デイサービスで働く看護師の仕事内容を紹介!求人の探し方や平均年収も

2025.01.23

「デイサービスで働く看護師」の仕事内容や求人の探し方を紹介します。
デイサービスでは、介護職員だけでなく看護師も活躍していて、医療面のサポート以外にも
さまざまな業務をこなしているのです。

この記事では、デイサービスで働く看護師の仕事内容や平均年収、求人の探し方、
メリット・デメリットを解説します。
現役看護師や看護師を目指している方で、「高齢者と接することが好き」、
「育児と仕事を両立させたい」という方におすすめの内容です。

デイサービスとは

デイサービスとは、要介護認定を受けた高齢者が日帰りで通う介護施設です。
利用者が、できるだけ自宅で日常生活を続けられるように、食事や入浴などの日常生活の
お世話やレクリエーション、機能訓練などのサービスを提供します。
在宅の要介護者の心身機能維持と尊厳回復を図るとともに、家族の介護負担を減らすのが
主な役割です。

利用定員が10名を超えるデイサービスには、生活相談員・看護職員(看護師または准看護師)
・介護職員・機能訓練指導員が、各1名以上配置されています。

デイサービスで働く看護師の仕事内容

ここでは、デイサービスで働く看護師の仕事内容を紹介します。
デイサービスでは、通常は病院のような高度な医療行為は行われません。
そのため、デイサービスにおける看護師の役割や仕事内容は、病院勤務の看護師とは異なる
部分があります。

 利用者の健康チェック

デイサービスで働く看護師の代表的な仕事内容は、利用者の健康チェックです。
具体的には、以下のとおりです。

  • バイタルチェック(体温・血圧・脈拍などの測定)
  • 看護記録
  • 口腔ケア
  • 家族への健康指導
  • 応急対応

    そのほか、利用者の体調に応じて、利用サービスを調整するのも看護師の役割です。
    例えば、バイタルチェックで体調が悪いと判断された場合は、その日の入浴や
    機能訓練などの中止・変更を提案します。
    また、利用者の小さな異変を見逃さない観察力も求められます。

 医療ケア

デイサービスには医師が常勤していないため、看護師は医療行為を行える唯一の職員です。
ただし、デイサービスでは補助程度の医療行為しか行われず、点滴や採血、重篤な外傷の
処置などは行われません。
デイサービスの看護師が、医師の指示のもとで行う医療ケアには、例えば以下のものがあります。

  • 経管栄養
  • 血糖測定・インスリン注射
  • 床ずれの処置やケア
  • 摘便
  • 喀痰吸引

    近年、介護職員でも「喀痰吸引等研修」を受講・修了すれば、医師の指示に従い
    「喀痰吸引」と「経管栄養」を行うことができるようになりました。

 服薬管理

デイサービスの看護師は、利用者の服薬管理も行います。
看護師は、利用者の疾患を理解し、処方された薬について把握する必要があります。
薬手帳などで、自宅から持参した薬が間違いないか、副作用の危険性はどうかなどの確認をします。
誤飲や飲み忘れがないよう、薬を渡したり内服を介助したりするのも、看護師の役割です。
利用者や家族が安心して過ごせるよう、安全で確実な服薬管理の実施が求められます。
また、服用後の体調変化によっては、すぐに家族や医療機関へ連絡することも必要となります。

 食事・入浴・排泄の介助のサポート

デイサービスの看護師は、介護スタッフのサポートを行うことも多いです。
そのため、食事・入浴・排泄の介助といった身体介護のサポートも行います。
正しい介助の方法についての知識・スキルに加え、体力も必要となります。
また、看護師が「機能訓練指導員」を兼務することも珍しくありません。
仕事内容は、機能訓練プログラムの計画や実施、指導といったものです。

さらに、施設によっては、レクリエーションの企画・実施や送迎車の運転など、さまざまな
業務を行うことがあります。業務の範囲については、面接の際などに確認しておくことが大切です。

デイサービスで働く看護師の平均年収

デイサービスで働く看護師の平均年収はどのくらいなのでしょうか。
また、看護師全体の平均年収と比べてどうなのでしょうか。
厚生労働省の「令和4年賃金構造統計調査」のデータをもとに平均年収を算出すると、
以下のようになります。

  • デイサービスで働く看護師: 約435~450万円
  • 看護師全体: 約506万円

    デイサービスの看護師の平均年収は、病院勤務を含めた全体と比べてやや低い傾向があります。
    その理由としては、デイサービスでは病院のような夜勤や宿直、早番、遅番がないことなどが
    考えられます。
    年収は低めですが、家庭と両立したい方や、ブランクがあって医療行為に不安がある方
    などには、デイサービス勤務がおすすめです。

デイサービスの看護師の求人の探し方は?

