためのポイントについても解説します。

血圧とは

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の内壁を押す力、またはその値を指します。
この数値を元に心臓が血を送り出す力が高いか低いかなどを判断していきます。
ここからは、血圧の数値が何を意味しているのか、血圧の正常値や基準値について解説していきます。

 血圧の数値が表しているもの

血圧を測定すると、数値がいくつか出るかと思います。
なんとなく、数字が高いと血圧が高くて、数字が低いと血圧が低いという方はわかるけど、
何を意味しているかまではわからないという方も多いのではないでしょうか。
血圧計に表示される血圧の数値が表しているものは、「収縮期血圧と拡張期血圧」です。
血圧計によっては別の段に脈拍数も表示されるものもあります。

  • 収縮期血圧は「心臓が血液を送り出すときに最も大きくなる血圧のこと」で、
    一般的に「上の血圧・最高血圧」と呼ばれるものです。
  • 拡張期血圧は「心臓が膨らみ、送り出す血をためているときの血圧のこと」で、
    一般的に「下の血圧・最低血圧」と呼ばれるものです。

    そのため、収縮期血圧(上の血圧)が高いと血管や身体にかかる圧が強くなっていることが
    わかり、反対に拡張期血圧(下の血圧)が低いと身体に血液を送り出す圧が弱くなっている
    ことがわかるのです。

 血圧の正常値

血圧の正常値は以下の通りです。

  • 診察室血圧の場合:120mmHg未満 / 80mmHg未満 (上の血圧の値 / 下の血圧の値)
  • 家庭血圧の場合:115mmHg未満 / 75mmHg未満 (上の血圧の値 / 下の血圧の値)

診察室血圧とは、病院やクリニックなどの診察室で測定する血圧のことを言います。
医療従事者が測定するため、緊張などで通常の血圧より高くなる傾向があるため、2回以上の
測定の結果に基づくこととされています。
このため、家庭で測定する血圧に比べ診察室血圧の基準は少し高めに見積もられています。

低血圧・高血圧の基準値

低血圧と高血圧の基準値は以下の通りです。

  • 「低血圧」
    一般的には、収縮期血圧(最高血圧)が「100mmHg未満の場合は低血圧にあたる」
    とされています。
    ※生まれつき血圧が低く、低血圧でも体調不良などの症状がない方もおられます。
  • 「高血圧」
    診察室血圧の場合:最高血圧が、140mmHg以上または、最低血圧が90mmHg以上。
    家庭血圧の場合:最高血圧が、135mmHg以上または、最低血圧が85mmHg以上。

    ※血圧は上下しやすいので、一時的に高血圧になることもあります。

年代別の血圧平均値を紹介

ここまで、血圧とは何かという基本と血圧の数値の意味について解説し、血圧の正常値、
低血圧と高血圧の基準についても解説しました。
基準値だけを見ると「自分って高血圧だったのか」「もしかして低血圧なの」と不安になる方も
おられるかもしれません。

しかし、心配する前にもうひとつ知っておいてほしいのが、各年代の血圧の平均値です。
血圧の基準値と同じくらい平均からどれくらい離れているかというのも、健康状態を推測するのに
大切な数値です。
それでは、各年代の血圧の平均値を見ていきましょう。

 20代の血圧平均値

20代の血圧の平均値は以下の通りです。

  • 男性の場合:収縮期血圧が「115.3mmHg」、拡張期血圧は「67.7mmHg」
  • 女性の場合:収縮期血圧が「105.7mmHg」、拡張期血圧は「63.8mmHg」

特徴として、男性は女性に比べて筋肉量が多く、男性ホルモンの影響を受けやすいため血圧が
高い傾向にあります。
また、20代の成人男性は塩分や脂肪の摂取量が増加し、生活習慣病のリスクが高まりやすいため、
注意しましょう。

