要介護度2とは?受けられるサービスや支給限度額などを詳しく解説

2025.03.11

介護保険の認定を受けることは、高齢者の生活をサポートするために欠かせないステップです。
中でも、要介護2の認定を受けた方は、日常生活に支援が必要な状態にあります。

今回は、要介護2の認定基準を中心に、要介護2と他の要介護度との違い、利用可能な
サービスや生活支援について詳しく解説します。
これから介護サービスを利用する方やそのご家族が理解しやすいように、具体的な例も交えて
説明いたします。

要介護2の認定基準

要介護2の認定は、日常生活に一定の支援が必要な状態を示します。
この段階では、独立した生活をするには難しさがあり、他者の助けが必要とされる場面が
増えてきます。

認定基準としては、食事の準備や衣服の着脱、移動などに部分的な支援が求められる状態です。
しかし、要介護2の方は、依然として一定の自立が可能であり、支援を受けることで日常生活を
送ることができます。
例えば、要介護2の方は、ひとりで歩くことが難しくなるものの、歩行器を使えば短距離での
移動ができる場合があります。また、家事の中でも料理や掃除ができる場合もありますが、
体力の低下や記憶力の低下により、完璧にはできません。
自分でできることと支援を必要とすることが混在している段階です。

 要介護2と要介護3の違い

要介護2と要介護3は、認定される介護度に違いがあります。
要介護2は、基本的な生活動作に部分的な支援が必要な状態ですが、要介護3になると、さらに
介護の必要性が高まり、日常生活のほとんどに支援が必要となります。

例えば、要介護2の方は、移動や食事に部分的なサポートが必要な場合が多いですが、
要介護3の方は、移動、食事、排泄など、ほとんどの生活支援が求められます。
また、要介護3の方は認知症の症状が進行している場合もあり、常に介護が必要な状態です。
要介護3は、身体的・精神的に自立が難しい状態となり、24時間の介護を必要とすることも
多くなります。
この違いは、介護サービスを受ける内容にも影響し、要介護3の方は、さらに多くの介護サービスを
利用する必要があります。

 要介護2と要介護1の違い

要介護1と要介護2の違いは、日常生活における支援の程度です。
要介護1は、軽度の介護が必要な状態で、部分的な援助で自立生活が可能なこともありますが、
要介護2は、より多くの支援が必要とされ、生活全般において援助が必要です。

具体的には、要介護1の方は、食事や入浴、排泄などで少しの支援を必要とすることが多い一方で、
要介護2の方は、これらの動作を行うのにかなりの支援が必要になります。
例えば、要介護1の方は、食事の準備や服の着替えなどを一部自分でできる場合が多いですが、
要介護2になると、衣服の着脱や移動に支援が不可欠となります。


また、要介護1の方は、認知症の進行が遅いことが多いですが、要介護2の方では認知症の症状が
進行し、記憶力や判断力に支障が出ている場合があります。

要介護2の区分支給限度額

要介護2の方が利用できる介護保険サービスには、支給限度額があります。
これは、介護保険で支払われる上限額を示しており、限度額を超える分については自己負担と
なります。
要介護2の支給限度額は、要介護1よりも高く設定されており、生活支援のために必要な
サービスを受けやすくなります。

具体的な支給限度額は、市町村ごとに異なる場合がありますが、要介護2の方は、訪問介護や
デイサービス、ショートステイなど、さまざまなサービスを利用することができます。
支給限度額を超えるサービスの利用が必要な場合、利用者自身が自己負担分を支払うことに
なりますが、これにより、より多くの介護支援を受けることが可能となります。

要介護2で利用できるサービスは?

