親と同居されている方、世帯主が誰になっているか知っていますか?
親と同居している場合でも、世帯主を親にするか、自分にするか、あるいは世帯を分けることが
できます。
そして、世帯主が誰かによって、税金や社会保険料、介護サービスの利用料などが、
変わることがあります。
この記事では、そんな世帯主について、詳しく解説していきたいと思います。
目次
世帯主とは、簡単に言えば、住民票上でその世帯を代表する人のことです。
世帯とは、同じ住居に住んで、一緒に生活している家族のことで、その代表者が世帯主ということ
になります。
世帯主は、住民票の移動、税金や社会保険の手続き、子供の学校関係の手続きなど、
世帯を代表して行います。世帯主になるための法律上の要件はありません。
一般的に多いのは、生計を支えている人や、年齢が最も高い人が多いようです。
家族で話し合って、決めるとよいでしょう。
同じ家に同居していたとしても、住民票上で別々の世帯として登録することが可能です。
この世帯分離をすることで、世帯にどのような影響があるかを、具体的な例をあげながら
メリットとデメリットについて、説明していきたいと思います。
親と同居されている皆さん、「世帯分離」ってご存じですか?
また、「知っているけど、世帯分離をするとどうなるの?何がかわるの?」という方も多い
のではないでしょうか?
そこで、ここからは、具体的に親と同居している場合に世帯分離をするメリットについて、
詳しく説明していきたいと思います。
介護保険サービスを利用する場合には、費用の一部を自己負担することになります。
この自己負担額は、世帯の所得によって計算されるのですが、世帯分離していると軽減される場合が
あるのです。
世帯分離をしていない場合、同じ世帯全員の所得、親と子などの収入の合算で計算されます。
世帯分離をしていると、分離した世帯の親世帯、子世帯などが別々に計算されます。
そのため、介護保険サービスを受けた場合の計算は、親世帯のみで計算することとなるため、
軽減を受けられる可能性が出てくるのです。
国民健康保険や後期高齢者医療保険の保険料は、世帯の所得を基に計算されます。
この場合も、保険料が安くなる可能性があります。
例えば、子が世帯主で、親を扶養家族として国民健康保険に加入している場合を考えてみましょう。
この場合、世帯分離を行って親を独立した世帯にすることで、子世帯の所得から親の収入を
除外することができます。その結果、子世帯の国民健康保険料が安くなる可能性があります。
さらに、75歳以上の親が後期高齢者医療制度に加入している場合も、同様に子世帯の所得が
除外され、親世帯の所得が減れば、後期高齢者医療保険料も安くなる可能性があるのです。
親が介護保険施設に入居する場合、その費用は入居者の世帯の所得額によって決定されます。
具体的には、居住費や食費などが所得に応じて段階的に設定されているのです。
そのため、ここでも世帯分離により軽減の可能性が出てくるのです。
例えば、特別養護老人ホームなどに入所する場合、世帯の所得が低いほど、自己負担額が軽減され
ます。世帯分離をしていない場合には、親と子の所得全体で計算されます。
世帯分離をしている場合は、親世帯のみの所得で計算されるため、軽減される可能性が
出てくるのです。
整体分離は、親と同居している場合に、介護費用や保険料などを軽減できる場合があるという
メリットがあることは、先ほど説明してきました。しかし、その一方でデメリットもあります。
ここからはそのデメリットについて詳しく説明していきたいと思います。
世帯分離をすることによって、逆に国民健康保険料の負担額が増えるケースがあるのです。
これは、世帯主が国民健康保険に加入している場合、世帯分離によって被扶養者がいなくなることが
原因です。
例えば、子供が世帯主で、親を扶養家族として国民健康保険に加入している場合、世帯分離をして
親を独立した世帯にするとします。この場合、親は国民健康保険の被保険者から外れ、新たに
国民健康保険に加入する必要が出てきます。
つまり、親世帯で新たに国民健康保険料が発生してしまうのです。
そのため、世帯分離前後の保険料を事前に確認しておきましょう。
会社員や公務員の場合、一定の条件を満たす親を扶養家族に入れることで、扶養手当を受け取る
ことができます。
しかし、世帯分離により親が別世帯になることで、扶養家族ではなくなり、扶養手当が支給
されなくなる場合があるのです。
扶養手当の支給要件として、会社によって異なりますが、一般的には同一生計であることが
求められます。
世帯分離をしていると、同居していても住民票上は別々の世帯で、生計も別とみなされます。
そのため、手当が受け取れなくなる可能性があるのです。
扶養手当について、支給要件を事前に確認しておきましょう。
医療費控除や介護サービス費の控除を受ける場合、一定の条件を満たせば、世帯内で合算して
申告することができます。しかし、世帯分離をして、世帯が別々になると医療費や介護サービス費を
合算して申告することができなくなる可能性があるのです。
例えば、親が高額な医療費を支払った場合、世帯分離をしていなければ、子の所得と合算して
医療費控除を申告することができます。しかし、世帯分離をしている場合、親は親の医療費として
計算され、子の所得とは合算されなくなるのです。
この場合、医療費控除の金額が減ってしまう可能性があります。
医療費控除や介護サービス費控除についても、事前に確認しておきましょう。
世帯分離の手続きは、市区町村の窓口で行う必要があります。
必要な書類を揃えたり、窓口に行く時間を確保したりと、手続きに手間がかかる場合があります。
それが煩雑に感じることもあるでしょう。
提出時に必要な書類は、場合によっては戸籍謄本や収入を証明する書類などの提出が求められる
こともあります。必要書類を準備したり、市区町村の窓口に提出したりと、ある程度の手間が
かかってしまいます。
手続きが面倒だったり、時間が取れない場合には、世帯分離をするかどうかを慎重に検討しましょう。
世帯分離の手続きをする場合には、次のような手順で進めていく必要があります。
この記事では、親と同居している場合の世帯主についてと、世帯分離のメリット・デメリット
について解説してきました。
世帯主は、住民票の移動や税金、社会保険などの手続きを行います。
親が高齢となった場合、子が世帯主となるケースが多くなっています。
世帯分離をすると、親と子が別々の世帯として扱われるようになるのです。
これにより、メリットもあればデメリットもあります。それらをよく理解した上で、
市区町村に問い合わせるなどして慎重に検討しましょう。