ここでは、デイサービスの看護師の求人の探し方のうち、「求人サイトを活用する」、
「ハローワークを活用する」という2つの方法を紹介します。
これら以外に以下の方法もあります。

  1.  希望する就職先に直接申し込む。
  2. 日本看護協会が運営する「ナースセンター」で探す。
  3. 知人に紹介してもらう。
  4.  転職エージェントに登録する。

 求人サイトやハローワークを活用する

① 求人サイトを活用する
求人サイトは、働きながらでも隙間時間に職探しできる便利なサービスです。
ただし、求人検索から応募、面接の日程調整など、すべて自分でやる必要があります。
こまめに複数の求人サイトをチェックすることで、希望条件にマッチした求人を見つけ
やすくなります。
ハローワークよりも詳しい情報を得やすく、就職先との直接のやり取りのため、
採用までの流れが早いというメリットがあります。

② ハローワークを活用する
ハローワークは、求職登録を行えば誰でも利用できますが、さまざまな業種・職種の求人から看護師に絞って調べるのに手間がかかります。ただし、地元や小さな事業所の求人は豊富です。
求人検索は自宅からでもインターネットでできますが、応募する場合はハローワークに
直接出向かなくてはなりません。
また、応募先企業の細かい情報や詳しい勤務条件が明確でない場合もあります。

デイサービスで働く看護師のメリット・デメリット

看護師がデイサービスで働く場合には、メリットだけでなくデメリットもあります。
就職してから「こんなハズじゃなかった」と後悔しないためにも、あらかじめメリットとデメリットの両方についてよく理解しておくことが重要です。

 メリット

  1. 規則的な勤務形態、多様な雇用形態
    多くのデイサービスでは、日勤のみで勤務時間が固定されており、平日のみ運営されている
    ことが多いです。また、正社員だけでなく、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトなど
    雇用形態もさまざまです。
    育児や介護との両立がしやすく、ワークライフバランスを保ちやすい職場といえるでしょう。
  2.  医療ケアは少なく、精神的な負担が少ない
    デイサービスの利用者は、要介護度が低めで比較的元気な方が多く、医療行為が発生することは
    多くありません。また、健康管理や介護スタッフのサポートが多い職場なので、病院勤務と
    比べて精神的な負担をあまり感じることなく勤務できます。
    そのため、ブランクがあっても復職しやすい職場といえます。

 デメリット

  1.  給与がやや低い
    前述のとおり、病院看護師より給与は少し低いです。
    これは、夜勤がないことなどが主な理由と考えられます。
  2.  看護・医療のスキルアップがしにくい
    医療行為を行うケースが多くないため、看護師としてのスキルアップの場にはあまり適して
    いません。その代わり、介護や機能訓練などの技術を磨く機会は多いです。
  3. 求人は多くない
    病院と比べてデイサービスは必要な看護師数が少ないため、求人数も多くはない傾向にあります。
    また、少人数体制の職場では即戦力を求められやすく、介護業界での経験が有利になる
    場合もあります。

まとめ

今回は、デイサービスで働く看護師について解説しました。

・仕事内容は、「利用者の健康管理」・「医療ケア」・「服薬管理」・「介助のサポート」。
・平均年収は、約435~450万円で、看護師全体の平均年収よりやや低い。
・求人の探し方は、求人サイトやハローワークなどを活用。
・メリットは、「勤務形態が規則的」・「雇用形態が多様」・「医療ケアが少なく
ブランクから復職しやすい」。
・デメリットは、「給与は低め」・「看護スキルを磨きにくい」・「求人は多くない」。

高齢者の健康をサポートしながら生活に寄り添ったケアをしたい方や、自身の
ワークライフバランスを重視したい方は、デイサービスへの就職を検討してみてはいかがでしょうか。

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