要介護2の方は、さまざまな介護サービスを利用することができます。
これらのサービスは、自宅での生活をサポートしたり、施設での支援を提供するためのものです。
具体的には、在宅サービスや通所サービス、宿泊型サービス、そして施設でのサービスなどが
あります。

 在宅で利用できるサービス

要介護2の方は、自宅での生活を維持しながらさまざまな介護サービスを利用できます。

  • 訪問介護(ホームヘルプ)は、その代表的なサービスのひとつで、ヘルパーが自宅を訪問し、
    食事の準備や掃除、入浴の介助などを行います。
  • 訪問看護では、看護師が定期的に訪問し、健康管理や医療的なケアを提供します。
  • 訪問リハビリテーションを利用すれば、理学療法士や作業療法士が訪問し、自宅での生活を
    継続するためのリハビリを行うことができます。

    在宅サービスを利用することで、自宅での生活を維持しながら必要なサポートを受けることが
    可能です。家族の介護負担を軽減するためにも、適切なサービスを組み合わせて利用することが
    大切です。

 施設に通って利用できるサービス

デイサービス(通所介護)は、日帰りで施設に通い、食事、入浴、機能訓練などの支援を
受けることができるサービスです。介護を受けながら他の利用者と交流することができ、
社会的な孤立を防ぐ役割も果たします。

また、デイケア(通所リハビリ)は、主にリハビリテーションを目的とした施設で、理学療法士や
作業療法士による専門的なリハビリが受けられます。
要介護2の方が自立した生活を続けるためには、定期的なリハビリが重要になります。

通所サービスは、家族が介護を休む「レスパイトケア(介護負担の軽減)」の役割も果たします。
自宅での介護と併用しながら、定期的に利用することをおすすめします。

 宿泊して利用できるサービス

ショートステイ(短期入所生活介護)は、一時的に施設に宿泊し、食事や入浴、排泄などの
日常生活の介助を受けることができるサービスです。家族が旅行や仕事の都合で一時的に介護が
できない場合や、在宅介護の負担を軽減するために利用されます。

また、短期間の宿泊によって、施設の環境に慣れることができ、将来的に施設入所を検討する際の
準備としても有効です。

 施設に入所して利用できるサービス

要介護2の方は、特別養護老人ホーム(特養)には原則として入所できませんが、有料老人ホームや
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、介護付きの施設に入居することは可能です。

これらの施設では、24時間の介護体制が整っており、自宅での生活が難しくなった場合に
適しています。
特に、グループホームは、認知症の診断を受けた方が少人数で共同生活を送りながら支援を
受ける施設で、要介護2の方も利用できるケースがあります。

 生活環境を整備するサービス

要介護2の方が自宅で安心して生活を続けるためには、生活環境の整備も重要です。
介護保険では、手すりの設置や段差の解消、滑りにくい床材への変更などの住宅改修が
補助対象となります。
また、車いすや歩行器などの福祉用具をレンタルすることも可能です。

住宅改修や福祉用具を活用することで、転倒やケガのリスクを減らし、安全な生活環境を
整えることができます。

 地域密着サービス

地域密着型サービスとは、住み慣れた地域で生活を続けることを目的とした介護サービスです。

  • 小規模多機能型居宅介護は、「訪問」「通い」「泊まり」を柔軟に組み合わせることができる
    サービスで、要介護2の方が住み慣れた地域での生活を継続しやすくなります。
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間体制で介護と医療の支援を受けられる
    サービスで、一人暮らしの方にも適しています。

要介護2で一人暮らしをすることは可能?

要介護2の方でも、一人暮らしを続けることは可能ですが、適切な支援体制が整っていることが
前提となります。在宅サービスや地域密着型サービスを組み合わせることで、生活を維持することが
できます。また、福祉用具や住宅改修を活用することで、安全な環境を整えることも重要です。

しかし、日常生活の一部で介助が必要になるため、家族や地域の支援がない場合は、
一人暮らしの継続が難しくなるケースもあります。定期的な訪問介護や、緊急時に対応できる体制を
整えておくことが、一人暮らしを続けるためのポイントです。

まとめ

要介護2の方が利用できる介護サービスには、在宅、通所、宿泊、入所などさまざまな
選択肢があります。また、生活環境を整備する支援や、地域密着型サービスを活用することで、
自宅での生活を続けることも可能です。
一人暮らしを希望する場合は、適切なサービスを活用し、安全な環境を整えることが重要です。

しかし、日常生活の一部で介助が必要になるため、家族や地域の支援がない場合は、一人暮らしの
継続が難しくなるケースもあります。
定期的な訪問介護や、緊急時に対応できる体制を整えておくことが、一人暮らしを
続けるためのポイントです。

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