脚のむくみの原因とは?むくみを取る方法も併せて紹介!

2025.02.07

「脚のむくみ」で悩む方におすすめの記事です。

脚のむくみは主に「血流の低下」で起こります。
血液が脚から心臓に戻る際に、ポンプの役割を果たすのがふくらはぎの筋肉です。
長時間脚を動かさない場合などは、血流が悪くなりむくみやすくなります。

むくみの多くは生活習慣の改善や適切なケアで解消できます。
しかし、長期間続く場合は何らかの病気の可能性があります。
この記事では、脚のむくみの原因や解消法について、詳しく解説します。

脚のむくみの主な原因

脚のむくみには、一過性のものと慢性的なものがあります。

  • 一過性のものは、運動不足や食生活の乱れなど、生活習慣に原因がある場合が多いです。
  • 慢性的で長期間続いているものは、心臓や腎臓、肝臓などの病気の可能性があります。
    早めに病院を受診しましょう。

    ここでは、脚のむくみにつながる主な原因を紹介します。

 運動不足

運動不足によりふくらはぎの筋肉が衰えて筋力が低下すると、ポンプ機能がうまく働かなくなり、
血流の低下からむくみにつながります。

また、高齢になると脚がむくみやすくなるのは、筋肉量が減ることが主な原因です。
20歳から80歳にかけて筋肉量は30%程度減少するという報告があります。

加齢により筋肉量が減少し筋力や身体機能が低下している状態は、「サルコペニア」
呼ばれています。転倒・骨折による寝たきりの原因にもなるため、無理のない範囲で運動を
生活に取り入れることが重要です。

 長時間の同じ姿勢

デスクワークや立ち仕事など長時間同じ姿勢のままでいると、ふくらはぎの筋肉をほとんど
動かさないので、むくみやすくなります。

定期的に立ち上がる、足踏みをする、違う階のトイレに行くなどして、ふくらはぎの筋肉を
動かすことを意識するとよいでしょう。

また、「エコノミークラス症候群」は乗り物の長時間移動だけでなく、長時間のデスクワーク
などでも起こる可能性があります。脚の静脈に血栓ができて血液が心臓に戻りにくくなり脚が
むくみます。これは一過性のものではないため、病院での治療が必要です。
予防には、十分な水分摂取や脚の運動のほか、弾性ストッキング着用も有効です。

 塩分の過剰摂取

塩分(ナトリウム)の過剰摂取も、むくみの原因となります。

体には、体内の塩分濃度を一定に保つ機能があります。そのため、塩分濃度が高くなると、
体内に水分を溜めこもうとすることでむくみにつながるのです。

塩分の摂取量に気を配るだけでなく、ナトリウム排泄効果があるカリウム・マグネシウム
・カルシウムを積極的に摂取しましょう。カリウム・マグネシウムは野菜や果物、海藻、
豆類などに多く含まれ、カルシウムは乳製品や小魚などに多く含まれます。

 過度なダイエット

体重を落とすために食事を抜くなどの無理なダイエットをすると、むくみやすくなります。
その主な理由は、「たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足」することや
「脚(ふくらはぎ)の筋肉が衰えてポンプ機能が低下」することの2つです。

また、栄養不足は「自律神経の働きの低下」にもつながります。
それにより、体温の調節がうまくできなくなって「体の冷え」にもつながり、血行不良から
むくみを悪化させる原因となることも考えられます。
このように、過度なダイエットはむくみを引き起こすさまざまな原因につながるのです。

 ミネラルやたんぱく質、ビタミンの不足

ミネラルやたんぱく質、ビタミンの不足は、むくみの原因となることがあります。

これらの栄養素は、正常な細胞機能や体液バランスを支える役割を果たしています。
不足すると、細胞や組織が正常に機能できず、水分や塩分が組織に滞留しやすくなります。

特にたんぱく質が不足することで、血管内に水分を保持できず血管外に漏れてしまい、
むくみのリスクを高めます。
バランスの取れた食事や栄養補給がむくみ予防には重要です。
十分な量のミネラルやたんぱく質、ビタミンをバランスよく摂取してください。

 冷え

体が冷えると血行が悪くなるため、むくみやすくなります。
冬場だけでなく、夏場でも、冷房や冷たい飲食物による、体の外部と内部からの冷えに注意する
ことが重要です。

首筋などの太い血管が通っている部分は、冷房の風が直接当たらないように注意しましょう。
また、足首回りを冷やし過ぎると、脚がむくみやすくなります。

職場などで冷房が効きすぎていると感じたら、温かい飲み物や厚い靴下、レッグウォーマー、
カーディガン、ストールなどで冷え対策をしてください。

 アルコールの過剰摂取

過度の飲酒によりアルコールを多量摂取すると、体の水分が失われ血液の濃度が高くなるため、
血管内に水分が取り込まれます。この取り込んだ水分がむくみの原因です。

アルコールの摂取量を適度に抑えることや、水分補給を心がけることがむくみ予防につながります。
過度の飲酒は、がんや高血圧などのリスクも高めます。
飲酒量の目安は、男性がアルコール換算で20~30ml/日(日本酒ならば1合、ビールならば500ml程度)以下、女性が10~20ml/日以下とされています。
適度な飲酒は、健康寿命を延ばすことにもつながるのです。

 自律神経の働きの低下

緊張やイライラなどのストレスは、むくみの原因になります。
ストレスによりコルチゾールというホルモンの分泌量が増えたり、自律神経の働きが乱れたり
することで、血行不良が引き起こされるからです。
十分に休養をとり、ストレスを溜めこまないことが重要です。

