介護認定調査員になるには|要件や仕事内容・働く場所も解説

2025.03.03

この記事では、介護認定調査員について解説していきます。
介護認定調査員は、介護認定を決めるための重要な役割を担っています。
その介護認定調査員になるにはどうすればよいのか、その要件や仕事内容、働く場所について
解説していきます。
介護認定調査員って何と思った方、興味を持った方は、この記事を参考にしていただければと
思います。

介護認定調査員とは

介護認定調査員とは、要介護認定を決めるための調査をする調査員のことです。
要介護認定には段階を踏んでいくつかの調査が必要となりますが、介護認定調査員は、
要介護認定の1次判定に必要な情報を収集するための聞き取り調査を行います。

調査対象者の自宅を訪問し、対象者本人やご家族から心身の状態に関する聞き取りを行い、
調査票や意見書にまとめます。
調査対象者の要介護度の決定に大きく影響するため、非常に重要な役割を担っています。

介護認定調査員の仕事内容は?

介護認定調査員の仕事内容は、介護保険サービスを利用したい介護を必要としている人に対して、
要介護判定を行うのが仕事です。
要介護度を調査する際には介護を必要としている人が要介護状態であるかどうか、
要支援状態であるかどうかを中心に調査を行います。

 調査の日時・場所の調整

要介護認定を申請すると、申請から10日前後で面接調査が行われます。
調査の日時は、あらかじめ調査対象者や介護者と調整した上で実施しますが、サービス利用等に
支障が生じないよう、できるだけ速やかに行い、書類を作成します。
介護者等がいる家族の調査は、介護者が不在の日は避けるようにします。

事前に調査対象者や介護者等と調整した上で、場所の調整を実施しますが、日頃の状況を
把握できる場所にします。施設や病院等で実施する場合は、普段過ごしている場所を確認し、
プライバシーに配慮して実施します。

 聞き取り調査

介護認定調査員の聞き取り調査は、要介護認定の1次判定を行うために実施します。
まずは、聞き取り調査で必要な情報を収集します。基本的に介護サービス希望者の自宅に訪問し、
本人や家族に聞き取りを行い、要介護者の心身の状態を確認します。

聞き取り調査は原則として、1人の調査対象者につき1人の介護認定調査員が一度のみ実施する
こととなっています。調査の所要時間は基本的に30分~1時間程度です。
聞き取り調査は要介護度の認定を左右する仕事なので、重要な業務です。

介護認定調査員になるには?資格や要件

介護認定調査員になるには、「特定資格を取得し実務経験を満たしたうえで、指定の研修を受ける」
または「指定市町村事務受託法人もしくは指定居宅介護支援事業者に所属するケアマネジャーに
なること」が必要です。

つまり「医師、保健師、介護福祉士、作業療法士、栄養士などの21資格を有しており、
資格取得後の介護現場での業務が5年以上の人」、「過去に認定調査に1年以上携わった経験がある人」は、介護認定調査員として働くことができます。

介護認定調査員の働く場所は?

介護認定調査員の働く場所は、自治体の介護保険課の非常勤職員として働くことが多いです。
基本的には、社会福祉法人や社会福祉協議会といった組織が挙げられます。
地域によっても職場は異なるので、上記の場所以外でも就業は可能です。

認定調査は、市町村の職員や事務受託法人が行うので、法人の場合は、自治体が事業所を指定し、
業務を委託している組織のことを指します。
なお、介護支援専門員として働いている場合、更新や区分変更の調査を実施することが可能です。

介護認定調査員に向いている人は?

介護認定調査員に向いている人は、コミュニケーション能力がある人、表現力や要約力の高い人、
書類作成が得意な人です。
介護認定調査員は、聞き取りをしながら様々な訴えや状況を調査票に簡潔に
書き込まなければなりません。対象者や家族とコミュニケーションができ、話していることを
スムーズに要約できる人、観察しながら状況をスピーディーに把握できる人が向いています。

 コミュニケーション能力が高い人

介護認定調査員は、基本的に初対面の対象者や家族からの聞き取りを行うのが仕事です。
相手が話しやすいように配慮し、正しい調査を行うことが大切です。
そのため、高いコミュニケーション能力が必要となります。

コミュニケーション能力が高い人は、相手が話した言葉からだけでなく、相手の価値観や
本音を理解し、スムーズにコミュニケーションが行える人です。
相手の話を充分に聞きながら話を進めていくことができるので、介護認定調査員に向いています。

 介護・福祉関連の専門知識がある人

介護認定調査員の主な仕事は、介護を必要としている人のところへ訪問し、要介護認定の
1次判定をするための情報収集を行います。調査対象者の要介護度の決定に大きく影響するので、
非常に重要な役割を担っています。

調査の内容等から、医師や介護認定審査委員との連携も必要となり、保健医療福祉に関する
専門的な知識を有することも必要です。経験を積んでいくうえで、これらの知識は自ずと
培われますが、介護・福祉関連の専門知識がある人なら、さらに向いているでしょう。

 観察力が高い人

介護認定調査員は、聞き取りをしながら調査票に状況を書き込まなければなりません。
対象者や家族が話していることをスムーズに要約できて、観察しながら状況をスピーディーに
把握できなければなりません。

限られた時間のなかで、家の中の状況や周囲とのやりとりの様子を観察し、調査の間は、
利用者の動作全てに注視して判断することが求められます。
そのため、観察力が高い人が向いています。
また、申請内容の誤りや相違がないかについて注意深く観察し、調査するスキルも求められます。

 書類作成が得意な人

介護認定調査員は、調査対象者やその家族が抱えるあらゆる悩みや訴えを聞き取ると同時に、
調査票に簡潔に、かつわかりやすく要約して書き込む必要があります。
単純に伝えられた内容やニュアンスを記載するのではなく、言語化してうまくまとめなければ
なりません。

そのため、表現力や要約力が高く、書類作成が得意な人が向いています。
また、在宅での生活をサポートしている介護職経験者の場合は、高齢者の自宅での生活状況や
困りごとがイメージしやすいので向いているといえます。

まとめ

この記事では介護認定調査員について解説してきました。
介護認定調査員は、介護保険サービスを利用したいという介護を必要とする人に対して、
要介護判定を行うのが仕事ですが、要介護度の認定を左右するので、重要な業務です。

介護認定調査員になるための要件や仕事内容、働く場所についても解説してきましたので、
介護認定調査員に少しでも興味・関心のある方は参考にしてください。

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