介護事務に向いている人の6つの特徴!仕事内容や仕事の魅力も紹介

2025.02.07

介護事務に向いているのはどのような人なのか、詳しく紹介します。
高齢化社会の進展により、介護サービスの需要は今後ますます増加していく見込みです。
介護の現場で職員をサポートする介護事務の役割も重要性を増しています。

この記事では、介護事務の仕事内容・平均給与、向いている人の特徴、仕事の魅力、
活躍できる職場について詳しく解説します。
介護事務として働きたい方だけでなく、何らかの形で介護業界に携わりたい方にも
おすすめの内容です。

介護事務の主な仕事内容

「介護事務」とは、介護施設や事業所で事務作業を担当する職員のことです。
業務内容は非常に幅広く、介護事務のサポートにより、介護サービスは円滑に運営されます。
介護事務の主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 介護報酬請求業務(レセプト作成)
  • 受付業務・電話対応
  • 経理業務・労務管理
  • 施設の環境整備
  • 介護職員のサポート
  • 施設ケアマネジャーの補佐

    職場によっては、介護事務が介護スタッフを兼任し、身体介護業務を行う場合もあります。
    業務範囲は事業所によって異なるため、面接のときなどに確認しておきましょう。

介護事務の平均給料は?

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、「介護職員処遇改善支援補助金
を取得している事業所」の「月給制」の介護事務の平均給料は、以下のとおりです。
常勤と非常勤とでは、10万円以上の差があります。

  • 常勤: 307,960円    
  • 非常勤: 178,870円

    また、「介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所」の「月給制・常勤」の他の
    職種の平均給料は、以下のとおりです。国家資格や難関資格の取得が必要な職種は、
    給料が高い傾向にあります。

  • 介護職員: 317,540円
  • 看護職員: 373,750円
  • 生活相談員・支援相談員: 342,330円
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・機能訓練指導員: 354,770円
  • ケアマネジャー: 361,770円
  • 管理栄養士・栄養士: 316,320円

介護事務に向いている人の6つの特徴

ここでは、介護事務に向いている人の特徴を6つ紹介します。
これらの特徴のうち、ひとつでも当てはまる人は、介護事務の仕事に適性があるかもしれません。
介護事務として働きたいと考えている人は、ぜひチェックしてみてください。

 1.コミュニケーション能力が高い

1つ目は、「コミュニケーション能力が高い」ことです。
介護事務の仕事では、利用者や家族、介護職員、取引先、関係機関など、様々な人との
コミュニケーションが欠かせません。

スムーズな連絡調整やトラブル対応などが求められるため、コミュニケーション能力のある人は
介護事務に向いているといえます。
その際、的確に要件をまとめて伝える能力があれば、より円滑なコミュニケーションが可能です。

また、職員同士でコミュニケーションをしっかりとることで、伝達ミスなどが減少し業務効率が
改善したり、職場の雰囲気が良くなったりする効果も期待できます。

 2.介護や福祉業界に興味がある

2つ目は、「介護や福祉業界に興味がある」ことです。
介護事務は、施設や事業所など実際の介護現場で勤務します。利用者や家族と直接関わることも
あるため、「介護サービスを必要とする人に貢献したい」、「介護の現場を支えたい」といった
思いを活かすことも可能です。

介護事務には、介護報酬請求業務など介護保険制度の知識を必要とする仕事も多いです。
介護・福祉の分野に興味を持って勉強を続けられる人は、向いているといえます。
また、介護関係の資格の勉強をしたい人には、うってつけの環境です。

 3.パソコンスキルがありデスクワークが得意

3つ目は、「パソコンスキルがありデスクワークが得意である」ことです。
介護事務は、介護報酬請求や労務管理など、パソコンを使った書類作成・データ入力といった
事務処理業務をメインに行います。

文書作成や表計算、プレゼンテーション、メール管理といった基本的なパソコン操作ができれば、
問題ありません。それらのスキルがあれば、未経験からでも介護事務の仕事をスムーズに
覚えられるでしょう。
また、介護事務は長時間座ってする業務が多いため、デスクワークに抵抗がない人や、
集中力を持って取り組める人に向いています。

 4.計算や数字に苦手意識がない

4つ目は、「計算や数字に苦手意識がない」ことです。
介護事務の業務には、介護報酬の請求や労務管理、経理業務など、計算や数字を扱う作業が多く
含まれます。四則演算などの基本的な計算や、数字に対する苦手意識がないことは重要です。
正確さや注意深さが求められるため、細かい作業が得意な人に適しています。

介護報酬請求業務では、1円でも間違っていると差し戻しになってしまい、事業所への介護報酬の
入金が遅れてしまいます。
また、利用者に対する請求額を間違えた場合には、信用問題にも発展する可能性があるため、
注意しなければなりません。

 5.接遇マナーを身に付けている

5つ目は、「接遇マナーを身に付けている」ことです。
「接遇」とは、相手に対し「おもてなしの心」を持って接することです。
介護の現場では、利用者の尊厳を守ったり、利用者との間に信頼関係を築いたりするために
重視されています。
接遇マナーの5原則は、「挨拶」・「身だしなみ」・「言葉遣い」・「表情」・「態度」です。

そのような接遇マナーが身に付いている人は、利用者や家族からも信頼されやすくなるでしょう。
あまり細かく言葉遣いなどのマナーやルールに縛られる必要はなく、「あの人に対応してもらって
よかった」と思ってもらえることが大切です。

また、介護事務は、電話対応や窓口対応も行います。介護事務の対応があまり良くないと、
事業所全体のイメージ低下にもつながります。

 6.スケジュール管理が得意

6つ目は、「スケジュール管理が得意である」ことです。
介護事務の業務は多岐にわたるため、計画的に仕事を進められる能力が求められます。
業務の優先順位をつけ、効率的に作業を進めることができる人に向いています。

介護事務で最も重要な仕事は、「介護報酬請求業務」です。
レセプトは月末締めで、保険者への提出期限は翌月10日までとなっています。締め切りを過ぎてから
提出すると、介護報酬が事業所に支払われるのも遅れてしまいます。
そのため、計画的に業務を進めて期限を守れる人が介護事務には向いているのです。

介護事務の仕事の魅力は?