また、空調が効いた温度変化が少ない環境で長時間過ごすと、体温調整に関係する自律神経の機能が
低下します。ほかにも、睡眠不足、不規則な生活、栄養不足、ホルモンバランスの変化、
疾患なども自律神経の乱れの原因となります。

 女性ホルモンのバランス変動

女性は男性よりもむくみやすい傾向にあります。
その原因のひとつは、月経や妊娠、更年期などによるホルモンバランスの変化です。

例えば、月経前の基礎体温が高い期間は、女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌量が多くなります。これにより水分を体に溜めこもうとするため、むくみやすくなります。

また、一般的に女性は男性より筋肉量が少ないため、ふくらはぎの筋ポンプ作用の働きが
弱いことも原因です。
さらに、女性は男性より体脂肪が多い傾向があり、それにより水分が保持されてむくみやすい
とされています。

 病気

慢性的な脚のむくみは、例えば、以下の病気のサインとなっていることがあります。

  1. 心臓の障害(心不全)
    加齢などにより心臓のポンプ機能が弱まると、血行が悪くなり脚がむくみやすくなります。
    他の初期症状は、息切れや動悸などです。
  2.  肝臓や腎臓の障害
    肝臓や腎臓の障害により、血液の浸透圧を調整するタンパク質「アルブミン」が低下すると、
    水分が脚にたまりやすくなります。
  3. 下肢静脈瘤
    脚の静脈にある逆流防止の静脈弁が壊れ、血液が脚に溜まる病気です。
    むくみや痛み、色素沈着、皮膚の潰瘍などの症状が出ます。
  4. リンパ浮腫
    リンパの流れが滞って四肢に溜まった状態で、主にがんの治療後などに起こります。
    脚が明確に太くなり、重さやだるさなどの症状が出ることもあります。

一過性の脚のむくみの解消方法を紹介

一過性の脚のむくみを解消する方法を、以下に4つ紹介します。
すぐに始められて続けやすい方法ばかりなので、むくみに悩んでいる方におすすめです。

前述のとおり、慢性的なむくみの場合は何らかの病気が原因となっている可能性があります。
その場合は、原因となる病気の診断・治療を優先してください。

 マッサージでリンパの流れをよくする

脚のマッサージは、有効なむくみ解消法です。脚の血液・リンパの流れをよくすることを
意識して行いましょう。

  1.  ふくらはぎマッサージ
    すねを両手で挟み、足首から膝に向けて少し力を入れて押し上げます。
  2.  足首マッサージ
    片方の足を引き寄せて、反対側の手の指を脚の指の間にしっかり入れ込みます。
    そのまま手の力で足首を回します。
  3. 太ももマッサージ
    太ももを両手で挟み、膝から鼠径部まで少し力を入れて擦り上げます。
  4. 脚の裏マッサージ
    椅子に座った状態で、靴を脱いでゴルフボールを脚の裏で転がします。

 運動で脚の筋肉の増加させる

ポンプ機能を正常に働かせるために、適度な運動により脚の筋肉を鍛えることで、
むくみ解消につながります。

スポーツジムでの本格的なトレーニングなどは必要なく、普段の生活に無理なく取り入れられる
レベルの運動で構いません。
エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、意識しながら毎日継続して行うことが重要です。

スクワットやつま先立ちなど、自宅でできてむくみ対策になる簡単な運動は、インターネットで
検索すれば動画も含めてたくさん見つかります。
無理のない範囲で楽しみながら行うことが重要です。

 減塩を心がける

むくみの解消のためには、「減塩」を心がけることも重要です。
塩分の過剰摂取は、がんや高血圧などのリスクを高めることも知られています。
日本高血圧学会が推奨する食塩の摂取量は、「1日6g未満」です。

濃い味付けの食事を好む方は、意識して調味料を減らしてください。
インターネットで検索すれば、塩分控えめでも美味しい料理のレシピがたくさん見つかります。
また、近年は「減塩」を謳った食品の種類も増えているので、購入してみてはいかがでしょうか。

むくみの解消には、「カリウム」や「ビタミンE」、「ビタミンB1」、「ビタミンC」、
「タンパク質」の摂取に効果があるとされています。
日々の食事で、減塩に気を配りながら、それらを意識して取り入れましょう。

 弾性ストッキングを着用する

「弾性ストッキング」とは、血流を促進するために、脚を圧迫できるよう特殊な編み方で
作られた医療用ストッキングです。
足首付近の圧迫力が強い構造になっているため、重力で下方に水分が移動することを防ぎます。
また、ふくらはぎの筋肉を圧迫することで静脈の働きが活発になるため、むくみの改善に有効です。
下肢静脈瘤やリンパ浮腫の治療の際などにも使用されます。


「朝起きてから夜寝るまで」の着用が推奨されています。
就寝中は体を横たえるため、脚に溜まった水が移動し血行も良くなり、自然にむくみは
解消しやすい状態です。不安な方は、脚を少し高くして寝るとよいでしょう。
血流障害や痛みなどがみられた場合は、直ちに着用を中止してください。

まとめ

今回は、「脚のむくみ」の原因と解消法について解説しました。

  • ふくらはぎの筋肉のポンプ作用が正常に機能せず、血流が低下することで生じる。
  • 一過性のむくみは、運動不足やストレス、食生活の乱れなどの生活習慣、
    ホルモンバランスの変化などが原因。解消には、マッサージや適度な運動、
    弾性ストッキング着用などが有効。
  • 慢性のむくみは、心臓や肝臓、腎臓などの病気が原因の可能性も。

    この記事を読んだ方が、脚のむくみをスッキリ解消できたら幸いです。
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