介護予防とは何かを解説!介護予防サービスを受けるまでの流れも紹介

2025.01.15

超高齢化社会へと進んでいっている日本では、介護が必要となる人が増えていっています。
しかし、介護が必要な状態を少しでも予防できれば、自分らしく充実した生活を長く送ることが
できます。
そこで重要となるのが、介護予防なのです。

この記事では、介護予防がどのようなもので、どのようなサービスを提供しており、どのように
すれば受けられるかなどを詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

介護予防とは簡単に何か

介護予防といわれても、なかなか聞きなじみのない人も多いのではないでしょうか?
簡単に言うと介護が必要な要介護状態になることを防ぎ、健康寿命を延ばすための取り組みを
行うことです。
これより、管轄する厚生労働省の定義と、介護予防の目的について詳しく説明していきたいと
思います。

 厚生労働省の定義

厚生労働省は介護予防の定義を以下のように定めています。
「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあっても
その悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」
つまり、要約すると次のことが介護予防の定義なのです。

  1. 今の段階で介護が必要でない人はできるだけ介護が必要な状態にならないようにすること
  2. 今の段階で介護が必要な状態の人は、さらに介護が必要な状態に悪化させないように、
    少しでも状態をよくすること。
    上記二つの取り組みを介護予防としています。

 介護予防の目的

介護予防の目的は、簡単に言えば「介護ができるだけ不要な状態を続けて、健康寿命を延ばそう」
ということです。詳しく説明すると、以下の3つの目的があります。

  1. 要介護状態の発生を予防する
    加齢に伴って低下する身体機能と認知機能に対して、適切な予防法を用いて、進行や低下を
    遅らせることで、要介護状態を防ぐ
  2. 要介護状態の悪化を防止する
    すでに要介護状態にある場合、適切なケアやリハビリテーションによって、状態の悪化を防ぎ、
    可能な限り自立した生活を維持する
  3. 生活の質(QOL)を向上させる
    介護予防を通して、心身の健康を維持し、社会参加の機会を途切れないように、そしてさらに
    増やすことで、生活の質を高め、生きがいのある生活を送れるように支援する

介護予防の3段階のステージとは?

介護予防は、健康寿命を延ばすための取り組みです。
その取り組みには大きく分けて3つのステージがあります。これから、この3つのステージについて、
詳しく説明していきたいと思いますので、その目的と取り組みの違いについて見てみてください。

 一次予防

一次予防とは、健康状態を維持し要介護状態にならないようにするための取り組みのことです。
まだ介護が必要ではない方が対象で、要介護にならないように、心身共に健康な状態を保つことを
目的としています。一次予防の活動例が次のようなものです。

  • ウォーキングや体操などによる運動の習慣
  • 高齢者のための運動教室
  • 栄養教室による食生活改善
  • 地域の活動に参加して社会参加する

    一次予防の活動は、日常生活の中でもすぐに取り入れられるものがたくさんあります。
    「まだ大丈夫」と思わずに、積極的に取り組むことが健康寿命を延ばすためには重要です。

 二次予防

二次予防とは、要介護状態になるリスクのある方に対して、その状態の悪化を防ぎ、要介護状態に
なるのを遅らせるための取り組みです。対象となる人は、軽度な身体機能の低下や認知機能の低下が
みられる人となっています。二次予防の活動ば次のようなものです。

  • 運動機能の維持・向上
  • 栄養状態の改善
  • 口腔機能の維持・向上
  • 生活習慣病の予防と管理

    これらの活動の中から適切なものを早めに行うことで、状態悪化や要介護状態になるのを
    遅らせることが期待できます。

 三次予防

三次予防は、すでに要支援状態・要介護状態になってしまった人が対象となります。
介護状態の悪化を防ぎ、可能な限り自立した生活を維持し、生活の質(QOL)を向上させることを
目的とした取り組みのことです。具体的な活動は次のようなものです。

  • リハビリテーション
  • 日常生活の支援
  • 医療ケア
  • 口腔ケア

    三次予防は、要支援・要介護状態になってしまった人が、その状態を受け入れながらも、
    できるだけその人らしい生活を維持していくために、重要な役割を担っています。

介護予防サービスの種類「予防給付」とは?