介護事務は、介護スタッフのように体力を求められることはあまりありません。
また、自身のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方もできます。さらに、仕事を通して自然に
介護や福祉の知識が身に付きます。

ここでは、そのような介護事務の仕事の魅力を紹介します。

 年齢や体力を問わず活躍できる

介護事務は、年齢を重ねた人や体力に自信がない人でも活躍できる仕事です。
介護スタッフや看護師のように、身体介護など体力を求められる業務は、通常はあまりありません。

「宅配便で届いた事務用品の運搬」、「書類棚の組み立て」、「蛍光灯の交換」といった軽作業が
発生する程度です。
年齢を重ねて体力がなくなったり、ケガや病気になったりしても、書類作成・データ入力など
デスクワーク中心の介護事務は長く続けやすいという魅力があります。

 様々な雇用形態がある

介護事務の仕事は、正社員や派遣社員、契約社員、パート・アルバイトなど様々な雇用形態が
あります。自分のライフスタイルに合わせて、柔軟に働き方を選べるため、仕事と家庭の両立が
しやすい点が魅力です。

育児や介護などプライベートと両立した働き方を希望する場合には、午前中のみ、
月末・月初の忙しい時期のみ、などといった働き方もあります。
介護事務は基本的に日勤で夜勤はありませんが、繁忙期には残業が生じることがあります。

 介護保険制度の知識を身に付けられる

介護事務の仕事をしているうちに、介護保険制度の専門知識を自然に身に付けられます。
介護保険制度は、高齢化が進む日本社会にとって重要な制度ですが、一般的な会社員では
細かい部分まで理解している人は少ないです。

自身の家族が要介護状態になった際にも、介護保険制度の知識は役立ちます。
例えば、利用可能な介護サービスの把握や手続きの方法、費用の試算などに対応できます。
また、介護保険制度は3年に1回改正されます。仕事を続けていると、新しい情報が入りやすく
なるのもメリットです。

介護事務が活躍できる職場は?

介護事務が活躍できる勤務先は、主に介護保険サービスを提供する事業所となります。
具体的には、以下のような「居宅介護サービス」や「施設サービス」を提供する事業所において、
介護事務として働くことが多いでしょう。

 居宅介護サービス

「居宅介護サービス」とは、自宅にいながら利用できる介護サービスです。
以下のようなものがあります。

  1.  訪問サービス・・・訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、
    居宅療養管理指導
  2. 通所サービス・・・通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)
  3. 短期入所サービス・・・短期入所生活介護(ショートステイ)、
    短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
  4. その他のサービス・・・福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修、特定施設入居者生活介護

    介護付き有料老人ホームやケアハウス(介護型)、養護老人ホーム、一部の
    サービス付き高齢者向け住宅は、「特定施設」と呼ばれ、介護保険上は「居宅」となります。
    それらの施設に入居している要介護者が受ける介護サービスのことを
    「特定施設入居者生活介護」といいます。

 施設サービス

「施設サービス」とは、公的施設である「介護保険施設」に入居して受ける介護サービスです。
以下のようなものがあります。入居条件は要介護1~5(特養のみ3~5)を認定された、
原則65歳以上の人です。

  1.  特別養護老人ホーム(特養)
    介護が充実した生活施設で終身にわたって入居することができ、看取りに対応している施設も
    増えています。ただし、医療体制が不十分な施設もあります。
    また、入居希望者が多く待機期間が長い場合が多いです。
  2. 介護老人保健施設(老健)
    要介護者が在宅復帰を目指す施設で、3~6ヶ月程度で退去することが前提です。
    リハビリテーションや医療体制が充実しています。
  3. 介護医療院
    医療ケアが必要な高齢者の療養施設で、長期にわたって入居することができ、看取りにも
    対応しています。医師や看護師などの人員体制も整っているので、介護度の高い人でも
    安心して入居することができます。

まとめ

今回は、介護事務について解説しました。

  • 介護報酬請求や経理・労務管理などの業務を担い介護現場を支える仕事。
  • 平均給料は約30万円で、資格取得が必要な他の介護の職種と比べて低め。
  • 向いている人の特徴は、「高いコミュニケーション能力」、「介護・福祉に興味」、
    「パソコンが使えてデスクワークが得意」、「数字が苦手でない」、
    「接遇マナーが身に付いている」、「スケジュール管理が得意」。
  • 仕事の魅力は、「年齢・体力を問わない」、「雇用形態の多様性」、「介護保険の知識が
    身に付く」。
  • 活躍できる職場は、「居宅介護サービス」や「施設サービス」を提供する事業所。

    介護の仕事に興味があり、今回紹介した6つの特徴のいずれかに当てはまる方は、
    介護事務に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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