シルバーハウジングとは何か?入居対象者や特徴・サービスなどを解説

2025.02.07

みなさんはシルバーハウジングという賃貸住宅をご存知ですか?
シルバーハウジングとは、高齢者が自立して快適に生活することができることを目的として、
昭和62年に制定された公的な賃貸住宅ですが、名前は知っていてもシルバーハウジングが
どんなものかを知らない人も多いかと思います。

この記事では、そんなシルバーハウジングの特徴やサービスについて解説していきます。

シルバーハウジングとは?

シルバーハウジングとは、バリアフリー化された住宅に緊急通報装置や見守りセンサーなどがつき、
ライフサポートアドバイザー(生活援助員)から、生活支援サービスを受けられるもので、
高齢者の自立した生活を支える公的な賃貸住宅です。

 シルバーハウジングの主な供給主体

シルバーハウジングの主な供給主体は以下の通りです。

  1. 自治体(都道府県や市町村など一定の地域の住民の生活支えるために、公共の事務を処理する
    権限をもつ団体)
  2. 都市再生機構(豊かで機能的な都市生活の実現を目指し、社会経済情勢の変化に対応した
    都市機構の高度化および居住環境の向上に関する事業を推進する独立行政法人)
  3. 住宅供給公社(地方住宅供給公社法に基づいて設立された公法人で、住宅の供給や管理、
    まちづくりを行っている)

 シルバーハウジングの入居対象者

シルバーハウジングの入居対象者は以下のとおりです。

  • 60歳以上の方(物件によっては65歳以上となっているところもあるため注意)
  • 高齢者世帯もしくは障害者世帯が対象。

    ※高齢者世帯とは、65歳以上の者のみで構成されている世帯、または65歳以上の者と
    18歳未満の未婚の者が加わった世帯を指します。
    ※障害者世帯とは、世帯主が障害者加算を受けているか、身体障害、知的障害の心身上の
    障害のため働けない者である世帯を指します。
    ・年収制限や貯蓄の条件などがある。

 シルバーハウジングの特徴

シルバーハウジングの特徴は、先述した供給主体や対象者などに加えて以下のような特徴があります。

  • 「住宅仕様について」

・居室面積は、おおよそ30㎡〜おおよそ60㎡程度で、単身または2人世帯向け。
・手すり、段差解消などバリアフリー化がされている。
・緊急通報システム、見守りセンサー等の高齢者の生活に配慮した設備を装備している。

  • 「生活支援サービスの提供」
    ・ライフサポートアドバイザー(生活援助員)が配置されている。
    ・入居者に対する生活相談、安否確認、緊急時対応等のサービスを提供している。

 シルバーハウジングの入居にかかる費用

シルバーハウジングの入居にかかる費用に目安は以下のとおりです。

  • 「初期費用について」
    ・敷金は、おおむね家賃の2〜3ヶ月。礼金はなし。
  • 「月額費用について」
    ・家賃 ※供給主体が公営かどうかで金額が変わります。
    ・公共住宅の場合、入居者の収入状況により、月額1〜10万円程度の減免があります。
    ・都市再生機構(UR)の場合、近隣の家賃の相場と同等です。
    ・共益費、管理費

※賃貸物件では一般的な更新料は必要ありません。

シルバーハウジングで提供されるサービスは?

シルバーハウジングでは、市町村の委託によって、ライフサポートアドバイザー:LSA(生活援助員)
が配置され、以下のような生活支援のサービスが提供されています。

  • 緊急時対応および関係機関との連絡
  • 安否確認
  • 生活の指導や福祉に関する相談
  • コミュニティーやサークル活動の案内、病院や介護相談窓口の案内
  • 一時的な家事の支援、急病時の対応など。

これらのサービスに対する費用は、公費で賄われ、入居者の負担はありません。
また、ライフサポートアドバイザーは、おおむね30戸に1人の割合で配置されており、日中は滞在して
夜間は緊急通報システムで駆けつける体制を取っているケースが多く、
中には24時間常駐している場合もあります。

シルバーハウジングに入居するまでの流れを紹介

シルバーハウジングに入居するまでの流れは以下の通りです。

  1. 自体帯や都市再生機構のホームページなどで、募集状況や空室について確認する。
  2. 入居できる条件を満たしているか確認する(年齢、収入、世帯構成など)
  3. 申込みを行う。
  4. 審査を経て、問題がなければ入居することができます。
    ※入居希望者が多数の場合は、抽選となります。
  5. 契約を行う。
  6. 初期費用を支払う。
  7. 引っ越しを行い、入居する。
    ※詳細は、最寄りの市役所に問い合わせるか、各運営主体のホームページでも公開されています。

シルバーハウジングのメリット・デメリット

シルバーハウジングに住み替えることには、メリットもあれば当然デメリットもあります。
ご自身の環境や考えにこれらのメリットがデメリットが適しているかを比較して検討しましょう。
シルバーハウジングのメリットとデメリットは次の通りです。

 メリット

  • 公益住宅の場合、家賃の減免制度がある。
  • 高齢を理由に契約や更新ができないということがない。
  • 介護施設等に比べ、生活のリズムを変えることなく、今までと同じ暮らしができる。
  • バリアフリー化された住居のため、生活がしやすく安全である。
  • 生活援助員に困りごとなどの相談や生活支援サービスの利用ができる。
  • 居室には見守りセンサーや緊急通報システムがあり、万が一のときも緊急対応をしてもらえる。
  • 孤独感や孤立を避けられる。
  • 契約更新量がかからない。

 デメリット

  • 空き部屋が慢性的に不足しているため、すぐに入居できる可能性が低い。
  • 自立している方に向けた住宅なので、終の棲家にはなりにくく、介護度が重くなると
    転居しないといけない場合が多い。
  • 介護施設ではないため、介護スタッフや医療のスタッフは常駐していない。
  • 入居するのに年齢や年収、世帯構成などの条件がある。
  • 高齢者の人口数に対して、供給率が低い。
  • 物件数が全国的に少ない。
  • 希望が多い場合は抽選となる場合があり、物件によっては困窮者を優先する仕組みに
    なっている場合もある。

まとめ

シルバーハウジングは、高齢者世帯や障害者世帯を対象にバリアフリー化された住宅で、
緊急通報システムや生活支援サービスを受けられる公的な賃貸住宅です。

介護施設のように、入浴や食事の時間が決められているわけではないため、今までの生活リズムを
崩すことなくサポートを受けながら今までと同じように暮らせます。

入居するには、年齢・年収・世帯構成などの条件があるため、注意が必要です。
また、空室ができても希望が多く抽選などになることが多いため、
募集の情報などはこまめに確認し見逃さないようにしましょう。
シルバーハウジングを活用し、サポートが必要になっても自分らしい生活を続けましょう。

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