介護予防サービスには2つの種類があり、ここからは「予防給付」について説明していきます。
予防給付とは、要支援1や2と認定された人が利用できるサービスです。介護状態の悪化を防ぎ、
自立した生活を続けることを目的としています。
サービスには、「訪問」、「通所」、「地域密着型」の三つの形態があります。
これより、この三つについて説明していきたいと思います。

 訪問型

訪問型とは、各専門の技術を持つ人が、自宅を訪問してサービスを提供する形態です。
そのサービスの種類には次のようなものがあります。

  1. 訪問介護・・・ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・入浴・排せつの介助や、調理や
    洗濯などの家事援助を行う
  2. 訪問リハビリテーション・・・理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、身体機能の維持や
    向上のためのリハビリテーションを行う
    ③訪問看護・・・看護師が自宅を訪問し、健康状態の確認や医療処置を行う
    訪問型は、自宅で過ごす時間が長い人や、外出が困難な人に向いているサービス形態です。

 

 通所型

通所型は、施設に日帰りで通って、サービスを受ける形態です。
そのサービスの種類には次のようなものがあります。

  • デイサービス・・・日帰りで施設に通い、入浴・食事・レクリエーションなどの
    サービスが受けられる
  • デイケア・・・日帰りで施設に通い、理学療法士や作業療法士などによるリハビリテーションが
    うけられる
    通所型は、外出の機会が少なく社会とのつながりが希薄な人、身体機能の維持・向上をしたい
    人に向いているサービス形態です。

 地域密着型

社会とのつながりを絶たないように、住み慣れた地域で生活を続けられるよう支援するサービス形態
です。そのサービスの種類には、次のようなものがあります。

  • 小規模多機能型居宅介護・・・「通所型」、「訪問型」、「泊り」を組み合わせた、
    複合型のサービスを提供
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)・・・認知症の方が、少人数で共同で生活し、
    家庭的な環境の中、日常生活のサポートを受けられる
    地域密着型は、住み慣れた地域で、できるだけ長く過ごしたいという人に向いている
    サービス形態です。

介護予防サービスの種類「総合事業」とは?

介護予防サービスには、「予防給付」の他にも「総合事業」というものがあります。
これは、市町村が主体となって提供する介護予防サービスです。65歳以上のすべての人、
または要支援1や要支援2の人を対象に、地域の実情に合わせて様々なサービスを提供しています。

ここからは、総合事業について説明していきたいと思います。

 一般介護予防事業

65歳以上の高齢者であれば誰でも参加することができる介護要望のための取り組みです。
地域住民やボランティアが中心となって運営され、体操教室や健康居室、サロン活動など、
様々な活動が行われています。

これは、高齢者の心身の健康状態を維持するだけでなく、社会参加を促進することで、要介護状態に
なることを予防するのが目的です。
この事業は、参加費が無料または、低額で実施されているため、気軽に楽しく介護予防に
取り組むことができます。

 介護予防・生活支援サービス事業

高齢者が住み慣れた地域で元気に暮らせるように、市町村が主体となって提供するサービスです。
要支援1・2は当然ながら、65歳以上の方ならだれでも参加することができます。

事業内容としては、運動器の機能向上訓練や、栄養改善などの介護予防サービスと、家事援助や
買い物代行サービスなどの生活支援サービスの2つがあります。

地域の実情に合わせて、体操教室やサロン活動など、多様なサービスを提供しています。
費用は原則1割負担となりますが、所得に応じて軽減される場合もあるがあるため、
一度確認しておくとよいでしょう。

 介護予防サービを受けるまでの流れを紹介

介護サービスを利用するには次のような流れが必要です。

  1. 申請書提出
    要介護認定の申請が必要です。市区町村の窓口に置いてある申請書書類に必要事項、必要書類を
    添付し提出しましょう。
  2. 訪問調査
    申請書を提出後、認定調査員の訪問があります。この調査員により、心身の状態の調査が
    行われます。
  3. 決定通知
    介護認定審査会により決定された介護度が郵送にて通知されます。
    ここで要支援1・2と判定された場合に、介護予防サービスを利用することができるように
    なります。
  4. サービス計画(ケアプラン)の作成
    ケアマネージャーに依頼し、サービス計画を作成してもらいます。
    この4つの流れを踏まえることで、サービスを受けられるようになります。
    わからない場合には、市区町村の窓口にて教えてもらえるので、気軽に相談してみてください。

まとめ

介護予防は、要介護状態になるのを防ぎ、健康寿命を延ばすための取り組みです。

加齢とともに体力や認知機能が低下することは自然なことです。
しかし、適切な予防活動を行うことで、その進行を遅らせ、自立した生活を長く続けることが
できます。介護予防は、対象となる高齢者本人だけでなく、地域社会全体で取り組む必要があります。その中心となっているのが地域包括支援センターです。
何か困ったことがあったら、一人で悩まずに地域包括支援センターへ相談しましょう。

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