「デイサービスとはどんな施設?」という疑問をお持ちの方に、おすすめの記事です。
デイサービスの2021年度の利用者数は1,370万人を超え、介護保険の居宅サービスの中でも
特に利用する方が多いです。
気軽かつ安く利用でき、要介護者と家族の双方に、大きなメリットがあることが理由と考えられます。
この記事では、「デイサービスとは?」の基本事項から、受けられるサービス、
利用料金、利用の流れまで詳しく解説します。
目次
「デイサービス(通所介護)」とは、要支援・要介護認定を受けた高齢者が日帰りで通う
介護施設です。
ここでは、デイサービスの目的や利用対象者、類似施設である
「デイケア(通所リハビリテーション)」との違いを解説します。
デイサービスの主な目的は、「利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるよう支援する」
ことです。
それにより、以下のような効果が期待されます。
デイサービスの利用対象者は、基本的に「要支援1~2」または「要介護1~5」の認定を受けた
高齢者です。
要介護認定は、通常は65歳以上の方が対象ですが、特定疾病を患っている場合には40~64歳でも
申請が可能です。
要支援者も、地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)としてデイサービスを利用できますが、利用回数や条件が要介護者とは異なります。
例えば、要支援1では週1回、要支援2では週2回までの利用が可能で、それを超える場合は
全額自己負担となります。
「デイサービス(通所介護)」と「デイケア(通所リハビリテーション)」は、どちらも
自宅から通う介護保険サービスなので混同されがちです。
大きな違いは、デイケアは「医師が常勤」・「リハビリテーションがメイン」という点です。
そのため、以下のように主な利用目的が異なります。
デイサービスでは、主に以下の4種類のサービスが提供されます。
デイサービスでは、通常は昼食とおやつが提供されます。
利用者の咀嚼力や嚥下力に応じて、ソフト食やきざみ食、ミキサー食などを用意できる
施設もあります。また、糖尿病や高血圧などの方に個別に対応可能な施設もあるので、
あらかじめ確認しておきましょう。
高齢者の食事は、栄養バランスに偏りが生じることが多いです。
デイサービスに通うことで、バランスのとれた食事を決まった時間にとることができる点は、
大きなメリットです。
デイサービスでは、介護職員による入浴介助が提供されます。
そのため、自宅での入浴が困難な方でも安心して利用できるのです。
入浴方法は、利用者の身体状況に応じて「一般浴」・「中間浴」・「特殊浴」があり、
それぞれ適した方法でサポートされます。
例えば、座位が保てる方には中間浴、寝たきりの方には特殊浴が用意され、快適に入浴できる
環境が整っています。
これにより、心身のリフレッシュや清潔保持などの効果が得られ、家族の負担も軽減されます。
デイサービスでの機能訓練は、利用者の身体機能や生活能力を維持・向上させるための重要な
プログラムです。
訓練内容には、筋力トレーニングや関節の可動域を広げるストレッチ、バランスや歩行の訓練
などが含まれます。また、認知機能を鍛えるための脳トレや、タオルやステップ台を使った
運動なども行われます。
これらの訓練は、個別対応だけでなく、他の利用者と一緒に行うこともあり、楽しみながら
機能を維持できるよう工夫されています。
また、施設によっては、専任の機能訓練指導員がプログラムを指導し、より効果的な訓練を
提供しています。
デイサービスでは、利用者が楽しく過ごせるように、多彩なレクリエーションが行われます。
これらは、心身のリフレッシュを図るとともに、身体機能の維持や向上を目指すものです。
他の利用者との交流や、外出イベントなどを通じて社会的なつながりも促進します。
具体的には、ちぎり絵や折り紙、カラオケなどです。また、ジェスチャーゲームや
漢字・計算の脳トレなどの認知機能のトレーニングを兼ねた活動も行われています。
なお、集団での活動が難しい人には、スタッフが個別で対応することも可能です。
レクリエーションの内容は施設ごとに異なるため、事前見学でどのような活動が提供されているか
確認しておきましょう。
デイサービスの利用料金は、利用者の要介護度や利用時間、サービス内容、施設の規模、
地域などによって異なります。目安は、1回あたり「1,000~2,000円程度」です。
利用料金は、以下の3項目で構成されます。
「利用料」と「サービス加算」は、介護保険適用となり、自己負担は1~3割です。
「その他実費」は、介護保険適用外なので、全額自己負担です。
デイサービスを利用する場合の手順は、以下のとおりです。
要介護認定の申請は、市区町村の役所や地域包括支援センターで行います。
審査は、一次判定と二次判定の2段階です。
要介護認定を受けたら、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーとの契約が必要です。
ケアマネジャーは、担当する利用者を専属でサポートします。
ケアマネジャーは、利用者と家族の状況を把握したうえで、相談をしながらケアプランを作成します。
ケアプランの内容は、ケアマネジャーが一方的に決めるものではありません。
どのような生活を送りたいか、何に悩んでいるかなどを利用者や家族から聞き取り、
プランを立てていきます。
例えば、週に何回デイサービスに通うのか、そこでは何をするのかなどを具体的に決めていくのです。
ケアプランを作成したら、サービスを受ける事業所を選定します。
選定の際には、事前見学や体験利用などを積極的に活用し、実際の雰囲気やスタッフ対応などを
確認してください。
デイサービスの他にも訪問介護などを利用する場合は、個別に契約を結ぶことになります。
契約の段取りなどは、ケアマネジャーに任せられるので安心です。
利用する事業所が決まったら、ケアマネジャーが事業所に対して利用の申込みを行い、
そこでサービス担当者会議が開かれます。
会議では、ケアマネジャーや事業所の担当者などが集まり、サービスや利用者の情報についての
共有などが行われます。
その後、正式に契約が結ばれ、利用開始となるのです。
今回は、「デイサービス」について詳しく紹介しました。
・要介護認定を受けた高齢者が日帰りで通う施設。
・目的は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるよう支援すること。
・対象者は、「要支援1~2」・「要介護1~5」の認定を受けた高齢者。
・類似施設の「デイケア」は、医師が常駐し本格的なリハビリテーションを受けられる。
・主なサービスは、「食事」・「入浴」・「機能訓練」・「レクリエーション」。
・利用料金の目安は1回「1,000~2,000円程度」。
・利用の流れは、「要介護認定」、「ケアプラン作成」、「事業所選定」。
この記事が、みなさまの施設選びの一助になれば幸いです。