 30代の血圧平均値

30代の血圧の平均値は以下の通りです。

  • 男性の場合:収縮期血圧が「117.2mmHg」、拡張期血圧は「73.8mmHg」
  • 女性の場合:収縮期血圧が「108.0mmHg」、拡張期血圧は「66.4mmHg」

血圧は加齢に伴い上昇する傾向にあります。
これは、加齢により血管の弾力性が失われることが要因の1つで、塩分摂取量や喫煙量、
飲酒量による生活習慣によっても血圧の上昇を引き起こします。
30代で血圧が上昇傾向にある場合は、生活習慣を見直すことが正常な血圧への近道といえるでしょう。

 40代の血圧平均値

40代の血圧の平均値は以下の通りです。

  • 男性の場合:収縮期血圧が「127.0mmHg」、拡張期血圧が「83.0mmHg」
  • 女性の場合:収縮期血圧が「118.0mmHg」、拡張期血圧が「75.0mmHg」

40代になると、健康診断で「高血圧、血圧高め」と診断される方が増えてきます。
高血圧は放置しておくと、心疾患などの重大な疾患のリスクが高くなるため、血圧を測定する
習慣をつけて、数値を見ながら生活習慣の改善に務めましょう。

 50代の血圧平均値

50代の血圧の平均値は以下の通りです。

  • 男性の場合:収縮期血圧「131.7mmHg」、拡張期血圧「82.0mmHg」
  • 女性の場合:収縮期血圧「123.7mmHg」、拡張期血圧「75.4mmHg」

50代になると血管が硬くなってくるため、血圧はやや高くなる傾向にあります。
また、50代は更年期の時期でもあるため、ホルモンバランスの乱れが血圧の上昇や高血圧になる
リスクも隠れています。
年齢と血圧があがると、脳卒中や心疾患、糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクも上がるため、
血圧くらいと軽く見ずに血圧を正常値に戻すよう、生活習慣を見直していきます。

 60代の血圧平均値

60代の血圧平均値は以下の通りです。

  • 男性の場合:収縮期血圧「135.8mmHg」、拡張期血圧「78.5mmHg」
  • 女性の場合:収縮期血圧「131.0mmHg」、拡張期血圧「76.7mmHg」

60代になると、血管の老化もすすみ、血圧管理がとても重要になってきます。
血圧の正常値の範囲内であっても、血管の状態や生活習慣について注意していく必要がでてくる
年代となります。
血圧の数値が正常な方であっても、自宅で毎日血圧を測定する習慣をつけ生活習慣に気を配っていきましょう。

 70代以上の血圧平均値

70代の血圧の平均値は以下の通りです。

  • 男性の場合:収縮期血圧「135.8mmHg」、拡張期血圧「73.1mmHg」
  • 女性の場合:収縮期血圧「136.1mmHg」、拡張期血圧「73.0mmHg 」

70代では、血管の老化もすすみ血圧が高い方が増えてきます。
正常値とされている「120mmHg / 80mmHg(診察室血圧)」から、外れている方も多くなります。
糖尿病や腎障害を発症していない高齢者であれば、血圧が「125〜139mmHg / 65〜85mmHg」
の範囲に収まっているのが理想という考えもあります。
血圧を維持するには、減塩や運動の習慣を取り入れたり、医師と相談しながら薬物療法を行うなどで
管理をしましょう。

血圧を正常値に保つためのコツを紹介

皆さんの血圧は、各年代の血圧の平均と比べてどうだったでしょうか。
平均から離れており、血圧の値が高血圧や低血圧の範囲に入っている方は血圧の改善に向けて
取り組みましょう。

ここからは、血圧を正常に保つための取り組み方がわからないという方に向けて、
血圧を正常値に保つためのコツを紹介していきます。

 食生活を改善する

血圧の数値を改善するには食生活を改善しましょう。血圧の良い食生活のポイントには以下の
ようなものがあります。

  1. 高脂肪・高コレステロール食を控える。
  2. 野菜や果物、ナッツ類、豆類、魚類、低脂肪乳製品、穀類などを中心とした複合食を意識する。
  3. カリウムやマグネシウムを接種する。(ほうれん草、春菊、アボカドなど)
  4. 食物繊維をバランス良く接種する。(腸内環境を改善し、血圧の上昇を抑える効果がある)
  5. 塩分の摂取量を控える。
  6. 外食や加工品の食塩量に注意する。(意外と食塩が含まれている場合があるため)

 適度な運動を行う

高血圧や血圧が高めな方は、適度な運動を行うことも血圧改善に効果的です。

  1. ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動
  2. サイクリング
  3. 水泳・水中ウォーキング
  4. アクアビクス
  5. レクリエーションスポーツ

身体に負担がかかりすぎない程度、1日30分程度からで大丈夫なので運動を生活習慣に
取り入れることがおすすめです。
また、ストレッチなども効果的で運動の前にケガ防止のためにも取り入れることで血圧の改善に
効果があります。
もしも、重度の高血圧や心臓に持病がある方は運動をしないほうが良い場合もあるため、
医師に相談しながら行いましょう。

 適正体重を維持する

血圧を改善するには、適正体重の維持や減量が有効である場合が多いです。
肥満を伴う高血圧の場合は、まず減量を検討しましょう。
一般的に、体重を1キロ減らすと血圧が約2mmHg下がると言われています。
一気に減量をすると負担が大きいので、継続した運動や食事管理などで、
長期的に少しずつ減量していくことを心がけましょう。

適正体重の求め方は以下の通りです。
【 適正体重=身長(m)×身長(m)×22 】
身長170cmの方の場合の例、
1.7 × 1.7 × 22 = 63.58(kg)

 禁煙・節酒に努める

喫煙と飲酒は血圧を上昇させてしまうリスクが大きいため、血圧を改善したい方は禁煙と
節酒に務めるようにしましょう。

なぜ、喫煙と飲酒が血圧に悪いのかというと、タバコに含まれるニコチンは、血管を縮小させる効果
があります。喫煙により縮んだ血圧に心臓から血液を送り込まれると、血圧に大きな負荷がかかり
血圧が上昇します。
まるで、水が出るホースの先をつまむと水の勢いが増して強く水がでるようなイメージです。

お酒に含まれているアルコールは、血管を拡張させる効果があります。そのため、少量であれば
一時的に血圧が下がることもありますが、アルコールを多量に節酒すると、血液の濃度が上がり
血圧が上昇してしまいます。
これは、血液の濃度が上がることで、血液の粘りが強くなるため、硬い血液を送り出すのにより
強い血圧が必要で、血圧が上昇してしまうのです。

 十分な休息・睡眠をとる

睡眠と血圧は、あまり関係がないように思われる方もいるかもしれませんが、
実は睡眠や休息と血圧は密接な関係があることが判明しています。

睡眠の質や時間が不足すると、ホルモンバランスや自律神経が乱れます。
このホルモンや自律神経は血圧の調整を司る役目もあり、これらが乱れると、血圧が値が不安定に
なりやすくなります。
ストレスや疲れもこの自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れに繋がります。

ストレス発散や癒やしの時間を確保し、十分な休息をとることで、血圧の上昇や乱れを改善する
効果が期待できます。

まとめ

血圧は、心臓が送り出す血液が血管の内壁にかける負荷を数値にしたものです。
血圧の正常値は、診察室血圧で「120mmHg / 80mmHg」家庭内血圧で「115mmHg / 85mmHg」
とされています。

この範囲を逸脱し、高血圧や低血圧になると、脳卒中や心疾患、糖尿病などのリスクも高まるため、
血圧の値は健康を維持するのにとても大切です。
血圧の値を改善するには「食生活の改善や禁煙と節酒をする」、「運動を生活に取り入れる」、
「十分な休息や睡眠をとるようにする」ことが効果的です。

みなさんも、血圧を改善して病気のリスクを減らし、健康で元気な生活を手に入れましょう。

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